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「ロボタクシー」日本上陸、自動運転技術の本領発揮で爆走前夜の銘柄を追え <株探トップ特集>

特集
2026年8月26日 19時30分

―世界にキャッチアップ、ウーバーの戦略が反映するプラットフォーム型成長市場が動き出す―

「運転手のいないタクシー」は今や現実のサービスとして軌道に乗っている。米国ではアルファベット<GOOG>傘下のWaymo(ウェイモ)、中国では百度<BIDU>のApollo Goがすでに大規模な商用運行を進め、日本でも2026年後半に東京都内でロボタクシーの試験運行が計画されている。大企業が総取りするようなイメージもあるが、実際は複数の産業が交差し、新たな「移動の形」を協力して形成しつつある。株式市場でもロボタクシー関連銘柄に改めて投資マネーの視線が向かいそうだ。

●無人タクシーは既に日常の風景

タクシーアプリ「GO」を手掛けるGO <581A> [東証G]が東証グロース市場に上場したのが、6月16日のことである。ちょうど8月中旬には同アプリが累計4000万ダウンロードを突破したと発表している。20年9月のサービス開始から6年弱での達成となった。「~離れ」という言葉は無数にあるが、運転という分野もその仲間入りしつつあるという状況を示唆しているのかもしれない。しかし、ここから先はこうした潮流が急加速していくことになるだろう。背景にあるのが、「自動運転技術」そのものであり、そしてそれを活用した「ロボタクシー」の存在である。

日本にいると実感することはないが、実際、米国や中国ではすでに無人運転による有償サービスが拡大している。ウェイモは26年春までに、完全自動運転による乗車回数が週50万回を突破している。前年から1年足らずで約2倍となり、米国内11都市で事業を展開している。中国でも百度のApollo Goが26年1~3月期に320万回の完全無人運転を実施し、週間で35万回を突破。累計乗車回数は4月時点で2200万回を超えている。世界的にはとっくに「無人タクシーの実現性」を議論するような段階は過ぎている。

●ウーバー連携で日の丸交通の出番到来

現状大きく出遅れている日本でも、ようやく実証実験の段階から本格的な商用化を見据える局面に入ってきた。今月13日、日本の大手タクシー会社である日の丸交通(東京都文京区)が、米ウーバー・テクノロジーズ<UBER>の日本法人と運行パートナーシップ契約を締結したと発表した。ウーバーが26年後半に予定している東京でのロボタクシー試験運行のパートナーとなることが目的だ。車両には英国の自動運転スタートアップWayveのAI Driverを搭載した日産自動車 <7201> [東証P]のEV「リーフ」を採用し、ウーバーの配車アプリを利用する。日の丸交通は認可を受けた運行主体として、運行管理のほか、車両のメンテナンス・点検・清掃・充電、および運行状況の管理全般を担当する。安全を最優先するため、初期段階ではセーフティードライバーとして同社乗務員も同乗する計画だ。

興味深いのは、「自動運転企業がすべてを持っていく」という単純な構造になっていない点である。AIをWayve、車両は日産自、プラットフォームはウーバー、実運行は日の丸交通がそれぞれ担当して成り立つ。ロボタクシー市場自体が、AI、自動車、プラットフォーム、フリート運営などさまざまな要素が結合することで、巨大な産業になっていくことを想起させる。

これを分かりやすく示しているのがウーバーの戦略だ。同社は自動運転技術をすべて自前で抱え込むのではなく、多数の自動運転企業や自動車メーカーを自社プラットフォームにつなぐ方向へ進んでいる。どのメーカーの車両、どの企業の自動運転AIが勝つとしても、それらを利用者につなぐプラットフォームを握れば収益機会を確保できる。26年にはエヌビディア<NVDA>との提携を拡大し、エヌビディアの自動運転ソフトウェアを搭載した車両を28年までに世界28都市へ展開する構想も発表している。

