明日の株式相場に向けて=「銀行株」は年後半相場の主役に浮上するか
13日の日経平均株価は前週末比1315円安の6万7242円と3日ぶりに大幅反落。韓国市場でSKハイニックス<SKHY>が急落したことなどが警戒されて、キオクシアホールディングス<285A>や村田製作所<6981>、イビデン<4062>といったAI・半導体関連株が大幅安となった。中東情勢に対する懸念が再燃したことも警戒された。
そんななか、全体相場に逆行する格好で上昇したのが三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>を中心とする 銀行株だ。三菱UFJの時価総額は42兆円台とトヨタ自動車<7203>を上回り初のトップに躍り出た。破竹の勢いで上昇してきたキオクシアは3位に沈んでいる。6月までのAI・半導体関連への一極集中相場の中でも、銀行株は堅調に推移していたが、ここへきて一気に上昇に拍車がかかった格好だ。
銀行株物色の背景にあるのが、金利上昇による利ざや拡大が増益につながる、という期待感が高まっていることだ。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案をきっかけに「骨太ショック」と呼ばれる金利高に襲われ、長期金利は一時約30年ぶりとなる2.9%に上昇。市場には「3.0%乗せも視野に入った」との見方が出ている。日銀が10日に発表した6月の企業物価指数も前年同月比で7.1%上昇と予想を上回った。今後、川下への物価上昇圧力が強まることも予想されており、日銀の早期利上げ観測が浮上している。
日銀は6月の金融政策決定会合で利上げに踏み切った。次回に関しては4~5カ月に一度のペースで10月頃との見方が出ているが、アナリストからは「早ければ9月会合の可能性も」との声も出ている。
目先の銀行株をみるうえでのポイントは、14日のJPモルガン<JPM>やバンク・オブ・アメリカ<BAC>など米銀行決算、同日の米6月消費者物価指数(CPI)、それに21日頃とも言われている日本政府による「骨太の方針」の閣議決定と市場の反応となりそうだ。ただ、物価高対応が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」が懸念される日銀の利上げは、そのペースはともかく来年以降も続くと予想されている。それだけに、AI・半導体関連株の動向に左右される面は大きいものの、銀行株は年後半相場の主役に浮上する可能性はありそうだ。
メガバンクに関して野村証券は9日、三菱UFJの目標株価を4000円(従来3100円)としたほか、10日には三井住友フィナンシャルグループ<8316>を8400円(同6500円)、みずほフィナンシャルグループ<8411>を9600円(同7200円)に引き上げた。3社のレーティングは「バイ」としている。同証券では「今後の収益性改善を勘案すれば、バリュエーション上の割安感を残している」と指摘している。
これらメガバンク3社に加え、りそなホールディングス<8308>やゆうちょ銀行<7182>、それに横浜フィナンシャルグループ<7186>などの地銀、野村ホールディングス<8604>など証券会社。加えて第一ライフグループ<8750>や東京海上ホールディングス<8766>などの生損保が注目されそうだ。
上記以外のスケジュール面では、今晩は米6月財政収支が発表される。国内では14日に20年債入札が予定されている。ビックカメラ<3048>や松屋<8237>、サイゼリヤ<7581>、QPSホールディングス<464A>などが決算発表を行う。海外では、14日にはウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院金融サービス委員会で証言を行う予定だ。