山田コンサル Research Memo(1):海外コンサル事業と投資事業を強化し、年率10%前後の成長を目指す
■要約
山田コンサルティンググループ<4792>は、900名超のコンサルタントを擁する国内最大級の独立系コンサルティングファームである。コンサルティングを中核事業とし、経営課題解決のための提案から実現までワンストップでサービス提供している。海外にもアジア地域を中心に子会社12社を持つなどグローバル展開している。また、コンサルティング事業から派生して投資事業(未上場株式投資、不動産投資及びファンド)も展開している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比17.3%増の26,711百万円、営業利益で同9.4%減の3,740百万円と増収減益となったものの、おおむね計画どおりに着地した。売上高はコンサルティング事業が同4.0%増と堅調に推移したほか、投資事業も未上場株式の売却や販売用不動産の売却が進んだことで同130.2%増となり、過去最高を更新した。投資事業の増収率が大幅に拡大したのは、前期に収益性の高い案件の売却があり、売上総利益に対する売上高の水準が例年よりも低く抑えられていたことが要因である。増収に伴い売上総利益は同1,077百万円の増益となったものの、営業利益は昇給実施並びに積極的な人員採用に伴う人員増で、人件費が同1,220百万円増加したことが減益の主たる要因となった。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期は売上高で前期比0.7%増の26,900百万円、営業利益で同20.2%増の4,500百万円を計画している。なお、計画には連結子会社でファンド事業を運営するYAMADA Income Fund, L.P.の業績が組み込まれているが、仮に外部投資家出資割合分を除きグループ出資割合分のみを反映した場合、売上高は同0.9%減の26,470百万円、営業利益は同9.3%増の4,090百万円となる。前期に伸長した投資事業は売却案件の減少に伴い減収減益となる見込みだが、コンサルティング事業が売上高で同8.5%増、営業利益で同26.1%増となり、業績をけん引する。人件費の増加は続くものの、クロスボーダーM&A案件を中心に海外コンサルティング事業の売上拡大並びに収益性の改善を見込んでいる。国内のコンサルティング需要も引き続き活発で、経営コンサルティングとM&Aアドバイザリー事業の両方をワンストップで提供できる強みを生かし、着実な成長を図る。
3. 長期経営ビジョンの概要
同社は長期的な企業価値向上を実現するために、長期経営ビジョン(10年戦略)を新たに策定した。コア戦略として、「顧客生涯価値(LTV)の最大化」と「T字型人材の育成」に取り組む。10年後の主要指標として、売上総利益500億円以上、営業利益100億円以上を目指す。年平均成長率では売上総利益で約9%、営業利益で約10%となる。国内コンサルティング事業は堅実な成長を継続し、成長余地の大きい海外コンサルティング事業と投資事業で年率2ケタ成長を目指す。海外コンサルティング事業では、クロスボーダーM&Aと経営コンサルティングをワンストップで提供できる強みを生かし、対象地域においては米国、中国、インドに注力する方針である。
4. 株主還元策
同社は配当方針として、連結配当性向50%を目安として年間配当の増配もしくは維持を行う累進配当を2025年3月期より導入している。この方針に基づき、2026年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の77.0円(配当性向50.8%)を実施した。2027年3月期も同額の77.0円(同50.9%)を維持する計画である。
■Key Points
・2026年3月期の売上高・売上総利益・当期純利益は過去最高を更新
・2027年3月期は海外コンサルティングの拡大等により増収増益の見通し
・10年後に営業利益100億円以上を目指す長期経営ビジョンを策定
・連結配当性向50%を目安に累進配当を行う方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《KA》