●トヨタ、ソニーGなど虎視眈々

もちろん、ロボタクシー普及へのハードルが相応にあるのは間違いない。事故発生時の責任、規制当局の認可、保険制度、悪天候や複雑な道路環境への対応など課題は残る。日の丸交通が関与する日本の試験運行でも、まずセーフティードライバーを配置することから始める点は、完全無人化までなお距離があることを示している。それでも、業界の先頭ランナーであるウェイモやApollo Goが、既に年間数千万回規模へ向かう乗車実績を積み上げているのは投資家としては注目すべきファクトだ。「ロボタクシー」関連が株式市場でも有力な物色テーマに発展するまでそれほど時間はかからないだろう。

個別にトヨタ自動車 <7203> [東証P]やホンダ <7267> [東証P]、日産自といった主要自動車メーカーのほか、車載LiDAR向け積層型SPAD距離センサー「IMX479」を手掛けるソニーグループ <6758> [東証P]も重要なポジションを担う。トヨタグループのアイシン <7259> [東証P]、デンソー <6902> [東証P]などによる合弁会社「J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッド ダイナミクス)」では統合ECU(電子制御ユニット)向けの制御ソフトウェアなどを手掛けていることも注目される。そのほか、自動運転ソフトウェアや車両制御・組み込みソフトウェア、運行管理・MaaSプラットフォームなどの中小型株を中心に紹介していく。

●ここから活躍期待の6銘柄を選抜

◆スマートドライブ <5137> [東証G]~走行データの収集・解析を強みとする「モビリティデータプラットフォーム」を展開する。自動運転やロボタクシーに直接関連するセンサーなどは開発していないものの、急ブレーキ・急ハンドルなどの挙動、道路状況、独自の安全運転スコアリングデータを蓄積することで、ロボタクシーが走った後の運行管理やデータ利活用の面で注目度が高い。

◆ティアフォー <593A> [東証G]~自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware(オートウェア)」の開発を主導。深層学習を用いた自動運転に関する研究開発のほか、自動運転システム用の3次元地図の開発などを手掛ける。今月20日、ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]との協業を発表。同社のAutowareとルネサスの次世代車載システム・オン・チップを組み合わせ、先進運転支援からレベル4の自動運転までに対応した拡張性の高いソリューション提供を目指す。

◆アイサンテクノロジー <4667> [東証S]~測量計算、3次元点群編集・測量CADシステムの開発や自動運転に必要な「高精度3Dマップ」の計測・作成を手掛ける。ティアフォーとは、自動運転システムの開発や自動運転EVバス(Minibus)の導入、自動運転レベル4に最適化された車載カメラの販売などで密接な提携・協業関係にある。

◆フィックスターズ <3687> [東証P]~コンピューターの処理能力を極限まで引き出すソフトウェア高速化技術をコア事業としているが、18年には豊田通商 <8015> [東証P]傘下のネクスティ エレクトロニクスと自動運転向けソフトウェア開発の合弁会社フィックスターズ・オートノマス・テクノロジーズを設立しており要注目。

◆ゼンリン <9474> [東証P]~日本国内の全市区町村をカバーする詳細な「住宅地図」を製造・保有。自社で販売する住宅地図帳のほか、主要地図アプリ、自動車のカーナビゲーション、ドローンの自律飛行用データなどに広く地図データをライセンス供給。ティアフォー傘下のマップフォーと資本・業務提携している。

◆ヴィッツ <4440> [東証S]~自動運転、先進運転支援システム(ADAS)、スマートシティなどの実現に不可欠な組み込みソフトウェアや「シミュレーション・仮想空間技術」をビジネス領域とする。「地図」や「AI高速化」の技術を、車上で安全かつシームレスに動かす役割を担う。RYODEN <8084> [東証P]と共同で開発・販売を行う仮想空間ソリューション「WARXSS」は、経済産業省・国土交通省委託事業である先進モビリティ分野や国土交通データプラットフォーム関連の実証調査で活用実績がある。

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