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【植木靖男の相場展望】 ─平成バブルと異なるバブルの道へ

市況
2026年4月18日 8時00分

「平成バブルと異なるバブルの道へ」

●史上最高値更新も、熱気を欠く市場

4月16日、日経平均株価は5万9688円をつけ、史上最高値をおよそ1カ月半ぶりに更新した。下値鍛錬を経ての突破であり、4月8日の大幅上昇(2878円高)をきっかけにチャートは鮮やかに買い転換した。

目先底となった3月31日安値の5万0558円から半月余りで9100円超を駆け上がったわけだが、市場は極めて冷静であり、熱気にはほど遠い空気だ。逆に言えば、比較的に冷めた上昇であるだけに、それがかえって上値追いを可能にしているともみることができる。

なぜ、市場は冷めた状態にあるのか。トランプ米大統領の一言一句に市場が反応し、翻弄されてきたことが背景にある。秋の米国中間選挙をにらんだ発言と行動は「TACO(トランプ氏はいつも腰砕け)」であり、信用できないとの批判が強いからだろう。金融市場を無視してまでも強硬姿勢を貫き通せないことが、見透かされつつある。

だが、株価を侮ってはいけない。まして株価指数の最高値突破ともなれば、一過性の現象とはいえない。しかも材料的にみると、米国の株価上昇が日本株高のテコとなっている。その米国では成長期待が強く、業績好調な 半導体関連を中心にテック株が株式市場を牽引しているのだ。

国内的には日本経済の先行きを考えれば、物価上昇、円安という課題が、今後どのような展開を辿るのかが市場の関心の的となっている。米不足騒動を起点として食料品の値上げが相次ぐが、ようやく米価が落ち着きをみせてきたところで、今度は原油高が物価を上昇させるという、まさに踏んだり蹴ったりの状況だ。また、わが国の財政懸念が払拭しきれないとなれば、円安も止まることがないようにみえる。インフレ現象は今後も続く公算が大きく、今夏以降の物価上昇が注目されよう。

●平成バブルとの相違点

このところ米国では再びハイテク株が人気を集めているが、主力株の一部ではPER(株価収益率)が急上昇し、もはやPERでは買えないという株価が続出している。これは日本も同様である。

4月16日付の日本経済新聞では、こうした状況に対応する指標として「PEGレシオ」を紹介している。これは「その成長の度合いと株価のバランスを示す指標」で、「PERを将来の1株当たり利益(EPS)の成長率で割って算出する」もの。一般的にその値が「2」までであれば割安とみる。紙面では、例としてPERが約40倍のキオクシアホールディングス <285A> [東証P] 、約60倍の古河電気工業 <5801> [東証P]を取りあげ、PEGレシオではそれぞれ0.3、1.6と、まだ買える水準にあることを示している。

かつて平成バブルのときは、地価の上昇を背景に株価が急上昇を演じ、株価判断の尺度として「Qレシオ」が登場した。企業が持っている土地を時価で評価すれば、地価上昇時における企業の含み資産は非常に大きくなる。これを銘柄選びの目安にしようとしたのだ。だが、現日銀総裁の植田和男氏(当時東大助教授)は「いまの株高はバブルであり、いつ崩壊してもおかしくない」と指摘していた。

いま筆者はこの平成バブルを想起している。今回のPEGレシオはまさにQレシオを連想させる。市場は間違いなくバブルの軌道を走っているといえよう。ただ、それがいつまで続くかは誰にも判断できない。とにかく市場に合わせていくほかはない。はっきりしているのは、平成バブル時は地価が株高のベースにあったが、今回はPEGレシオが示すように業績がベースという違いがある。この点を注視したい。

さて、日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)を比較すると、当面の物色対象は半導体を中核としたハイテク株ということになるが、今回は次のような銘柄に注目したい。

まずはTDK <6762> [東証P]だ。データセンター向けのHDD用サスペンションなどが好調で業績予想を上方修正している。格好の逆張り対象として、任天堂 <7974> [東証P]もチェックしておきたい。安い時に買っておけば損することはまずないとみる。

また、富士通 <6702> [東証P]にも目配りしたい。官公庁、金融業界向けに強いIT銘柄だ。

なお、市場人気が小型株に向かうならばSHIFT <3697> [東証P]、菊池製作所 <3444> [東証S]あたりがおもしろいか。

2026年4月17日 記

株探ニュース

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