利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 40社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
総集編の第1弾(3月17日配信)、第2弾(3月21日配信)に続き、17日時点の時価総額が250億円以上600億円未満の銘柄を対象に、21年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、21年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%超上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している40社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、インターネット広告を手掛けるフリークアウト・ホールディングス <6094> [東証M]。21年10-12月期(第1四半期)の経常利益は9.8億円と過去最高益を92.5%上回って着地。海外事業が最大の広告需要期である年末の影響もあり、米国子会社のプレイワイヤーを中心に収益が急拡大したほか、国内では動画・Connected TV領域が大きく伸びた。第1四半期業績の好調な業績を踏まえ、早くも22年9月期通期の同利益予想を上方修正し、5期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。
2位に入ったシミックホールディングス <2309> の10-12月期(第1四半期)は、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発や接種支援業務などが大きく伸びた。業績好調に伴い、22年9月期通期の経常利益を従来予想の38.5億円から58億円に大幅上方修正した。併せて、発行済み株式数の3.7%にあたる67万株または10億円を上限に自社株買いを実施することも発表している。
続く3位にリスト入りしたリミックスポイント <3825> [東証2]の10-12月期(第3四半期)経常損益は39.9億円の黒字(前年同期は1.6億円の赤字)に浮上し、15四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。暗号資産交換所を運営する子会社ビットポイントジャパンで取り扱い暗号資産の増加を背景に新規口座開設数が大きく伸び、手数料収入およびトレーディング収益が急増した。
4位のシュッピン <3179> はメーカー各社がフルサイズミラーレスカメラの新製品を発売するなか、10-12月期(第3四半期)はカメラ事業のEC売上高が大きく伸びた。AIによる中古カメラ買取・販売価格の自動アシストシステム「AIMD」の導入を進めたことも奏功した。また、時計事業では品揃えを強化した人気ブランド「ロレックス」を中心に販売が好調だった。3月14日には22年3月期の期末一括配当を大幅増額修正している。
6位の東京きらぼしフィナンシャルグループ <7173> は、メイン化取引の推進による貸出金増加を背景に利息収入が伸びたほか、与信関係費用の減少も寄与し、10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比3.7倍の60.4億円に膨らんだ。併せて、22年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したことも好感され、株価は2月18日に約3年2ヵ月ぶりの高値2116円をつけている。
11位の乾汽船 <9308> はハンディ船市況の回復を背景に、外航海運事業の収益が急拡大し、10-12月期(第3四半期)の経常利益は2四半期連続の最高益更新を果たした。好調な業績を踏まえ、22年3月期通期の同利益予想を上方修正し、期末配当も181円(従来は151円)に引き上げた。3月期末の配当利回りは8%台と高水準で推移している。
権利付き最終日(29日)を間近に控える3月期決算企業の高配当利回り株に目を向けると、13位の山一電機 <6941> (配当利回り4.18%)、18位の白銅 <7637> (配当利回り4.02%)、22位の若築建設 <1888> (配当利回り4.04%)、27位のバルカー <7995> (配当利回り4.27%)、28位の三井松島ホールディングス <1518> (配当利回り3.78%)などがある。このうち若築建と三井松島HDは期末一括配当だ。
半導体検査用ソケット大手の山一電機、半導体製造装置向けが好調な非鉄金属商社の白銅、半導体製造装置向けを得意とする工業用シール材大手のバルカーは旺盛な半導体需要を追い風に業績を伸ばしている。半導体の需給逼迫は今後も続くとみられ、来期の業績拡大が期待できる銘柄として注目したい。
三井松島HDは石炭価格の上昇や円安進行を追い風にエネルギー事業の利益が急増し、10-12月期の経常利益は23.4億円(前年同期比4.4倍)と四半期ベースの過去最高益を10年ぶりに塗り替えた。16日には22年3月期通期の業績見通しと配当予想を大幅に上方修正している。予想PER5.7倍、PBR0.84倍と割安感が強く見直し余地の大きい銘柄としてマークしたい。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6094> フリークHD 92.5 982 510 24.2 1500 1208 -
<2309> シミックHD 92.3 3462 1800 13.9 5800 5091 9.6
<3825> リミックス 65.0 3993 2420 88.0 6313 3358 6.6
<3179> シュッピン 46.6 1029 702 73.2 3005 1735 13.2
<6036> KeePer 37.6 1522 1106 29.9 3925 3022 24.3
<7173> 東京きらぼし 36.8 6043 4417 62.6 23500 14453 3.3
<9273> コーア商HD 34.4 1271 946 0.5 3420 3404 15.4
<9066> 日新 33.2 2955 2218 29.6 8900 6869 5.8
<6736> サン電子 32.9 1581 1190 187 7750 2704 19.8
<6088> シグマクシス 32.5 978 738 24.8 2700 2164 30.1
<9308> 乾汽船 27.4 4330 3400 159 12150 4700 5.4
<3661> エムアップ 25.8 620 493 45.5 1700 1168 39.2
<6941> 山一電機 25.1 2403 1921 77.1 7700 4348 7.2
<7820> ニホンフラ 24.2 2129 1714 4.1 4850 4661 7.4
<4499> スピー 23.4 448 363 25.9 1499 1191 41.0
<3902> MDV 22.7 556 453 0.5 1600 1592 40.8
<3984> ユーザーロカ 19.8 309 258 15.8 984 850 42.1
<7637> 白銅 18.7 1223 1030 30.8 4170 3188 10.9
<6556> ウェルビー 18.7 788 664 26.4 2659 2104 15.9
<4345> CTS 16.0 767 661 15.7 2460 2127 20.5
<4687> TDCソフト 15.2 976 847 18.2 3030 2564 14.3
<1888> 若築建 15.2 2192 1903 15.5 5750 4978 6.5
<4923> COTA 14.6 1397 1219 35.1 2239 1657 22.2
<9896> JKHD 14.2 4626 4052 99.1 11500 5776 4.7
<3836> アバント 13.2 996 880 0.8 2830 2808 25.0
<3901> Mラインズ 12.7 374 332 20.1 1525 1270 33.7
<7995> バルカー 11.9 2016 1802 5.3 6100 5791 11.6
<1518> 三井松島HD 11.2 2349 2112 27.7 8400 6577 5.7
<5217> テクノクオツ 10.4 901 816 6.9 2760 2581 15.8
<5999> イハラサイエ 10.3 1327 1203 24.5 4220 3389 7.4
<6957> 芝浦電子 10.0 1573 1430 73.9 5500 3162 15.8
<4051> GMO-FG 9.4 210 192 19.1 737 619 134
<9413> テレ東HD 9.2 3323 3042 2.5 8200 8001 10.7
<4481> ベース 8.8 813 747 19.9 3602 3004 21.9
<6800> ヨコオ 8.1 2257 2088 1.5 5400 5320 15.6
<4832> JFEシステ 7.5 1720 1600 14.5 5500 4803 11.0
<9302> 三井倉HD 6.6 6504 6102 26.5 21800 17240 5.2
<4674> クレスコ 5.8 1418 1340 12.2 4600 4101 12.6
<6823> リオン 5.7 998 944 9.4 3050 2789 13.3
<7504> 高速 5.1 1426 1357 1.8 3600 3537 12.9
※ 2021年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
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株探ニュース