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明日の株式相場に向けて=「防御本能」が誘発する中小型株物色の勝ち筋

市況
2026年8月27日 17時42分

27日の東京株式市場で日経平均株価は130円安と3日ぶりに反落。寄り付き直後に上げ幅は700円に迫ったものの下げに沈み、その後は方向感を欠く展開となった。日足は陰線で75日移動平均線が上値を圧迫している。TOPIXは小幅に6日続伸。8月中はここまで4営業日しか下げておらず、陰線ながら底堅さを発揮した。

プライム市場の売買代金は7兆8700億円と前日比では増加したものの、エヌビディア<NVDA>決算後であることを踏まえれば、盛り上がりに欠いた。そのエヌビディアが発表した26年5~7月期(第2四半期)決算は、売上高と純利益が前年同期比2倍超。8~10月期の売上高見通しを含め市場予想を上回る内容となり、紛れもなく好決算と言えるものだった。特に28年1月期の増収率が7割に上る見通しを示したことが好感され、時間外取引でエヌビディア株は一時5%を超す上昇となった。生成AI関連需要の強さを改めて印象付ける決算となったと評価すべきだろう。

しかしながらエヌビディア決算を前に先回り買いが入っていたアドバンテスト<6857>は利食いを余儀なくされ、ディスコ<6146>も冴えない動きとなった。27日はキオクシアホールディングス<285A>の新工場棟建設報道という刺激的な材料があったものの、AI・半導体株全般を大きく押し上げるには至らず、対照的にフリー<4478>などSaaS関連株が賑わいをみせた。伏兵と言うには失礼だが、セールスフォース<CRM>の業績予想引き上げがポジティブ・サプライズとなった。

明日からは受け渡しベースで9月相場に突入する。9月は世界的に株価のパフォーマンスが悪化する月として知られている。海外株安を通じて主力大型株が押し下げられるシナリオが想像されるなかにあって、ジャクソンホール会議での米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長の講演は日本時間8月28日深夜の予定だ。明日の株式市場は手控えムードが強まる公算が大きい。

就任後の情報発信姿勢から、金融政策の方向性についてウォーシュ議長が何かしらの手掛かりを与える可能性は低いとみられているものの、債券市場は比較的ボラタイルな状況にあり、投資家の多くが神経を尖らせている。無風通過を決め込むのは難しい。「ウォーシュ議長にしてもトランプ大統領との関係性を鑑みると、11月の中間選挙まで『尖った発言』をすることなどできない。市場に予見性をもたらさない局面が続くなかで、金利の動きが一段と不安定化するリスクもある」(中堅証券)との声が聞かれる。

米中間選挙は地政学リスクとも密接に結びついている。イランとの戦闘状態の長期化はインフレに直結し、トランプ政権の支持率を一段と低下させる要因となる。こうしたなか、CIA(米中央情報局)長官がモスクワを電撃訪問したことについて、米メディアはロシアによるNATO(北大西洋条約機構)加盟国への攻撃回避を要請するのが目的だったと伝えている。ロシアがウクライナに対し、更なる攻撃拡大に踏み切る可能性も指摘されている。戦費の膨張は米国の財政を悪化させ、金利を上昇させる要因となる。インフレ抑制と金利の安定化が至上命題となるトランプ政権に対し、イランやロシア、もしくは中国などが揺さぶりを掛ける構図がしばらくは続くことになるだろう。海外投資家の多くはその防御本能から一旦、株式のエクスポージャーを抑制する衝動に駆られることになるに違いない。

個人投資家としては海外勢が手掛ける大型株から距離を置き、中小型株を主軸にして投資リターンの獲得を図ることを強いられそうだ。防衛などの国策テーマを絡めるという王道もあれば、第1四半期(4~6月)決算の内容から市場の評価余地の大きそうな銘柄を攻めるのも一手である。防衛関連ドローンというテーマが加わった豊和工業<6203>が足もとで下値を切り上げているほか、杭圧入引抜機を主力とし防災関連銘柄である技研製作所<6289>も戻り歩調にある。合成樹脂着色剤の大日精化工業<4116>は通期業績予想の上方修正発表後に大きく居所を変えたが、PBR(株価純資産倍率)はなお0.6倍台にとどまっている。

日程面では28日は国内では7月完全失業率と有効求人倍率、8月東京都区部消費者物価指数(CPI)が公表されるほか、2年物国債入札が実施される予定。海外ではユーロ圏の8月景況感指数と米8月シカゴ購買部協会景気指数、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)が発表される。(長田善行)

出所:MINKABU PRESS

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