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米国株
2022年11月21日 19時30分
特集

新型コロナ第8波突入へ、「PCR検査」関連株に再び出番到来 <株探トップ特集>

―懸念深まるインフルエンザとのW流行、人流回復のなか奮起する銘柄群―

新型コロナウイルス第8波への警戒が高まっている。今夏の第7波を経ていったんは感染者数も減少。しかし、政府がリオープン(経済再開)に舵を切り人流も増加するなか、15日には1日当たりの新規感染者数が、ついに全国で10万人を突破した。感染拡大を抑えるためには、まずはPCR検査による感染者数の把握が重要になることは、ここ数年の経験則から学んできた。再び感染が拡大するなか、奮起する「PCR検査」関連株の動向を追った。

●感染拡大は必至な情勢

第8波の襲来は予想されていたとはいえ、今冬は新型コロナと季節性インフルエンザ の同時流行が懸念されるだけに、より一層の感染拡大が警戒される状況となっている。気温が低下し、空気が乾燥する感染症シーズンに入ったことに加え、水際対策の大幅緩和や「全国旅行支援」などの景気刺激策を受け、目に見える形で人流も急激に回復しており、これも感染拡大を助長している。第8波のピークは年内に訪れるとの見方もあり短期収束に期待もかかるが、いずれにせよここからの更なる感染拡大は必至と言えそうだ。

こうしたなか、PCR検査数も次第に増加傾向にある。厚生労働省が発表しているPCR検査実施人数を見ると、第7波さなかの8月10日には単日で50万人を突破し、10月に入りようやく10万人台前半で推移するなど落ち着きを取り戻していたが、11月に入ってからは30万人を超す日も出始めている。こうしたなか、民間検査機関の役割は大きく、当然ながら企業業績へもこれが反映されることになる。

振り返ってみれば、2020年1月20日に横浜港を出港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号乗客の新型コロナ感染が2月1日に確認されて以降、日本もパンデミックの渦に巻き込まれることになった。国内での感染拡大初期は、PCR検査数の少なさが国内外から指摘され実態把握にほど遠いとの声が上がっていたが、官民挙げて検査体制の強化を進めたことで、現在では1日当たりの検査能力は42万(厚労省のデータによる)を超えるまでになった。いままさに第8波に突入しようとするなか、民間検査機関や検査試薬などを手掛けるPCR検査関連株への活躍期待が再び高まりそうだ。

●BML、HUグループ、ファルコHDは底値離脱の動き

臨床検査各社は、新型コロナ関連検査の診療報酬引き下げや、感染拡大に伴う医療機関での受診抑制が響く状況だが、それでも同関連検査の伸びが業績に与える影響は大きい。また、各社とも先行きは依然として不透明としつつも、新型コロナ関連検査について徐々に収束していくとみており、つれて医療機関での受診も回復することが予想される。

臨床検査大手のビー・エム・エル <4694> [東証P]は、11日に23年3月期の業績予想について、営業利益を従来予想の165億円から220億円(前期比55%減)へ上方修正した。第2四半期累計期間においては、感染第7波の影響を受け関連検査の受注が想定を上回ったことが要因だという。株価は、第7波の感染拡大とともに上昇し8月2日に4020円まで買われ年初来高値を更新。その後は調整局面入りし3100円台まで売られたが、ここにきてじわり上値指向。現在は3500円手前に位置している。

臨床検査薬大手で検査受託も手掛けるH.U.グループホールディングス <4544> [東証P]も9日、23年3月期業績予想を営業利益段階で210億円から230億円(前期比54.4%減)に上方修正。同社も第7波に伴い、PCR検査の受託数及び高感度抗原定量検査試薬・迅速抗原検査キットの販売量が期初想定を上回って推移した。株価は10月3日につけた直近安値2607円を底に切り返し、現在は2800円を挟みもみ合う展開だ。また、臨床検査受託大手のファルコホールディングス <4671> [東証P]の23年3月期上期(22年4-9月)営業利益は、前年同期比44.5%減の17億4100万円で着地しており、通期計画の28億円に対する進捗率は62%となった。

