窪田朋一郎氏【資金潮流に変化あり? 2月相場は荒れる展開か】 <相場観特集>
―日経平均は朝方の急伸後に大失速、不安定な相場環境に―
2日の東京株式市場は全体指数が上下に荒い展開となった。朝方に日経平均株価は先物主導で一気に水準を切り上げ、一時900円超の上昇をみせた。各メディアを通じて衆院選で自民党が圧勝するとの見方が強まっていることを背景に、広範囲に買いが広がったのだが、その後は急速に値を消す形に。後場はマイナス転換してのスタートとなり、結局600円を超える下落となった。2月相場は早々に不穏な動きとなっているが、株式市場を取りまく資金の流れに変化が生じている現状をどう判断し、投資に生かすかを考えたい。今回は松井証券の窪田朋一郎氏に今後の東京市場の見通しと物色の方向性について意見を聞いた。
●「日経平均は5万~5万5000円のレンジでの推移か」
窪田朋一郎氏(松井証券 投資メディア部長 シニアマーケットアナリスト)
東京株式市場は衆院選の自民党大勝シナリオが報じられるなか、朝方は先物主導で急浮上したが、900円以上の上昇で5万4000円台前半まで買われた後は急速に買いの勢いが弱まり、後場はマイナス圏に沈む非常に荒れた地合いとなった。朝日新聞が、自民党の獲得議席数が単独過半数を大幅に上回るとともに、日本維新の会との合計で300議席を超える勢いとの観測を示し、いったんはこれが好感され海外短期筋の先物買いを誘ったのだが、その後に地合いは一変した。与党がそこまで議席数を伸ばすという見方には疑問符も付く。朝日新聞は、比例代表については電話による調査だが小選挙区についてはネット調査ということもあって、バイアスがかかりやすくやや実勢をつかむうえで確度が低いという見方が広がった可能性があり、短期筋の利食い急ぎの動きに反映された。
ただ、野党も国民民主党と中道改革連合が票の食い合いで議席数を思ったほど伸ばせないケースも考慮され、相対的に自民党と日本維新の会に有利に働きそうだ。高市政権の基盤強化は株式市場にもポジティブに作用しやすい。もっとも、自民党が勝ち過ぎるのも問題がないとはいえず、今後の減税など財政政策のトーンが落ちることでマーケットには中期的に上値を重くする背景となる可能性もあり得る。
選挙までは高市政権を取りまくニュースフローに振り回されそうだが、その後はやはり米国株の動向に左右されやすい。米国ではトランプ大統領が次期FRB議長にウォーシュ元FRB理事を指名したが、ウォーシュ氏はタカ派寄りのスタンスにあるという認識が前週末の米株市場を揺さぶった。ウォーシュ氏の金融政策に不透明感があるのは、氏が政策金利の引き下げには賛成している一方で、FRBのバランスシートの縮小に前向きな姿勢を示しており、量的引き締めを終了したことに対しては否定的な立場にあるためだ。したがって、今後の米株市場はウォーシュ氏の発言内容などに影響を受ける場面が想定される。
東京市場では米株市場を横にらみの展開が予想されるが、そのなか2月相場において日経平均は5万~5万5000円のゾーンでの往来を想定する。物色対象として目先は半導体関連のボラティリティが高まっており、主力どころはデイトレード対象での売り買いにとどめておくのが無難。このほか、フジクラ <5803> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]などの光ファイバー関連のほか、住友金属鉱山 <5713> [東証P]など非鉄株の押し目買いも一考だ。住友鉱など金関連は、焦らずに下げ止まったのを確認してから拾いに行くスタンスを心掛けたい。また、大成建設 <1801> [東証P]、大林組 <1802> [東証P]、清水建設 <1803> [東証P]などゼネコン株も要マークといえる。
(聞き手・中村潤一)
<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券に入社後、WEBサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。日々のマーケットの解説に加えて、「グロース市場信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」など、これまでにない独自の投資指標を開発。また、投資メディア部長としてYouTubeチャンネルやオウンドメディア「マネーサテライト」を運営。
株探ニュース