話題株ピックアップ【夕刊】(1):東亜石、三益半導、郵船

注目
2022年10月3日 15時18分

■東亜石油 <5008>  2,696円  +500 円 (+22.8%) ストップ高   本日終値

東亜石油<5008>がストップ高。前週末9月30日の取引終了後、出光興産<5019>が東亜石油に対し、完全子会社化を目的にTOBを実施すると発表した。TOB価格を1株3150円としていることから、これにサヤ寄せする格好となっているようだ。出光興産は現在、東亜石油株の50.12%を所有している。買い付け予定数は620万4846株(下限205万8375株、上限設定なし)で、買い付け期間は10月3日から11月15日まで。なお、TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は30日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■三益半導体工業 <8155>  2,163円  +241 円 (+12.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

30日に決算を発表。「非開示だった今期経常は45%増で2期連続最高益、未定だった配当は19円増配」が好感された。

三益半導体工業 <8155> [東証P] が9月30日大引け後(15:00)に決算を発表。23年5月期第1四半期(6-8月)の経常利益(非連結)は前年同期比74.7%増の32.1億円に拡大した。業績好調に伴い、従来未定としていた今期の上期配当を32円(前年同期は19円)実施するとし、従来未定としていた下期配当も32円実施する方針とした。年間配当は前期比19円増の64円に増配となる。

⇒⇒三益半導体工業の詳しい業績推移表を見る

■日本郵船 <9101>  2,599円  +132 円 (+5.4%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手海運への買い戻しが顕著となっている。業種別騰落でも「海運」は33業種中で断トツの上昇率となっている。ここ世界景気のリセッション懸念を背景にグローバル物流を担う海運セクターの業績先行きに対する警戒感が売りを誘っていたが、配当利回りが群を抜いて高く、郵船で18.7%に達する。「ここから株価が2割以上下げるとすれば、配当利回りのアドバンテージは失われるが、1倍台のPERやPBRを考えるとそこまで売り込まれることは考えにくい」(中堅証券ストラテジスト)という指摘も出ている。目先突っ込み警戒感からのショートカバーや期末配当を念頭にリバウンド期待の押し目買いが株価を押し上げている格好だ。

■新生銀行 <8303>  2,180円  +105 円 (+5.1%)  本日終値

新生銀行<8303>は3連騰。正午ごろ、第2四半期の業績に166億8300万円の投資有価証券評価損を戻し入れすることになったと発表しており、これを好感した買いが入った。同社では第1四半期決算で、政策的に保有する有価証券のうち時価が著しく下落したものについて、減損処理による有価証券評価損を計上していたが、時価の回復が見られたことから第2四半期において戻し入れるとしている。なお、23年3月期業績予想については、現時点で修正の必要はないとしている。

■テイ・エス テック <7313>  1,466円  +47 円 (+3.3%)  本日終値

テイ・エス テック<7313>が4日ぶりに反発。同社は9月30日、プレス金型の製造及び技術開発を行う施設を新設すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。これは、超ハイテン材成形などの新技術・新工法開発、コスト競争力強化、金型品質向上などの技術進化を図り、更なる部品競争力強化につなげることが主な目的。建設完了は24年2月を予定し、子会社のC-PRESTOが運営するとしている。

■INPEX <1605>  1,400円  +41 円 (+3.0%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>が高い。5日予定されている石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国から成る「OPECプラス」の会合で日量100万バレル以上の減産を検討する、と複数のメディアが報じた。これを受け、3日の時間外取引のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)11月限が82ドル前後へ急上昇している。先週末30日の同価格は79.49ドルで取引を終えていた。

■ミダックHD <6564>  3,450円  +100 円 (+3.0%)  本日終値

ミダックホールディングス<6564>は3日続伸。9月30日の取引終了後、静岡県裾野市と「地震等大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定」を締結したと発表しており、これが好材料視された。同協定は、大規模災害時などにおける早期復旧を迅速に行うために、廃棄物の処理などで協力することを目的としたもの。裾野市における大規模災害発生時に同市からの協力要請を受けた場合、人員、車両、資機材の調達や災害廃棄物処理などに可能な限り協力するとしている。

■日機装 <6376>  928円  +19 円 (+2.1%)  本日終値

日機装<6376>が反発。この日の午前中、パワー半導体SiCモジュール製造向けにシンタリング(焼結)装置「3Dシンター」を開発したと発表しており、これが好材料視された。「3Dシンター」は、電気自動車(EV)で採用が急増しているSiCパワー半導体の基板への接合工程において、独自の3Dプレス方式によりSiCチップと基板をシンタリング接合する装置。特殊ゲル状加圧媒体を用いた立体的なプレスで、高さが異なるチップや基板を均一に一括接合できるため、従来の平面で加圧するメタルプレス方式と比べて、効率的かつ高品質なモジュールの製造が可能となるのが特徴という。22年10月から東村山製作所にデモ機を設置、23年1月には上海にデモルームを開設し順次販売開始する予定としている。

■AGC <5201>  4,555円  +65 円 (+1.5%)  本日終値

AGC<5201>が反発。3日付の日本経済新聞は「AGCは新型コロナウイルスワクチンで用いる『メッセンジャーRNA(mRNA)』と呼ぶ原料を国内で生産する」と報じた。日本では第一三共<4568>などが国産ワクチンの開発に動いており医薬品メーカーに提供する、という。具体的には、横浜市の拠点に新たな製造設備を設け、ワクチン原料のmRNAを25年にも生産できる体制を整える、としている。この報道を受け、株価は堅調に推移している。

■富士紡ホールディングス <3104>  3,330円  +45 円 (+1.4%)  本日終値

富士紡ホールディングス<3104>が続伸。9月30日の取引終了後、プラスチック用精密金型の設計・製作分野に優れた技術力を持つIPMの親会社GFIホールディングスの全株式を11月1日をメドに取得し子会社化すると発表しており、これが好感された。IPMがグループの一員となることで、化成品事業でIPMの優れた金型技術を生かした射出成形品の品質向上が期待できる。また、IPMにとっても金型と射出成形品を合わせて販売することで、事業規模の拡大が期待できるとしている。取得価額は非開示。なお、23年3月期業績への影響は軽微としている。

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