今週の【早わかり株式市況】反落、軟調展開が続き25日線を割り込む
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶり反落、25日線下回る
2.月曜は大きく上昇、バブル後高値更新
3.米休場で手掛かり難、軟調展開続く
4.ソシオネクス急落、半導体株に売り波及
5.米指標控え売り、分配金捻出・週末要因も
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比800円(2.4%)安の3万2388円と、2週ぶりに下落した。
今週は売り圧力の強い地合いだった。7月相場入りとなった週明け月曜こそ上昇したものの、その後は終始軟調な展開が継続。日経平均は3万3000円台を割り込み、これまで下値メドとして意識されてきた25日移動平均線も下回った。
週明け3日(月)の東京株式市場は買い先行でスタート。前週末の欧米株高の流れを引き継ぎリスク選好ムードが高まった。半導体関連などハイテクセクターを中心に買われ、全体相場は大きく上昇。日経平均は500円超の上げでバブル後高値を更新した。しかし一転、4日(火)は反落。前日急上昇の反動で目先利益確定の動きが表面化した。5日(水)も売り優勢の展開。前日の米国株市場が独立記念日の祝日で休場だったため、手掛かり材料難から軟調な値動きを余儀なくされた。売り一巡後は下値に買いが入ったものの、日経平均は結局マイナス圏で着地した。6日(木)も売りの勢いは止まらず、日経平均は大幅安で節目の3万3000円台を割り込んだ。ETF分配金捻出のための売りが警戒された。また、マーケットの注目度が高いファブレス半導体企業ソシオネクスト <6526> [東証P]の急落を背景に、半導体関連株全般に売りが波及したことも全体の下げを助長した。7日(金)も下落し、これで日経平均は4日続落となった。米ADP雇用統計を受けて金融引き締め長期化への懸念が高まり、前日の米株市場が下落。東京市場でも投資家心理が悪化した。分配金捻出売りや週末要因に加え、この日夜の米雇用統計発表を控えたポジション調整の動きも響いた。日経平均は一時下げ渋ったが、引けにかけて再び売り直された。
■来週のポイント
来週は日経平均が調整局面入りするか試される。日足チャートはダブルトップを形成しつつあり、ここは正念場といえそうだ。米国重要指標などを注視し、慎重に臨みたい。
重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される5月機械受注、14日のオプションSQ算出が注目される。海外では12日に発表される米国6月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(7月3日~7月7日)
【↑】 7月 3日(月)―― 急反発、欧米株高を受けリスク選好の買い優勢
日経平均 33753.33( +564.29) 売買高14億1192万株 売買代金 3兆4046億円
【↓】 7月 4日(火)―― 反落、手掛かり材料難のなか利益確定売りが優勢
日経平均 33422.52( -330.81) 売買高14億6556万株 売買代金 3兆3933億円
【↓】 7月 5日(水)―― 続落、朝方に大幅安も売り一巡後は下げ渋る
日経平均 33338.70( -83.82) 売買高13億9100万株 売買代金 3兆3634億円
【↓】 7月 6日(木)―― 急落、欧米株安を受け3万3000円台割れ
日経平均 32773.02( -565.68) 売買高15億0018万株 売買代金 3兆5698億円
【↓】 7月 7日(金)―― 4日続落、米株安やETFの分配金捻出売りを警戒
日経平均 32388.42( -384.60) 売買高15億3732万株 売買代金 3兆8131億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、26業種が値下がり
(2)値下がり率トップは第一三共 <4568> など医薬品
(3)輸出株はテルモ <4543> など精密機器が大幅安、コマツ <6301> など機械やソシオネクス <6526> など電機も安い
(4)NTT <9432> など情報通信、京王電鉄 <9008> など陸運、ファストリ <9983> など小売といった内需株も全般安
(5)金融株はまちまち。T&D <8795> など保険、千葉銀 <8331> など銀行が高く、
日本取引所 <8697> などその他金融、大和 <8601> など証券は売られた
(6)信越化 <4063> など化学、住友電 <5802> など非鉄といった素材株が軟調
(7)川崎汽 <9107> など海運が大きく買われ値上がり率断トツ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 半導体
2(4) 人工知能
3(3) 生成AI
5(2) 全固体電池
※カッコは前週の順位
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