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あの海運株がトップに、売買益期待が最大・2番目・3番目の各上位30は!

特集
2022年4月22日 10時15分

第2回 日本株&アメ株で勝つ人(データ分析・全体編)

日本株&アメ株で勝つ人~個人投資家4800人の調査で判明!

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

第1回記事「日本株で含み益が最も大きい銘柄のトップは「オ」で始まる銘柄、では含み損では?」を読む

『株探』編集部が実施した第2回 「株探-個人投資家大調査」(2022春)のデータ分析・全体編の2回目は、

投資スタイル別の注目指標および情報、

平均的な保有銘柄や投資期間、信用取引の利用動向

売買益期待が最大・2番目・3番目について、各上位30のランキング

――などを紹介する

投資スタイルのトップはバリュー、次がグロース

投資スタイルでは、「バリュー」が全体の36.2%でトップ、グロースが同31.3%の2位となった。昨年実施の第1回調査では、「グロース」が同33.4%で「バリュー」が同30.5%と、グロースがトップだった(参考)。

昨年と今年で両者が入れ替わったのは、米国が金融引き締めモードに入るのと前後して、グロース株優位からバリュー株優位に株式市場のトレンドが転換してきたことが影響している可能性がある。

■投資戦略の内訳

順位戦略全体
1バリュー36.2%
2グロース31.3%
3テクニカル・需給14.2%
4テーマ9.4%
5その他6.1%
6イベント2.8%
注:回答数は4765

次に、各投資スタイルの注目する指標・情報について見ていく。「その他」を除く5つで、回答者に占める割合の多い順に並べたのが下の表だ。

まず、バリュー派が注目する指標・情報を見ると、第1位が「収益バリュー」(想定される収益から株価水準が割安)、第2位が「配当利回り」、第3位が収益バリューの体表的な指標である「PER(株価収益率)」が入った。

昨年の調査と比較すると、トップ3の顔ぶれは同じだが、2位と3位が入れ替わっている(参考)。昨年は3位の「配当利回り」が今年は2位に浮上した。その背景には、株価の上値を追いにくい状況を踏まえて、キャピタルゲインからインカムゲイン重視に切り替わっている可能性がある。

■バリュー派の注目指標・情報

順位注目指標・情報割合
1収益バリュー58.6%
2配当利回り53.0%
3PERの水準48.8%
4財務基盤の安定性38.2%
5PBRの水準29.9%
6資産バリュー19.7%
7理論価値に対して割安15.3%
8時価総額の水準13.3%
9その他8.7%
10大株主の保有割合2.9%
11注目投信の組み入れ2.3%
注:回答は4つまで。母集団と回答数は全体が1492と5012。合計は100%を超える

グロース派のトップ3は、「利益(ボトムライン)の成長性」「売上高(トップライン)の成長性」「セクター・事業の市場規模の成長性」の順となった。この順番は昨年の調査と変わらない。

だが、1位と2位の開きが今年は11.5%ポイントと、昨年の5.7%ポイントから大きくなっている。今年は「利益重視」に傾いているのには、金融引き締めやロシアへの経済制裁などが世界経済の足を引っ張り、トップラインの伸びを期待しにくくなると判断している可能性がある。

■グロース派の注目指標・情報

順位注目指標・情報割合
1利益の成長性68.2%
2売上高の成長性56.7%
3セクター・事業の成長性46.6%
4収益性の改善45.4%
5時価総額の水準21.6%
6フリーCFの動向12.5%
7その他8.4%
8大株主の保有割合5.0%
9注目投信の組み入れ3.9%
注:回答は4つまで。母集団と回答数は全体が1723と4004。合計は100%を超える

テクニカル・需給派の注目指標・情報では、昨年と比べて、上位2つは変わらないが、3位と4位が入れ替わっている。今年の3位は「移動平均線の乖離率」、4位は「MACD(移動平均収束発散法)」であったが、昨年は逆だった。

