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生成AIで大転換期!商機急増で注目の「コールセンターAI」関連株 <株探トップ特集>

特集
2026年8月25日 19時30分

―慢性的な人手不足と顧客接点の多様化が牽引、年平均成長率3割超の有望市場―

東京株式市場は、日経平均株価が6月25日に史上最高値7万2366円(終値ベース)をつけたあと、7月下旬まで調整局面にあった。8月に入りリバウンド相場入りしたものの、現在は頭打ちとなっており、先行きの見通しにくい展開となっている。また、相場の主役は良くも悪くも引き続きAI・半導体関連株が占めているが、3月期決算企業の第1四半期決算の発表を経て、物色の方向性にも広がりが見えるようになった。

そこで今回注目したいのは、「AIをどうビジネスに落とし込んで利益を出すか」という実利のフェーズに移行し、大きな転換点を迎えているコールセンター(コンタクトセンター)業界だ。労働人口の減少とAI技術の進展、更に顧客ニーズの多様化という3つの大きな波が、業界に変革を求めており、そこに大きなビジネスチャンスが生まれている。特に、近年増加しているコールセンター向けAIサービスは人手不足を背景に市場を急速に拡大させており、注目余地は大きい。

●人手不足が慢性化するコールセンター

コールセンターが転換期を迎えているのは、慢性的な人手不足が最も大きな原因とされる。日本の労働市場全体で人手不足が叫ばれているが、コールセンター業界では年間離職率が3割を超え、一般的なオフィスワークの2倍以上とされていることから、深刻さがより増している。これは例えば100人規模のコールセンターとすると年間で30人以上が退職する計算になり、毎月3人前後の新規採用と研修を繰り返さなければならないことになる。

一方、コールセンターの顧客側も大きな変革期を迎えている。コロナ禍を経てテレワークが一般的となったことで、問い合わせの時間は分散・多様化し、電話だけでなくメール、Webチャット、LINEなどさまざまなチャネルからの即時対応が求められるようになった。

こうした業界を取り巻く環境の変化に対して、従来の「人海戦術」によるオペレーションは限界を迎えつつあり、さまざまなDXが導入されるようになったが、特に急速に導入が進んでいるのが「コールセンターにおけるAIサービス」だ。音声認識、ボイスボット、そして生成AIによるリアルタイムの回答支援や後処理(要約)の自動化など、テクノロジーを活用した業務自動化ニーズは拡大の一途をたどっている。

●コールセンターのAIサービス市場は急拡大中

矢野経済研究所(東京都中野区)が今年5月に発表した「コールセンターサービス事業者が提供するAIサービス市場の調査を実施(2026年)」によると、コールセンターサービス事業者が提供するAIサービスの国内市場規模は事業者売上高ベースで25年度(見込み額)は120億円(前年度比33.3%増)だったものの、29年度には313億円に拡大すると予測されている。

AIが進化することで、対話内容の自動要約・記録などといったオペレーター業務の負荷を軽減するだけではなく、感情分析により満足度をリアルタイムで把握しながら顧客に対応するなど、AIの対応範囲がサービス品質の向上にも広がっていると指摘。今後も年平均成長率31.7%で成長すると予想している。これに伴い、コールセンターのAIサービスを開発する企業のビジネスチャンスも拡大が見込まれている。

●生成AI登場でコールセンター向けサービスも進化

ひと昔前のコールセンターにおける自動化といえば、プッシュボタン操作による単純な自動音声応答(IVR)が主流だった。しかし、現在の「コールセンター向けAI」は全く異なる次元へと進化を遂げている。

第1段階として広がったのが、AIが音声で自動応答する「ボイスボット」や「チャットボット」の導入だ。FAQ(よくある質問)の回答や1次受付、配送日時の変更といった定型的な問い合わせをAIが完全に無人対応することで、入電数そのものを削減することに成功した。

更に現在では、 生成AIやLLM(大規模言語モデル)の登場によって第2段階のイノベーションが起きている。顧客との会話をリアルタイムでテキスト化(音声認識)し、AIが最適な回答候補や関連マニュアルを画面上に即座に提示するリアルタイムでのオペレーター支援や、オペレーターが手入力していた応対履歴の要約やテキスト化を生成AIが自動生成する通話後作業の自動化などで、今後もサービスの広がりが予想される。

