話題株ピックアップ【夕刊】(3):三井物、Jパワー、コマツ

注目
2022年11月1日 15時19分

■三井物産 <8031>  3,479円  +186 円 (+5.7%)  本日終値

三井物産<8031>が後場に入り上げ幅を拡大。午後2時、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、自社株買いと消却の実施を発表。年間配当予想についても増額修正をし、これらを材料視した買いが集まった。自社株買いは取得総数6000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.8%)、取得総額1400億円を上限とする。取得期間は2日から2023年2月28日。この間、取得した自己株式数に1000万株を加えた株式(消却前の発行済み株式総数に対する上限割合4.4%)について、3月13日に消却する。年間配当予想は前期比25円増配の130円と、従来の予想(120円)から10円増額した。更に、23年3月期の通期業績予想について為替の影響などを反映させ、最終利益予想を8000億円から9800億円(前期比7.1%増)に上方修正した。

■Jパワー <9513>  2,180円  +112 円 (+5.4%)  本日終値

Jパワー<9513>は大きく買い優勢に傾くなか気配値でスタートし、2000円近辺のもみ合いを一気に上放れてきた。10月31日取引終了後、同社は23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の1100億円から1620億円(前期比86%増)に大幅増額、03年3月期以来実に20年ぶりとなる過去最高利益更新見通しとなった。資源価格の高騰を追い風に、オーストラリアの子会社が権益を有する炭鉱から出る石炭の販売益が収益を押し上げる格好となっている。これが強力な株価刺激材料となっている。PER3倍台、PBR0.3倍台と株価指標面から割安感が極まっていることも投資資金の流入を助長している。

■コマツ <6301>  2,985円  +137 円 (+4.8%)  本日終値

コマツ<6301>は7日続伸。米キャタピラー<CAT>が好決算を発表したことがこのところの株価の支えとなっていたが、10月31日取引終了後、コマツは23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算の発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。最終利益は2260億円から2980億円(前期比32.5%増)に見通しを引き上げた。修正後の最終利益の見通しは市場のコンセンサスを上回った。更に同社は年間配当予想を32円増配の128円と、従来の予想(96円)から増額修正しており、これらをポジティブに受け止めた投資家の買いが集まった。通期の売上高予想は3兆円から3兆4600億円(同23.5%増)に引き上げた。建設機械・車両部門において、サプライチェーンの混乱に起因した供給不足の改善が見込まれるほか、販売価格の改善や円安の影響などが収益を押し上げるとして業績予想に反映させた。業績予想の前提となる想定為替レート(通期平均)は1ドル=135.8円(前回の見通しは118円)、1ユーロ=137.5円(同129円)と、円安方向に見直した。4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比25.3%増の1兆6187億3500万円、最終利益が同74.5%増の1625億6800万円だった。

■クイック <4318>  2,024円  +89 円 (+4.6%)  本日終値

クイック<4318>が大幅高で年初来高値を更新した。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を256億円から273億円(前期比15.7%増)へ、営業利益を36億7900万円から44億円(同31.5%増)へ、純利益を24億6500万円から29億9100万円(同33.0%増)へ上方修正し、27円としていた期末配当予想を38円に引き上げたことが好感された。医療・福祉分野をはじめ、注力領域である建設や電機・機械、自動車、製薬などの分野でも企業の採用ニーズが回復しており、人材サービスとリクルーティング事業を中心に上期の連結業績が順調に進捗していることが要因としている。なお、年間配当予想が64円となり、前期実績に対しては16円の増配となる予定だ。同時に発表した第2四半期決算は、売上高147億9900万円(前年同期21.3%増)、営業利益36億4600万円(同37.3%増)、純利益25億3700万円(同34.3%増)だった。

■新光商事 <8141>  1,027円  +32 円 (+3.2%)  本日終値

新光商事<8141>が続伸し、約2カ月ぶりに年初来高値を更新。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1600億円から1700億円(前期比25.7%増)へ、営業利益を43億円から56億円(同34.5%増)へ、純利益を30億円から39億円(同38.2%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各21円の年42円を予定していた配当予想を各29円の年58円に引き上げたことが好感された。上期において、主要分野である産業機器関連、自動車電装機器関連、OA機器関連が好調に推移したことが要因としている。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高894億4900万円(前年同期比52.7%増)、営業利益31億7400万円(同2.8倍)、純利益22億6600万円(同2.8倍)だった。

■ジャックス <8584>  3,715円  +105 円 (+2.9%)  本日終値

ジャックス<8584>が後場に入りプラスに転換。午前11時30分ごろ、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1670億円から1715億円(前期比4.5%増)へ、営業利益を290億円から305億円(同14.0%増)へ、純利益を195億円から205億円(同11.9%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各85円の年170円を予定していた配当予想を中間95円・期末90円の年185円(前期160円)に引き上げたことが好感された。国内でオートローンを中心に取扱高が増加し、クレジット事業が堅調に推移しているほか、カード会員数の増加や行動規制の緩和により、カードショッピングの取扱高が増加していることが要因。また、海外事業でも新型コロナウイルス感染拡大による社会経済活動の規制緩和が進んだことにより営業活動を強化し、クレジット事業の取扱高が好調に推移しているという。