ただし、今年も昨年も両者の差はわずか。順位の入れ替わりに、今年ならではの理由は見当たらない。

■テクニカル・需給派の注目指標・情報

順位注目指標・情報割合
1出来高の増減57.7%
2移動平均線のGC・DC37.4%
3移動平均線の乖離率34.8%
4MACD33.3%
5ボリンジャーバンド28.0%
6注文気配25.9%
7歩み値21.6%
8RSI18.0%
9信用売り・買い残の変化14.0%
10一目均衡表11.2%
11その他9.9%
12信用倍率9.3%
13RCI8.2%
14時価総額の水準7.4%
15ストキャスティクス5.3%
16大株主の保有割合2.5%

注:回答は4つまで。母集団と回答数は292と1981。
合計は100%を超える。GCはデッドクロス、DCはデッドクロスの略

注目テーマについては、「半導体・半導体製造装置」が53.4%とトップで、2位の「クリーンエネルギー・環境関連」を12.6%ポイント上回った。

半導体関連銘柄は、景気の減速や部材調達などへの懸念で、昨年の後半頃から調整局面に入る銘柄が多かったが、長期的には高成長を期待できる状況もあり、注目度を高めている可能性がある。

■テーマ派の注目指標・情報

順位注目テーマ割合
1半導体・半導体製造装置53.4%
2クリーンエネ・環境40.8%
3エネルギー・原子力34.1%
4サイバーセキュリティー32.1%
5メタバース30.0%
6AI・IoT26.7%
7貴金属・レアメタル・資源開発26.0%
8海運・空運・陸運23.5%
9自動運転20.6%
10農業・穀物・肥料・食品15.5%
11ヘルスケア13.7%
12キャッシュレス・暗号資産11.7%
13その他11.4%
14高齢化6.1%

注:回答は5つまで。母集団と回答数は446と1411。
合計は100%を超える

イベント派の注目指標・情報のトップは、昨年と変わらず「決算発表・業績修正」だが、その割合が80.5%と昨年の63.9%より高まっている。

昨年と質問の選択肢の一部を変更しているため、単純に比較できないが、今年は原材料価格の高騰や、足元で顕著になった円安の進行が企業業績に大きなインパクトを与えることを想定し、注目度を高めている可能性がある。

■イベント派の注目指標・情報

順位注目指標・情報割合
1決算発表・業績修正80.5%
2株主還元40.6%
3新高値更新39.1%
4新製品・新技術の発表36.1%
5株式分割21.1%
6株主優待新設・改善17.3%
7時価総額の水準15.0%
8アクティビストの関与10.5%
9M&A(合併・買収)9.8%
10大株主の保有割合8.3%
11経営陣・経営体制の変更7.5%
12その他5.3%
13増担保規制の導入や解除3.0%

注:回答は5つまで。母集団と回答数は679と391。
合計は100%を超える

平均的な銘柄保有期間と信用取引の利用動向は以下の通り。それぞれの順位は昨年の調査と変わっていない(参考)。

保有期間については、昨年の調査と比べて、長期(1~3年未満)と超長期(3年以上)が割合を高め、中短期(1週間以上~1カ月未満)と中期(1カ月以上~1年未満)が割合を低めている。

■平均的な銘柄保有期間

順位期間全体
1中期-1カ月以上~1年未満44.8%
2長期-1年以上~3年未満32.0%
3中短期-1週間以上~1カ月未満23.4%
4超長期-3年以上19.2%
5短期-1日以上~1週間以内15.2%
6超短期-日をまたがい5.3%

