今週の【早わかり株式市況】反落、米金融政策を嫌気して下値探る展開

市況
2022年12月17日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週ぶりの下落、週末に波乱展開で2万7000円台半ばに沈む

2.米CPIは市場予想を下回り、日米株式市場も一旦はこれを好感する形に

3.FOMCではFRBが金融引き締めにタカ派的姿勢を示したことが嫌気される

4.米株市場の時間差的な急落で週末の日経平均も大きく下値を探る展開に

5.週末は半導体関連などをはじめ広範囲に売られ500円以上の下げに遭遇

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比373円(1.34%)安の2万7527円と2週ぶりの下落となった。

今週は米消費者物価指数(CPI)の発表に加え、米連邦公開市場委員会(F0MC)の結果とパウエルFRB議長の記者会見がビッグイベントとして立ちはだかった。結果的に大きな波乱はなく通過したと思われたが、時間差的に週末に急落が待っていた。米国株急落に引きずられ日経平均は大きく下値を探る展開を余儀なくされた。

週明け12日(月)は日経平均が反落。前週末の米株安を受けて売りが先行した。ただ、為替の円安などを背景に下げ渋り60円弱の下げにとどまった。13日(火)は前日の米株高を受け切り返す展開に。しかし、日本時間この日の夜に予定されていた11月の米CPI発表を前に積極的な買いは入らず、上値も重かった。14日(水)は米CPIがコンセンサスを下回ったことで前日の米株市場が上昇、これを受けて東京市場も朝方から買いが優勢となった。日経平均は続伸し200円あまり水準を切り上げた。15日(木)は再び冴えない地合いに。FOMCではFRBが今後も金融引き締めにタカ派姿勢を示したことが嫌気されNYダウは一時約400ドルの下げをみせた。ただ、その後下げ渋る動きをみせたこともあって、東京市場でも過度な不安心理が後退。結局、日経平均は100円あまり下げたが、個別株の物色意欲は旺盛で値上がり銘柄数は値下がり数を上回った。そして週末16日(金)は前日の米国株市場が760ドルあまりの急落をみせたこともあり、日経平均も大きく下値を探る動きとなった。半導体関連などハイテク株をはじめ広範囲に売りがかさむ展開となった。終値で500円以上の下落となり、2万7500円台まで水準を切り下げて今週の取引を終えている。

■来週のポイント

来週は海外投資家がクリスマス休暇に入るため、薄商いの日が続くだろう。局面としては世界的な景気後退への警戒感が強まっており、経済指標を横目に神経質な展開となるかもしれない。国内では今週に続き12月IPOラッシュとなり、物色は個別株が中心となりそうだ。

重要イベントとしては、国内では19日~20日に開催される日銀金融政策決定会合、23日朝に発表される11月全国消費者物価指数が注目される。海外では20日に発表される米国11月住宅着工件数、21日発表の米国7-9月期経常収支と12月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、22日に発表される米国11月景気先行指数、23日に発表される米国11月個人所得と11月個人消費支出に注視が必要だろう。

■日々の動き(12月12日~12月16日)

【↓】  12月12日(月)―― 反落、米株安受け売り優勢も円安が下支え

日経平均 27842.33(  -58.68)  売買高9億2188万株 売買代金 2兆2389億円

【↑】  12月13日(火)―― 反発、米株高を受け買い優勢も米CPIを控え伸び悩む

日経平均 27954.85( +112.52)  売買高9億6868万株 売買代金 2兆4260億円

【↑】  12月14日(水)―― 続伸、米株高を好感し2万8000円台を回復

日経平均 28156.21( +201.36)  売買高9億8558万株 売買代金 2兆4917億円

【↓】  12月15日(木)―― 3日ぶり反落、米株安を受けリスク回避の売り優勢

日経平均 28051.70( -104.51)  売買高9億1376万株 売買代金 2兆2437億円

【↓】  12月16日(金)―― 大幅続落、米株急落でハイテク株など中心に売り優勢

日経平均 27527.12( -524.58)  売買高13億8413万株 売買代金 3兆4268億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、20業種が値下がり

(2)下落率トップとなったレーザーテク <6920> など電機をはじめ、オリンパス <7733> など精密機器、SMC <6273> など機械といった輸出株が売られた

(3)内需株はまちまち。ZHD <4689> など情報・通信、ファストリ <9983> など小売が安い一方、

上組 <9364> など倉庫・運輸、大和ハウス <1925> など建設は高い

(4)金融株もまちまち。大和 <8601> など証券、日本取引所 <8697> などその他金融が軟調だが、

東京海上 <8766> など保険、ゆうちょ銀 <7182> など銀行は堅調

(5)郵船 <9101> など海運が値上がり率断トツに買われた

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(6) 防衛

2(5) 半導体 ── 岸田首相「攻めの国内投資拡大を支援」と表明

3(4) ドローン

4(2) パワー半導体

5(7) 2022年のIPO

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.