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明日の株式相場に向けて=加速するホットマネー「半導体一極集中」

市況
2026年6月22日 17時30分

週明け22日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1103円高の7万2353円と大幅続伸。2023年9月以来という破竹の8連騰でザラ場7万2800円台まで上値を伸ばした。前週に実現した7万円台乗せで目先達成感どころか、買いの勢いが一段と加速している。早くも「日経平均6万円時代よさらば」という感じになっている。

加速するAI・半導体株へのホットマネー流入は、もう誰にも止められない様相を呈してきた。これだけ短期間で全体指数が上昇すれば、当然反動安というタームが訪れるのが相場というものだが、それはこれまでの常識に過ぎないと言わんばかり。クールダウンを見込んで最初は軽い気持ちで空売りから入っても、「だんだんムキになって売り乗せていくうちに雪だるま式にショートポジションが膨らみ、結局根こそぎ踏まされるというパターンに陥った投資家もいる」(中堅証券マーケットアナリスト)という。ファンダメンタルズとの比較でPERなどの伝統的指標が過度に跳ね上がっているわけでもない。収益実態が伴うのだから決してバブルではないという強弁も聞こえてくるが、見方を変えてEPS段階からのバブルという可能性もある。いずれにしてもこのピッチの速さは正常運転のレベルを超えていて、「今」だけを切り取れば、それはモメンタム相場の究極と形容する以外にない。

遡(さかのぼ)ること26年ほど前、2000年当時のITバブルはPER何百倍に買われるような銘柄が頻出し、それは実態のない夢まぼろしに相違なかった。しかし、今回の大相場はオーロラのような中空に浮かぶ美しき幻影ではない。企業収益が土台となっている。だが、売上高やEPSの伸びが命綱となっていることに危険な香りは漂う。最近の株価の変貌スピードには明確な理由がつきにくいからだ。眠っていた相場が何かの拍子にいきなり覚醒したという事実だけが眼前に横たわっている。

イランを巡るトランプ発言に神経質になっているように報じられているが、メディアで騒ぐほど足もとの相場は中東情勢などあまり気にしていないのは明らかである。まさに次元の違うAI・半導体全盛相場ではあるが、よく見ると買われているのは半導体や光ファイバーなどのマテリアル系の銘柄であり、いわゆるツルハシ銘柄に限られる。AIを織り込んだクラウドサービスやソリューション系の銘柄は、「アンソロピック・ショック」という淘汰のコンセプトでバッサリ斬られ、むしろ売り込まれる銘柄が相次いだ。しかし、実はアンソロピックは隠れミノに過ぎず、実はこちらの方にAI相場の全体像が投影されているのではないかという疑念も湧く。

半導体セクターは需要沸騰と厳しい在庫調整の繰り返しだ。大きな需要の波が来るとスーパーサイクルという表現で、半永久的に品不足に見舞われるような錯覚が生じるが、ほとんどそれは後になって否定される。その観点で今回は特大の大波が来ていることになるが、やはり半導体業界のシクリカルな構造は変わらないのではないかということ。過剰投資のツケが回る、つまり循環構造である以上、EPS段階からの急降下がどこかで始まる可能性がある。分かりやすい例を挙げれば、エヌビディア<NVDA>の収益の伸び率が減速した時はその初動となり得る。今週は24日に米マイクロン・テクノロジー<MU>の3~5月期決算発表が予定されているが、おそらくは好調な決算が今のメモリー株人気を裏付けることになりそうだ。しかし仮にそうであっても、この収益と株価の関係は未来永劫ではない。ネガティブ方向に巻き戻される局面もいずれは来る。もう一つは、これまでにも何度か触れてきたが、今の爆発的なAI半導体需要が合従連衡によって肥大化するグループ企業の領域で、ラウンドトリップ(身内回し)的な売り上げ積み増し要素が拭い切れないということ。AI・半導体関連の設備投資拡大が国策の名のもとに錦の御旗と化している現状で、ラウンドトリップ疑惑は雑音として切り捨てられているが、歯車が逆回転し出すと加速装置として働くことは容易にイメージできる。

しかし、投資家はしたたかに立ち回らなければいけない。今空売りから入っても焼かれるだけであるならば、その逆で買いから入ることは紛れもなく正しい選択肢となるからだ。キオクシアホールディングス<285A>や東京エレクトロン<8035>を中心とした半導体主力銘柄の躍動は続くが、半導体関連という枠組みの中で物色対象はより優位なものを探す流れも健在である。にわかに光が当たっている化学株ではテイカ<4027>や堺化学工業<4078>が目先注目で、主力級では信越化学工業<4063>はバーゲンセール途上でまだお買い得感がある。このほか半導体ツルハシ銘柄では消耗品型ビジネスモデルのニッチトップに着目。旭ダイヤモンド工業<6140>や日進工具<6157>はそれに該当する。

あすのスケジュールでは、前場取引時間中に5年物国債の入札が予定されている。後場取引時間中には5月の食品スーパー売上高のほか、日銀が消費者物価のコア指標を開示する。この日は沖縄全戦没者追悼式が行われる。また、日産自動車<7201>の株主総会が行われるほか、IPOが1社予定されており東証グロース市場にLiNKX<584A>が新規上場する。海外では、6月の英購買担当者景気指数(PMI)速報値、6月の独PMI速報値、6月の仏PMI速報値、6月のユーロ圏PMI速報値、6月の米PMI速報値(S&Pグローバル調査)など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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