【杉村富生の短期相場観測】 ─AI・半導体&DC効果に乗る銘柄群!
「AI・半導体&DC効果に乗る銘柄群!」
●異次元の相場には宇宙的な感覚が必要!
まさに、異次元の相場である。従来の考え方、行動は通用しない。宇宙的な感覚が必要になろう。足元はやや波乱含みだが……。筆者はAI(人工知能)を軸とする第4次産業革命の進展がAI・ 半導体、データセンター(DC)エフェクト(効果)を誘発し、企業活動の起爆剤になっている、と主張している。このトレンド(潮流)は継続するだろう。
技術革新(イノベーション)は企業、および地域経済を刺激するとともに、活性化させている。活況に沸く熊本県菊陽町、岐阜県大垣市が好例だろう。菊陽町は台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の巨大工場建設、大垣市はイビデン <4062> [東証P]効果だ。半導体の検査工程を受託するテラプローブ <6627> [東証S]は熊本県の設備を増設している。
いや、菊陽町周辺には東京エレクトロン <8035> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]、東京応化工業 <4186> [東証P]などの主力企業が次々に進出している。総投資額は10兆円に迫る。TSMCのサプライヤーだ。菊陽町だけではない。熊本県全体の経済を浮揚させる。地元の証券会社は菊陽町に営業所を開設、顧客層が拡大したという。
大垣市にはイビデンの本社、および主力工場がある。毎年、伺っている地元の証券会社もやはり、元気だ。商店街はシャッター通りで有名だったが、活気が戻っている。イビデンはエヌビディア<NVDA>のGPU(画像処理半導体)、インテル<INTC>のCPU(中央演算処理装置)向けのパッケージ基板が主力だ。いまや、DC関連分野が利益の8割を稼いでいる。
イビデンは生産力の増強を積極的に進めている。2028年度までに5000億円を投じる。年商(2026年3月期は4162億円)を上回るスケールだ。AIサーバー向けICパッケージの生産能力は2025年3月期比約3倍に増える。もちろん、業績は絶好調だ。今期、来期ともに、大幅増収益が見込まれている。業容は一変する。
●環境の変化に対応できる企業を狙う!
AI・半導体、DCに不可欠の電子部品はエヌビディアのGPU、マイクロン・テクノロジー<MU>、SKハイニックス、サムスン電子のHBM(高帯域幅メモリー)、キオクシアホールディングス <285A> [東証P]のNAND型フラッシュメモリなどだ。最近はインテルのCPUの需要が急増している。
AIサーバー向けの積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要拡大も著しい。村田製作所 <6981> [東証P]はMLCCの世界シェア約4割を有する。売上高の5割強をMLCC事業が占める。現在、主力工場の増産工事を進めている。AI・半導体、DCエフェクトとはこういうことだ。そう、波及効果である。
エヌビディアのGPUは猛烈に進化している。その技術進化はHopper→Blackwell→Rubin→Rubin Ultraといった具合だ。これに伴ってイビデンはもとより、ビルドアップフィルム(絶縁材料)の味の素 <2802> [東証P]、基板の反りを抑えるガラスクロスの日東紡績 <3110> [東証P]がクローズアップされている。
この3社は「GPU“3羽ガラス”」という。技術革新のスピードが速いだけに、新製品の企画段階に参加しないと、勝機を逃してしまう。このため、これが「参入障壁」との声がある。このほか、部材関連では第一稀元素化学工業 <4082> [東証P]、TOTO <5332> [東証P]、オムロン <6645> [東証P]が存在感を高めている。
さらに、ローム <6963> [東証P]、JX金属 <5016> [東証P]が浮上する。DCは電力、水を大量に使う。それに、光回線と電気回路を結ぶ(光電融合)必要がある。この分野では古河電気工業 <5801> [東証P]が強い。電力設備投資関連の関電工 <1942> [東証P]、きんでん <1944> [東証P]は一段高となろう。
NGK <5333> [東証P]、TOPPANホールディングス <7911> [東証P]、竹田iPホールディングス <7875> [東証S]などもそうだが、従来の硝子・土石、印刷のワクを越え、ハイテク分野にシフトしている。そうでなければこの世界では生き残れない。まさに、経営者の先を読む力量が求められている。
もちろん、投資に際してもそうだ。業種を化学だ、電線だ、などと決めつけてはいけない。1909年創業の味の素は常に、変化を遂げている。万一、全般相場が波乱に陥った場合、突っ込み買いを敢行するのはソフトバンクグループ <9984> [東証P]、ブイ・テクノロジー <7717> [東証P]などを含めたこれらの変化に対応できる銘柄群だろう。
2026年6月19日 記
株探ニュース