【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─電子部品株に照準!アップルショックから蘇生へ

市況
2023年9月10日 9時30分

「電子部品株に照準!アップルショックから蘇生へ」

●東京市場は中国リスクの下げには耐性

政府が7月23日、先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の規制対象に加えたことを覚えておられるだろうか。

もう1カ月以上も前のことなのでお忘れかもしれないが、先端半導体製造装置を製造できるのは、世界で米国、日本、オランダにほぼ限られる。これら3カ国が協調して中国への輸出を規制すれば(実質的には輸出禁止)、中国が決定的な打撃を被るのは明らかだ。

当然、中国の反発が予想されたが、意外な方法で中国はそれを実施したと見てよい。日本に対しては日本産水産物の輸入禁止、そして米国に対しては政府職員の「iPhone」使用禁止だ。

アップル<AAPL>は中国と親しい企業とされてきた。政府職員に限定はしているものの、そのアップルの主力製品を使用禁止するとは、どんなに親しくても政策的に必要なら容赦なく規制するということだ。

これを敷衍(ふえん)して考えるなら、今後はテスラ<TSLA>電気自動車(EV)さえ規制の対象になりかねない、となる。

これでは中国はますますビジネスで付き合いにくい国となってしまうが、投資の観点からも中国リスクが常につきまとい、投資しにくいことこの上ない。

しかし、私の経験では、中国リスクで東京市場や特定の銘柄が下げていた場合、基本は下げたところで投資しておいた方が成功する確率は高い。

確かに中国の存在はやっかいで、いつ何どき関連株が急落するか分からない。だが、市場はこれまで数えきれないほどそれを経験させられてきたことで、中国リスクによる下落に耐性ができてしまっている。中国リスクで下げても、しばらく耐えれば回復に向かう場合がほとんどなのだ。

●アップルに連れ安した電子部品株に投資チャンス

そこでアップル株安に連動して急落した電子部品株も、すぐではないにしても蘇生に向かうと見るのが自然であり、今回は 電子部品株に注目したい。

アップル関連株といえば村田製作所 <6981> [東証P]になるが、同社株の下落でアップルに製品を納入していない電子部品株も下げており、それらも合わせて投資を考えたい。

そこで、まずはSMK <6798> [東証P]だ。タブレット向けコネクターや車載向けタッチセンサーに強く、株価は8月23日から順調に戻りつつあったが、週末は下げてしまったので押し目狙いに向く。

セラミックコンデンサーに強い太陽誘電 <6976> [東証P]も、8月17日に底を打ち急反発中だったのに、アップルショックで急反落してしまった。これまた押し目狙いに向く。

タッチパネルのプラスチック基板やフレキシブル基板などに使われる異方性導電膜に強いでデクセリアルズ <4980> [東証P]も、順調そのものの動きを続けていたが、ここにきて売られてしまった。なお数日下げる恐れはあるが、下げ止まりは近いと見られるため要マークだ。

以前、航空機用計器類に強いとして紹介したことがある日本航空電子工業 <6807> [東証P]も忘れてなるまい。この会社は小型・薄型のフレキシブルプリント基板に使われるコネクターにも強いが、株価は下げた。もう少し下げることもあり得るが、下げ止まりを待って出動を考えたい。

最後に、電子部品とは関係のない銘柄を。長野計器 <7715> [東証P]だ。油圧、水圧、空気、ガスなどの圧力を測定する圧力計に強い企業だ。単に強いだけではない。グループ企業も含めると世界首位の実績、ブランド力を持つ企業なので株も期待が持てる。

2023年9月8日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.