■三菱重工業 <7011>  5,266円  +146 円 (+2.9%)  本日終値

三菱重工業<7011>が3日続伸。午後1時30分ごろに4~9月期決算を発表。売上収益が前年同期比12.7%増の1兆8752億円、純利益が同4.5倍の541億3200万円と増収増益で着地しており、これが好感された。GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)や航空エンジン、原子力、製鉄機械、物流機器、冷熱を中心に売上収益を伸ばした。固定費削減や円安による為替差益も寄与した。あわせて、23年3月期通期の売上収益予想を前期比6.2%増の4兆1000億円とし、従来の3兆9000億円から引き上げると発表した。4~9月期の実績や急激な円安進行の影響を踏まえた。利益見通しは据え置いた。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,574円  +174 円 (+2.7%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が新値街道をまい進。前日は370円あまりの急伸をみせ昨年11月下旬以来の水準を回復したが、きょうは目先筋の利益確定売りを吸収し、更に上値を指向する強さをみせている。前日はナスダック市場が下落し、同社が出資する中国電子商取引最大手アリババ集団<BABA>の株価も底値模索の動きを続けたものの、なお強調展開を維持しているが、市場では「株式需給面でタイト感があり、ショートポジションが積み上がっていた反動が出ている」(中堅証券ストラテジスト)という声がある。直近では日証金で空売りが急増し貸借倍率は0.07倍となっている。売買代金は全上場企業のなかで第2位となっており、同社株に対する市場の注目度の高さをうかがわせる。

■ANAホールディングス <9202>  2,963.5円  +72.5 円 (+2.5%)  本日終値

ANAホールディングス<9202>が続伸。10月31日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆6600億円から1兆7000億円(前期比66.6%増)へ、営業利益を500億円から650億円(前期1731億2700万円の赤字)へ、最終利益を210億円から400億円(同1436億2800万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。日本政府の水際対策の緩和により、国際線で旅客需要の回復が進んだことに加えて、国際線貨物が堅調に推移していることが要因。また、航空機の資産売却益や為替差益などが想定を上回る見込みであることも寄与する。なお想定レートは、ドル円為替を1ドル=145円(従来予想120円)、ドバイ原油価格を1バレル=100ドル(同105ドル)、シンガポールケロシンを1バレル=130ドル(同120ドル)としている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高7907億1600万円(前年同期比83.4%増)、営業利益314億4700万円(前年同期1160億700万円の赤字)、最終利益195億4200万円(同988億300万円の赤字)だった。

■メンバーズ <2130>  2,254円  -479 円 (-17.5%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

メンバーズ<2130>が急落。10月31日の取引終了後に4~9月期決算を発表し、営業利益は前年同期比21.2%減の2億8800万円だった。従来予想(4億5000万円)から大きく下振れして着地しており、これを嫌気した売りが出ている。デジタルマーケティング支援専任チームを提供するEMC事業で、新規顧客・案件の獲得が遅れたことや一部不採算案件が発生したことが響いた。デジタルプロダクト開発支援人材を提供するPGT事業が堅調に推移したことから、売上高は同20.9%増の82億1300万円と増収を確保した。

■日本食品化工 <2892>  2,238円  +400 円 (+21.8%) ストップ高   本日終値

日本食品化工<2892>がストップ高。10月31日の取引終了後、23年3月期の単独業績予想について、売上高を585億円から630億円(前期比24.5%増)へ、営業利益を10億円から30億円(同99.3%増)へ、純利益を9億円から25億円(同82.5%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を65円から180円(前期100円)へ引き上げたことが好感された。3年ぶりに行動制限のない夏となり、夏場も高温が続いたことで飲料向け糖化製品の販売が好調だったことに加えて、穀物価格上昇を受けて副産物価格が上昇していること、原料とうもろこし相場や為替相場の影響を受けた製品価格の適正化を進めていることが寄与する。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高326億7000万円(前年同期比25.4%増)、営業利益27億1900万円(同46.9%増)、純利益20億9100万円(同34.3%増)だった。

●ストップ高銘柄

ジーネクスト <4179>  446円  +80 円 (+21.9%) ストップ高   本日終値

ヤマト・インダストリー <7886>  1,610円  +270 円 (+20.2%) ストップ高   本日終値

リンカーズ <5131>  530円  +80 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値

pluszero <5132>  5,210円  +705 円 (+15.7%) ストップ高   本日終値

など、8銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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