●島津は日水薬を完全子会社化

一方、検査試薬やキットなどを扱う企業の業績はまだら模様の状況だ。そのなか、計測・分析器大手の島津製作所 <7701> [東証P]は、新型コロナ感染拡大初期から検出試薬キットなどを手掛けており検査体制の拡充に努めてきた。業績も好調だ。7日に発表した同社の23年3月期上期(22年4-9月)決算は、営業利益で前年同期比0.3%増と微増なものの、最終利益が同19.6%増の245億円と大幅な伸びを達成し、上期の過去最高利益も更新した。通期の営業利益も前期比6.6%増の680億円を計画し過去最高を更新する見通しだ。今月18日には、同じくPCR検査関連株の一角だった日水製薬の完全子会社化(日水薬は11日に上場廃止)を発表。臨床市場向け販路や試薬関係の技術・知見を持つ日水薬を子会社化することで、臨床診断分野においては、PCR装置などの島津製品と日水薬試薬の組み合わせによるソリューションを提供するという。

●「LAMP法」で活躍期待の栄研化

臨床検査薬大手の栄研化学 <4549> [東証P]にも注目したい。23年3月期通期の営業利益は、前期比10.9%減の74億7000万円を計画するが、10月27日に発表した上期(22年4-9月)決算では前年同期比17.1%増の56億5600万円で着地。通期計画に対する進捗率は既に75.7%に達している。感染第7波では、新規感染者数の高止まりが継続したことで、同社の独自技術である遺伝子増幅技術「LAMP法」を用いた新型コロナ遺伝子検査試薬の需要が急増したことも利益を押し上げた。第8波の到来で、感染者数の急増が予想されるなか、一層の活躍期待も高まりそうだ。株価は、9月26日につけた直近安値1721円を底に、順調に下値を切り上げる展開。現在は1900円台で推移しており、2000円突破をにらむ。

●シスメックス、通期業績予想を上方修正

シスメックス <6869> [東証P]は検体検査機器大手だが、国内販売で主に新型コロナ感染症の検査に関する免疫検査分野の試薬の売り上げが増加。9日には、23年3月期通期の業績予想を上方修正。営業利益を760億円から770億円(前期比14.2%増)に引き上げた。8月には成田国際空港で、同社と川崎重工業 <7012> [東証P]とメディカロイド(両社の合弁会社)が開発・製造した自動PCR検査ロボットシステムを活用したPCR検査サービスが開始。水際対策の大幅緩和が進み訪日客が増加するなか、検査作業従事者の感染リスクを抑えながら、1日に最大2500検査(16時間)の検査処理を可能とすることで、同空港における検査処理能力の増強に貢献している。

●タカラバイオ、リプロセルにも注目

タカラバイオ <4974> [東証P]も計画を上振れている。同社は10日取引終了後に、23年3月期通期の営業利益予想を150億円から190億円(前期比34.3%減)に上方修正した。感染第7波の影響を受けて、関連する新型コロナ検査関連試薬の売り上げが計画を上回る見込みとなったことが要因。これを受けて、翌日に株価は大幅高となったが、全体地合いが不安定ななか上昇一服。ただ、第8波突入を目前にして、ここからの動向には注視が必要と言えそうだ。また、10月にはコンパクトで操作性に優れたPCR装置「サーマルサイクラー」を発売。サーマルサイクラーは、PCR実験で日常的に使われる装置で、遺伝子研究を行う大学や企業などの研究機関では必需品となっており、多くのニーズを捉えそうだ。

また、バイオベンチャーで、昨年3月に新型コロナのPCR検査を開始したリプロセル <4978> [東証G]にも目を配っておきたい。同社のPCR検査は、オミクロンBA.5などの変異株を1~2時間程度の短時間で特定できるというもので、医療機関、法人、個人を対象として拡大しているという。9日に発表した23年3月期上期(22年4-9月)決算では、連結営業損益では9000万円の赤字で着地したものの、経常損益で見れば7000万円の黒字(前年同期は2億100万円の赤字)に浮上し、通期計画の1億3600万円の赤字を既に上回っている。

株探ニュース

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