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プラチナは下げ一服、ホルムズ海峡の開放見通しが下支え <コモディティ特集>

特集
2026年6月17日 13時30分

プラチナ(白金)の現物相場は、中東の紛争激化や米連邦準備理事会(FRB)の年内利上げ観測を受けて売り優勢となり、昨年12月以来の安値1642ドル台をつけた。ただ、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書で合意するとリスク回避の動きが一服し、下げ一服となった。19日にスイスで覚書の署名式が行われる見通しであり、その後は最終的な合意に向けて60日間協議される。覚書の合意文書には、ホルムズ海峡の開放やイランの核開発問題、イランに対する制裁解除などが含まれるとされたが、詳細は署名式後に発表される。イスラエルがレバノンの親イラン武装組織ヒズボラを攻撃しており、レバノン停戦が含まれるかどうかを確認したい。

一方、ホルムズ海峡の開放で世界経済が回り始めると、原油の供給回復でエネルギー価格が下落するとともに湾岸諸国への自動車輸出が再開し、プラチナの需要増加につながるとみられる。ただ、海運会社は安全性の確認に数週間かかるとみており、機雷除去などの動きを確認したい。また、60日間の協議でイランが核兵器を保有しないことや濃縮ウランの引き渡しで合意するかどうかもポイントになる。合意すれば凍結資産が解除され、湾岸諸国が3000億ドルの復興基金を提供すると伝えられている。

●ウォーシュ新FRB議長の方針も焦点

堅調な米経済指標やインフレ高止まりを受けて米FRBの年内利上げ観測が強い。5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比4.2%上昇と前月の3.8%上昇から伸びが加速し、2023年4月以来の高い伸びとなった。また、5月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は17万2000人の増加と事前予想の8万5000人増を大きく上回り、3ヵ月連続で雇用が増加した。ただ、今夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが決定されるとみられており、ウォーシュ新FRB議長の記者会見が焦点である。トランプ米大統領はパウエル前議長が慎重姿勢で政策決定が遅れがちなことを非難しており、新FRB議長が早めの対応を示唆すると金融政策の見通しに影響するとみられる。

●プラチナETFから投資資金が流出

プラチナETF(上場投信)残高は6月15日の米国で36.10トン(4月末38.50トン)、12日の英国で9.96トン(同10.29トン)、南アフリカで4.67トン(同5.03トン)となった。中東の紛争激化や米FRBの年内利上げ観測を受けて投資資金が流出した。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月9日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万5012枚(前週1万7212枚)に縮小し、3月10日以来の低水準となった。レンジ相場を下放れ、手じまい売り、新規売りが出た。ただ、米国とイランの戦闘終結に向けた覚書の合意を受けて新規買い、買い戻しが入るとみられる。

上海プラチナウィークが7月6~10日に中国の蘇州で開催される。最近発表された第15次5ヵ年計画で人工知能(AI)や新エネルギー、環境保護、炭素排出量抑制など各方面で技術革新が進む見通しである。AIインフラにはプラチナ系貴金属(PGM)の触媒特性、熱や電気に対する特性が不可欠である。また、燃料電池車にはPGMベースの固体高分子型(PEM)電解技術が使われる。普及が進むと、需要増加につながるとみられている。一方、中国ではプラチナのインゴットやコインの投資需要が増加しており、2025年は12.6トンまで拡大した。参加者の講演や見通しを確認したい。

(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)

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