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波乱相場で真価発揮、実利重視「8月優待銘柄」に個人投資家が熱視線 <株探トップ特集>

特集
2026年7月28日 19時30分

―家計に優しい生活密着型からワクワク感のある商品まで豊富なラインアップで注目―

6月25日に終値ベースでの史上最高値7万2366円をつけた日経平均株価だが、その後は高値警戒感や長期金利の上昇、円安進行などから利益確定売りに押され、現在は6万円台前半から中盤での攻防となっている。市場には押し目買いの意欲が残る一方で、「もう一段の下落があるのではないか」という警戒感も台頭しており、先行きが見通しにくい状況へと突入しつつある。

こうしたなかで注目したいのが株主優待銘柄だ。優待や配当などの「実利」を持つ銘柄には個人投資家の買い支えが入りやすく、相対的に下値が固いという特徴があり、高値からの調整局面で真価を発揮する。また、これから期末を迎える8月期決算企業は身近な生活に密着したBtoC企業も多く、個人投資家にとっては重要な月となろう。

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●「使い勝手が良い優待」が集まる

東京証券取引所のプライム、スタンダード、グロース3市場に上場する8月期決算企業は99社(7月28日現在)に上るが、3市場に上場する約3700社の2.7%に過ぎない。ただ、小売業界の決算が多いことで知られる2月期の半期にあたることから、小売や外食といったBtoCが多いのが特徴だ。

商習慣上、2月と8月は、季節の変わり目にあたり、衣料品や日用品のセールが一段落して個人消費が一時的に落ち込む「閑散期」とされている。小売業やアパレル業にとって、8月末は春夏物の在庫が最も少ないタイミングであり、在庫管理や棚卸し作業を最も効率よく進められる時期でもある。そのため、小売やアパレルなどの企業の多くが2月・8月を事業年度の区切り(決算期)として設定している。

こうした企業は個人消費者と直接接点を持つことから、株主優待も単なるリターン還元にとどまらず、自社店舗への誘導や優待券利用による店舗稼働率の向上、個人株主を自社のファンに変えるファン形成なども期待できるツールである。だからこそ、8月期決算企業には「使い勝手が良い優待」が集まることになる。

●権利付き最終日は8月27日

8月の株主優待の権利を得るためには、月末締めの企業ならば権利付き最終日である27日(20日締め企業ならば18日)までに株式を購入し、保有している必要がある。毎月述べているように、人気の優待銘柄はここに向かって株価が緩やかに上昇することも多く、本来は1カ月前には保有しておくくらいの余裕がほしい。そのうえで、「月末まで保有して優待を確実に手にする」という選択肢はもちろん、権利確定を前に株価が配当・優待分以上に上昇したのであれば優待に固執せず、売却してキャピタルゲインを確定させる。つまり優待という実利を保険にしつつ、市場の熱量を利用して値上がり益を狙う「二段構え」が、資金効率の最大化につながるだろう。

ただ、通常なら上がり切っているものも多いこの時期に、直近の調整によって優待・配当利回りが魅力的な水準まで改善した銘柄も増えており、ここから仕込んでも投資妙味がある。また、同じ銘柄の株式を現物で「買い」、同時に信用取引で「売り」を行うつなぎ売りの活用なども検討し、リスクを抑えることも考えたい。

●家計を助ける生活密着系優待に注目

ここからは主な8月の株主優待銘柄を紹介したい。特に、物価高の今だからこそ、生活密着系の優待を行う銘柄に注目だ。

家電量販店大手のビックカメラ <3048> [東証P]は毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に保有株数に応じて1000~2万5000円相当(2月末株主には2000~2万5000円相当)の買い物優待券を提供。更に8月末株主には長期保有特典として保有期間に応じて1000円、または2000円相当の優待券を追加で提供している。また、同社傘下のコジマ <7513> [東証P]は毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に保有株数に応じて2000~2万1000円相当(2月末株主には2000~6000円相当)の買い物優待券を提供。また、ビックカメラ同様に8月末株主には長期保有特典として保有期間に応じて1000円、または2000円相当の優待券を追加で提供している。優待券は互いの店舗でも利用可能で、ECも自社サイトで利用でき、利便性が高いのが特徴だ。

ジンズホールディングス <3046> [東証P]は、「JINS(ジンズ)」ブランドでアイウェア(眼鏡)チェーンを展開しており、6月末時点で国内店舗数582店舗、5月末時点で海外店舗数268店舗を数える。株主優待は毎年8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に自社グループの国内直営店またはオンラインショップで利用できる9000円相当の優待券を提供している。同社商品には低価格のものも多いことから、追加の出費なし、あるいはわずかな差額で新品のメガネやサングラスを入手することができることから人気だ。

良品計画 <7453> [東証P]は、6月末時点でライセンスドストアを含め「無印良品」を国内725店舗、海外761店舗を展開している。株主優待は毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、店舗やネットストアでの買い物の際に7%割引きで買い物ができる電子クーポンを提供している。「無印良品」はファンも多いうえ、電子クーポンは有効期間中に何度でも利用できることから利便性は抜群で、ファン層拡大に一役買っている。

