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桂畑誠治氏【日米中銀の政策決定会合を前に惑うマーケット】 <相場観特集>

特集
2026年7月27日 18時30分

―半導体株の波乱とどう対峙? 順張りと逆張り2つの選択肢―

週明け27日の東京株式市場は日経平均株価が反発、前場は売り優勢となる場面もあったが、その後は根強い買いが続いた。今週は企業決算発表が徐々に本格化する一方、日米中銀の金融政策決定会合が行われることで、マーケットでも思惑が錯綜している。足もとではこれまで相場を牽引してきた半導体やその周辺株に売りがかさんでいるが、投資家はどう対応すべきか。ここからの相場展望や物色の方向性について、今回は第一ライフ資産運用経済研究所の桂畑誠治氏に8月相場の見通しを聞いた。

●「日米中銀のタカ派思惑に揺れる展開」

桂畑誠治氏(第一ライフ資産運用経済研究所 主任エコノミスト)

週明けの東京市場は日経平均が上下に不安定な値動きで下値を探る場面もあったが、個別株を見ると上昇する銘柄が圧倒的に多く、実態面からは決して悪い地合いではない。全体相場の状況を反映しているのはTOPIXの方で、こちらは上昇率で日経平均を上回った。ただ、これまで投資家のセンチメントを強気に傾けていたのがAI・半導体関連であり、同セクターへの一極集中的な買いの反動が出ているという意味で、投資家目線ではリスクオフに傾斜した地合いといえそうだ。

ここ最近は、日米韓の各市場でAIインフラの中核を担う半導体セクターに逆風が強まっている。もっとも、このセクターの株価推移を見る限り、これまでの値動きが強過ぎたことも確かで、反動が顕在化しているとはいえファンダメンタルズ面から売りを誘発する明らかな材料が出現しているわけではない。ターニングポイントとしては中東情勢に落ち着きが取り戻されること。具体的には原油価格の動向が低下基調をたどれば、それがリスクオフの巻き戻しをもたらす分かりやすい指標となり得る。

今週は28~29日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、国内では30~31日に日銀金融政策決定会合が行われる。いずれも今回の決定会合で政策金利の据え置きを決める可能性が高いとみられる。しかし、マーケットの最大の関心事は今後の利上げのタイミングであろう。日米中銀ともにメンバーの見解、あるいはトップの発言にタカ派的な色彩を帯びるかどうかに耳目が集まることになる。例えばFOMCでは据え置きに反対するメンバーが地区連銀総裁などから出てくる可能性があり、場合によってはそれが一人とは限らない。その場合、9月利上げの織り込み度合いが一段と高まる方向となり、米株市場はNYダウナスダック総合株価指数ともに下押し圧力が働きそうだ。

また、日銀の決定会合でも金融政策は現状維持でも、円安がこれ以上進むことに対する警戒感は強く、タカ派的なトーンとなる可能性が高い。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の舵取りにも左右されるが、基本的には10月の利上げ前倒しのシナリオも強く意識されることになりそうだ。8月相場で想定される日経平均のレンジとしては下値が6万円前後、上値は6万8000~7万円を見込んでいる。物色対象としては中期的な金利上昇を背景に銀行株に優位性がある。また、 半導体関連も足もとでは需給面で下押し圧力が意識されるものの、やや調整が行き過ぎた銘柄も多く、ここからは中期スタンスで買い下がる方針で臨むのも一法だ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)

第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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