市川雅浩氏【高値波乱続く日経平均、決算発表シーズンで潮目変わるか】 <相場観特集>
―7万円手前の足踏みは値幅を伴う上下動に、韓国株指数との連動性も―
13日の東京株式市場で、日経平均株価は3日ぶりに急反落し、終値は前週末比1315円00銭安の6万7242円73銭。プラス圏で推移する場面があったものの、下げ幅を一時1900円超に広げるなど荒い展開が続き、日中値幅(高値と安値の差)2425円に上った。韓国株指数との連動性も指摘される日経平均だが、7万円台に復帰して高値を奪還する形となるのか。それとも調整色を強めるのか。この先の展望について、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト、市川雅浩氏に話を聞いた。
●「規制緩和関連の新規材料に注目」
市川雅浩氏(三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト)
直近では韓国総合株価指数(KOSPI)との連動性が高まっており、日経平均は不安定な動きを余儀なくされている。韓国市場では単一銘柄のレバレッジ型ETFが活発に取引されるようになり、一部銘柄の株価の変動率が高まっている。もっとも日経平均は4月に6万円台に乗せた後、6月に一気に7万円台に突入するなど、短期間で急ピッチな上昇をみせていた。現状はスピード調整の局面とみることができ、この先1~2ヵ月程度は横ばい圏での推移が続いても何らおかしくはない。
今週はASMLホールディング<ASML>や台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が決算を発表するほか、今月下旬には米国のハイパースケーラーの決算発表も控えている。足もとではハイパースケーラーによる設備投資懸念がくすぶっている。一連の決算を通じてAI・半導体関連の需要の強さが確認できれば、株式相場も堅調な展開が続くと期待できる。好決算発表後に売られるケースも考えられるが、材料出尽くしと受け止めた売りならば、下げは一時的なものにとどまることになると思われる。
日本の場合、4~6月期の決算発表段階で通期の業績予想を上方修正する企業は多くはない。そのため、企業側からのビジネス動向に関するコメントなどを手掛かりに、安心感が広がるかがポイントになるだろう。特にアドバンテスト <6857> [東証P]や東京エレクトロン <8035> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、キオクシアホールディングス <285A> [東証P]といった半導体関連企業や、電子部品、電線関連の決算に市場の注目が集まることになる。
政府の日本成長戦略会議が6月29日に開いた第6回の「新戦略策定のための資産運用立国推進分科会」は配布資料が非公開扱いとなっており、具体的な会議の内容が伝わっているわけではない。しかし分科会から経済成長を促す規制緩和の動きが出てくれば、海外投資家から評価されることになろう。タイミング的にも具体的な材料が近々出てくる可能性があり、株式市場にポジティブな影響をもたらすことも期待できる。一方、米国の物価・経済指標を通じ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測が高まった際には、ハイテク株やグロース株の重荷になりそうだ。この先1ヵ月間の日経平均は6万5000~7万円で推移すると想定している。
(聞き手・長田善行)
<プロフィール>(いちかわ・まさひろ)
日系・米系銀行で、株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を長く担当。現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。三井住友DSアセットマネジメントのウェブサイト「市川レポート 経済・相場のここに注目」にて日々レポートを掲載中。
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