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明日の株式相場に向けて=AI爆騰と「ゴルディロックス」の共存

市況
2026年6月24日 17時30分

きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比613円安の6万9174円と続落。これまで“押し目待ちに押し目無し”の様相で7万円台まで一気に駆け上がってきた日経平均だが、上げ足が強烈であるがゆえ一旦止まればそこにとどまることなく、間髪を入れず滑車は逆回転を始めるのが相場の常である。日経平均の騰落レシオ(25日移動平均)をみると、週明け22日の時点でちょうど100%、つまり完全にイーブンの状態であった。熱さも冷たさも感じない適温、いわゆるゴルディロックス状態の極みを示していた。

日経平均が破竹の8連騰で8100円以上も一気に水準を切り上げた局面で、この騰落レシオには驚愕するよりない。いうなればヤジロベエが揺れることすらない静止平衡(騰落レシオ100%)を保っていた裏側で何が起こっていたのか。それは、かつてないほどの一極集中で特定の値がさ株だけに投資資金が流入し続けたことを意味する。ところが、前週末19日申し込み時点の信用評価損益率はプラスの1.47%と超過熱状態を示唆していた。信用評価損益率がプラスに転じるのは極めてレアなケースで、過去に遡ると、アベノミクス相場の初動である2013年5月以来実に約13年ぶりのことという。この時はアベノミクス相場の最初の試練、急反落に遭遇する前夜であった。今回も結果的にその時を彷彿とさせるシナリオで相場は動いたわけだが、異なる点は今回の場合、急騰急落局面で聞こえてきたのは、一部の限られたプレーヤー(投資家)の歓声であり、悲鳴であったということになる。そもそも、今のAI・半導体関連株人気は相場の歴史においてもなかなか類型が見つからないのではないか。2000年当時のITバブルとは明らかに異質である。

今年はAI関連相場が佳境入りとなる予感はあったが、昨年11~12月の地合いの延長線上では到底想定できないような超強気に支配された。東京株式市場は干支の丙午よろしく烈火のごとく株価を上昇させたが、基本的に今の相場がバブル云々という論議以前に、究極のモメンタム相場に遭遇したということは事実として刻まれている。AI革命に向けた投資熱とはかくなるものか、と納得はしても、それを事前に察知することは人間の能力の領域を外れていた。

こう考えると、株式投資に限ったことではないが、人間が最終的に求める欲望の本源は予知能力ではないかという結論に導かれる。しかし、実際それは踏み入れられない理想郷でもある。日経平均は高値圏で強弱観が錯綜するなか、今現在はエアポケットにはまったような乱高下に見舞われているが、この6万9000円近辺のもみ合いが、次の上昇タームに向けた絶好の踊り場(買い場)となっているのかどうか、市場関係者に解を求めても確信的な意見はほとんど聞くことができない。「相場は相場に聞け」というがそれで答えが分かるなら言うまでもなく百戦百勝である。ただし、人間はその能力において一寸の未来も覗くことはできないが、摂理として時間が過ぎればおのずと正解は見えてくる。何の技術もいらない。その少しの時間を「待つ」という作業も投資家にとっては負けないための重要なストラテジーといえるのだ。マイクロン・テクノロジー<MU>の決算発表を通過した後、相場の上下いずれかへの動揺を見定めてから動いても遅くはない。

2026年はここまで相場も激動であったが、その目まぐるしさと共鳴して暦が進むスピードの速さにも驚く。気がつけば今週末26日が6月の権利付き最終売買日となる。来週からは受け渡しベースで実質7月相場に突入する。メルクマールは今年も折り返し地点に到達した。6月はちょうど月末を控えた今の時期に年金などの機関投資家資金によるリバランス売りが出やすい。また、アノマリーとして海外マネーは日本株を売り越す傾向が強い月であり、昨年こそ9000億円あまり買い越したが例外的で、これを含めても過去10年間で6月は8回売り越している。今年も主体別売買動向を見ると、6月第2週までで海外投資家は現物で5900億円弱、先物で5700億円強いずれも売り越している。

しかし、仮に6月第3週以降にリバランス売りに乗じて売り越し基調が続いたとしても、7月は海外マネーの買い戻しが期待できそうだ。過去10年間では6勝4敗、特に昨年に関しては、夏枯れ相場が言われるなかも全体相場が離陸する前段階で、海外投資家は日本株を1兆5500億円現物で買い越していた。今年も“6月の嵐”を経てAI相場の真価を問う7月相場の位置付けで海外投資家の動きが注目される。

あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約、2026年1~3月期の資金循環統計がいずれも朝方取引開始前に公表される。前場取引時間中に20年物国債の入札が予定されている。また、日銀の田村審議委員が兵庫県の金融経済懇談会で午前中に挨拶を行い、午後に記者会見を行う予定にある。このほか、後場取引時間中に4月の景気動向指数改定値、5月の外食売上高、5月の全国百貨店売上高などが開示される。海外では、5月の米個人所得・個人消費支出、個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)にマーケットの関心が高い。これ以外に週間の米新規失業保険申請件数が発表されるほか、26年1~3月期の米国内総生産(GDP)確定値、5月の米耐久財受注などが開示される。なお、この日はウィリアムズNY連銀総裁の講演が予定されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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