注:回答は2つまで。母集団と回答数は4765と6665。
合計は100%を超える

■信用取引の利用動向

順位利用状況割合
1していない62.2%
2買いと売り24.4%
3信用買い10.2%
4信用売り3.1%
注:回答数は4765

売買益期待の顔ぶれは、「海運」「エネルギー」「半導体」関連などが目立つ

最後に、売買益期待の大きい銘柄のランキングを紹介する。大きさを「最大」「2番目」「3番目」と分けて、それぞれの上位30を以下に掲載した。

顔ぶれを見ると、

昨年から騰勢を強めている郵船<9101>や商船三井<9104>なとの海運関連、

INPEX<1605>や三菱商<8058>、丸紅<8002>といったエネルギー・資源高の追い風を受ける銘柄、

レーザーテク<6920>や三井ハイテク<6966>、フェローテク<6890>などの半導体関連、

――が多くなっている。またデクセリアルズ<4980>など足元で業績モメンタムが強い一方で、PER(株価収益率)は10倍台前半と割高感の薄い銘柄なども名を連ねた。

なお、次ページに下に記載した銘柄のうち重複を除いた42銘柄について、

業種、

時価総額、

3期平均ROE(自己資本利益率)、

3期平均営業キャッシュフロー(CF)成長率、

EBITDA(利払い・割引料・税引き・償却前利益)マージン

――をまとめた表を掲載している。こちらはプレミアム会員向けとなっている。

次回は、今後6カ月の日本株の投資態度や方針や日本株投資で注視する指標および情報、そして配当期待の大きい銘柄のランキングなどを紹介する。

■売買益期待が最も・2番目・3番目に高い銘柄

最も大きい2番目に大きい3番目に大きい
順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>
1郵船<9101>1トヨタ<7203>1三菱UFJ<8306>
2トヨタ<7203>2商船三井<9104>2トヨタ<7203>
3三菱UFJ<8306>3三菱UFJ<8306>3オリックス<8591>
4INPEX<1605>4オリックス<8591>4INPEX<1605>
5商船三井<9104>5郵船<9101>5三菱商<8058>
6三菱商<8058>6INPEX<1605>6郵船<9101>
7レーザーテク<6920>7三菱商<8058>7商船三井<9104>
8オリックス<8591>8KDDI<9433>8ENEOS<5020>
9フロンテオ<2158>9ソニーG<6758>9KDDI<9433>
10SBG<9984>10伊藤忠<8001>10ANAHD<9202>
11ソニーG<6758>11フロンテオ<2158>11日本製鉄<5401>
12丸紅<8002>12JFE<5411>11ソニーG<6758>
13フェローテク<6890>12丸紅<8002>11NTT<9432>
13KDDI<9433>14ルネサス<6723>14フロンテオ<2158>
15JFE<5411>15SBG<9984>14三井物<8031>
15JAL<9201>16ENEOS<5020>16丸紅<8002>
17NTT<9432>16NTT<9432>17川崎汽<9107>
17三井ハイテク<6966>18日本製鉄<5401>18レーザーテク<6920>
19東エレク<8035>18三井物<8031>18伊藤忠<8001>
20NF日経レバ<1570>20レーザーテク<6920>23フェローテク<6890>
20GW<3936>21リクルート<6098>20住友商<8053>
22JTOWER<4485>21ANAHD<9202>20三井住友FG<8316>
22日本製鉄<5401>23住友鉱<5713>20JAL<9201>
24デクセリ<4980>23フェローテク<6890>23JT<2914>
25伊藤忠<8001>23JAL<9201>23JFE<5411>
25川崎汽<9107>26三井ハイテク<6966>23住友鉱<5713>
27ENEOS<5020>27三井住友FG<8316>27SBG<9984>
27三井物<8031>28日電産<6594>27リクルート<6098>
29エムスリー<2413>28新光電工<6967>27マネックスG<8698>
29アスカネット<2438>28村田製<6981>27SB<9434>
29住友鉱<5713>28住友商<8053>
注:回答数は売買期待の最大が1144、2番目が1230、3番目が1207。銘柄名は略称

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 売買益期待の大きい銘柄の関連情報を記載した一覧表

 

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