ヒマラヤ <7514> [東証S]は、スポーツ用品やゴルフ用品、アウトドア用品などの店舗を国内に6月末時点で99店舗を展開している。株主優待は、会員システムのIDと株主番号を連携させることで、毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、全国の店舗及びネットストアで利用できるポイントを保有株数に応じて1000~3万(年2000~6万)ポイント提供。また、ポイントは本社のある岐阜県の特産品をはじめとした限定商品との交換も可能としており、ファン獲得にも効果を発揮している。なお、会員システムと連携していない株主にも紙の優待値引券を提供している。

●外食やアミューズメント、フィットネスクラブの優待も

また、8月期決算企業には 外食チェーンやアミューズメントチェーンも多く、これらの優待にも注目だ。

大庄 <9979> [東証S]は、大衆酒場「庄や」や本格和食割烹「日本海庄や」などを展開する居酒屋チェーン大手で、6月末時点で首都圏を中心に全国に220店舗を展開している。株主優待は毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて優待飲食券(500円相当)を6~24枚(年12~48枚)提供している。1枚500円単位の飲食券なので、夜の本格的な飲み会だけではなく、ランチなどにも利用できるうえ、幅広い業態のグループ店舗で利用できる点が魅力だ。

コシダカホールディングス <2157> [東証P]は、「カラオケまねきねこ」「ひとりカラオケ専門店ワンカラ」を全国にチェーン展開するカラオケ店の最大手で、5月末時点で国内786店舗、海外29店舗を展開。このほかカフェやしゃぶしゃぶ店なども運営している。株主優待は毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、グループ店舗で利用可能な株主優待券を保有株数に応じて2000~1万円相当(年4000~2万円相当)提供。また、長期保有特典として、3年以上保有する株主には優待券の提供を2倍にしている。全国的な店舗網の広さで使い勝手も良く、長期特典があることから長期保有する株主も多い。

そのコシダカHDから20年3月にスピンオフ上場したカーブスホールディングス <7085> [東証P]は、女性向けのフィットネスクラブ「カーブス」を5月末時点で2005店舗(直営83店舗、FC1922店舗)展開している。株主優待は毎年8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に保有株数と保有期間に応じて1000~5000円相当のQUOカードもしくは電子マネーを選択できる。また、カーブス会員特典として、カーブス定期便契約者には定期便契約商品の割引も選択できるようになっており、会員により充実した内容となっているのが特徴だ。更に26年8月末株主限定で、カーブスチェーン創設20周年記念優待として全株主に1000円分上乗せすることにも注目したい。

INGS <245A> [東証G]は、しょうゆラーメンの「らぁ麺はやし田」や「横浜家系ラーメン みどり」などを展開するほか、イタリアン&ワインバーや居酒屋などを6月末時点で82店舗展開している。株主優待は毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を半年以上保有する株主を対象にグループ店舗やECで利用できる食事券を保有株数に応じて2000~1万円相当(年4000~2万円相当)提供している。店舗は首都圏に集中しているものの、ラーメン店で利用する場合、食事券1枚で券売機またはメニュー表から好みの商品を1品無料としているため、同社のラーメンのファンにとっては実質的な額面以上の満足が得られる点が魅力だ。

●ワクワク感のある自社商品の優待にも注目

このほか、金券や割引券と異なり、「届いた時の箱を開けるワクワク感(体験価値)」のある自社商品の優待にも注目したい。

フェスタリアホールディングス <2736> [東証S]は、宝飾品の製造及び販売を行っており、全国の百貨店やショッピングセンターに出店している。株主優待は毎年8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数100株以上で割引クーポン(1万円分)、保有株数300株以上では保有株数に応じて割引クーポン、特別優待券、自社オリジナルジュエリーの組み合わせを選択できるようになっている。例年11月下旬の株主総会終了後に発送することから、優待品が12月上旬ごろに届くため、クリスマスプレゼントや自分へのご褒美として毎年楽しみにしているファンも多い。

ほぼ日 <3560> [東証S]は手帳を中心に自社企画商品の販売が主な事業。株主優待は毎年8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に株主優待限定カバーの「ほぼ日手帳 HON」など、数種類の「ほぼ日商品」から1つ選択できる。「ほぼ日」というブランドのこだわりやセンスが詰まった商品であることに加えて、市販されていない株主限定デザインが含まれることが多いことから、「ほぼ日」ファンにとってうれしい内容となっている。

ヤマトインターナショナル <8127> [東証S]は、「クロコダイル」ブランドを柱とする紳士用カジュアルウェアを中心とした総合アパレル企業。株主優待は毎年8月末日時点で300株以上を保有する株主を対象に、オンラインショップで利用できるクーポン(保有株数に応じて1000円相当または3000円相当)とオリジナルタオルハンカチを提供している。以前は靴下などの自社製品一括詰め合わせだったが、実用品であるタオルハンカチを残しつつ、残りは自分の好きな服や雑貨をネットで選べる「ECクーポン」としたことで、利便性が増したと評判だ。

このほか、毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じてコンテンツ配信サービス「U-NEXT」利用料(90日分または1年分)と利用ポイント(1000円分または毎月1800円分)を提供するU-NEXT HOLDINGS <9418> [東証P]や、毎年2月末日及び8月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、「ちいきの逸品」1万円以上購入で使える割引券や千葉県内の店舗で使えるクーポン券を提供する地域新聞社 <2164> [東証S]などもユニークな優待として注目されている。

(株主優待の内容はいずれも7月28日時点)

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