「半導体製造装置」が12位、空売り筋のショートカバーに点火<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「半導体製造装置」が12位となっている。
ここ半導体市況が悪化するなか、皮肉にもこれまで売り込まれてきた同関連株や周辺株が上昇に転じるケースが相次いでいる。足もとでは各国中央銀行の金融引き締め政策の影響もあって消費が冷え込み、パソコンやスマートフォンの売り上げが急速にしぼんだ。これに伴い好況期にあった半導体サイクルも暗転している。米インテル<INTC>の決算も7~9月期は最終利益が前年同期比で85%減という落ち込みで市場の注目が集まった。ところが同社の株価は発表翌日に10%を超える急反騰をみせた。
株価は実勢経済に先行すると言われるが、工作機械や半導体製造装置は特にそれが顕著で、市況が絶好調で頂点に近づくと売りが出始め、逆に冷え込んだ状況に陥ると空売りの買い戻しなどを誘発し、株高局面に移行するケースが少なくない。今回は、大手ヘッジファンドなどがかなり早い段階から半導体セクターにショートポジションを取るなどで空売りが高水準に積み上がり、その反動が目先株式市場の半導体関連株の上昇を演出している。これは米国株市場だけではなく、東京市場にも同じことがいえる。
空売りの買い戻しで上がる半導体製造装置メーカーの象徴的な例がマスクブランクス検査装置で世界シェアを独占するレーザーテック<6920>で、同社株の10月に入ってからの戻り足の速さは目を見張る。しかも日足チャートは陽線の多さが際立っており、これは機関投資家などの継続的な買いが毎日一貫して流入していることを物語るものだ。しかも実需の買いよりも、空売りの買い戻しのウエートが圧倒的に高かったとみられる。なお、同社は前日に23年6月期第1四半期(7~9月)の決算を発表したが、営業利益が前年同期比4.2倍の85億800万円と大幅な伸びを達成した。好決算は事前に織り込みが進んでおり、きょうは朝方にウリ気配でスタートするなど目先筋の利益確定売りが目立ったが、その後はバランスを立て直しプラス圏に切り返している。依然として空売り筋の買い戻し圧力が強いことを物語っている。
半導体製造装置関連ではこのほか、国内業界首位の東京エレクトロン<8035>や半導体テスターで世界屈指のアドバンテスト<6857>、半導体切断装置で世界シェアトップのディスコ<6146>などが代表的だが、中小型株では高田工業所<1966>、内外テック<3374>、和井田製作所<6158>、野村マイクロ・サイエンス<6254>、AIメカテック<6227>、ワイエイシイホールディングス<6298>、タカトリ<6338>、アドテック プラズマ テクノロジー<6668>などが挙げられる。