そこで今回は、コールセンター向けにAIサービスを展開する企業を厳選して紹介したい。

●コールセンター向けAIサービスの関連企業

PKSHA Technology <3993> [東証P]は、AIアルゴリズムを核としたソフトウェア企業。AIがチャットを通じた自然な対話で問い合わせを自動化する「PKSHA ChatAgent」、FAQの作成・公開・評価から問い合わせ対応の管理までを行う「PKSHA FAQ」、AIで電話応対を自動化する「PKSHA VoiceAgent」、AI音声認識で顧客応対の内容や品質を可視化する「PKSHA Speech Insight」などを展開。コンタクトセンターの自動化・省力化でトップクラスの導入実績を持っており、コールセンター向けAIサービスの代表格といえる。

モビルス <4370> [東証G]は、企業と顧客の問い合わせ対応をAIで自動化するコミュニケーションDXの専門企業で、自治体や大企業向けの問い合わせ自動化で多くの実績を有している。近年はチャットボットやボイスボットに加えて、独自のAI技術を利用したオペレーション支援AI「MooA」を提供。オペレーターの負担軽減と総対応時間(AHT)の短縮化を図ることで、VOC(顧客の声)活用を促進している。また、24年にテクマトリックス <3762> [東証P]と資本・業務提携したほか、25年にはトランス・コスモス <9715> [東証P]との合弁会社「vottia」を設立するなど、業界の有力プレイヤーとのアライアンスを加速している点も注目だ。

アドバンスト・メディア <3773> [東証G]は、 音声認識エンジン国内トップクラスの「AmiVoice」を展開。コンタクトセンター向け音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite」は導入実績600社を誇り、専門用語や略語に対応しながら、通話内容の高精度なテキスト化を実現しているのが特徴だ。また、通話内容のテキスト化だけではなく、感情解析機能、話題抽出機能、管理者による複数通話同時モニタリング、オペレーター業務支援などの機能も備え、コールセンターの音声AI分野における代表格といえる。

チャットプラス <598A> [東証G]は7月15日に東証グロース市場に上場した銘柄で、国内におけるチャットボットのパイオニア的存在。チャットボットシステム「ChatPlus」や生成AIと連携した「AI AgentPlus」、更にFAQシステム「FAQPlus」などを提供している。8月13日には、AIエージェントの活用領域をこれまでの「顧客対応」から業務プロセス全体へと広げ、顧客との応対からその後の業務処理までを一気通貫で自動化する「AI AgentPlus Pro」の提供をスタート。コールセンターの業務効率化・自動化を支援している。

テクマトは、コールセンター向けCRM(顧客管理システム)で国内トップクラス。8月20日には、同社のコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と丸紅I-DIGIOグループの音声認識サービス「MSYS Omnis」との連携サービスを開始すると発表。連携によりAIによる通話のリアルタイム音声認識と自動要約の結果を、CRMの応対履歴として登録できるようになり、オペレーターの応対履歴作成工数を削減することで、より質の高い応対や顧客フォローに集中できる環境を提供するとしている。

プラスアルファ・コンサルティング <4071> [東証P]は、タレントマネジメントシステム「タレントパレット」が有名だが、一方でデータの可視化を通じて企業のDXを推進している。コールセンターに集まる膨大なVOCを分析する「見える化エンジン」に強みがあり、単なる問い合わせ対応の自動化にとどまらず、問い合わせデータをAIで解析し、製品改善やマーケティング(CX向上)へ昇華させることで顧客からの支持を得ている。

このほか、コンタクトセンター向けに、顧客の発話内容だけではなく、対話の局面や感情、理解度などを捉えながら、相手や状況に応じて応対の仕方を動的に変える次世代AIエージェント「CC-ExpAI(コンタクトセンター・エキスパートAI)」を展開するバーチャレクス・ホールディングス <6193> [東証G]や、コールセンター向けクラウド型システムの国内におけるパイオニア的存在で、AI音声認識(文字起こし)、自動要約、テキストチャットなどの機能を搭載したAIコールセンターシステム「VLOOM」を展開するコラボス <3908> [東証S]なども関連銘柄として注目度が高い。また、沖電気工業 <6703> [東証P]は、次世代コンタクトセンターシステム「CTstageシリーズ」の新商品として、AIを活用した「CTstage AIコンシェルジュ」を開発し、27年1月に提供を開始する。企業のコンタクトセンター向けに、問い合わせの1次振り分けや応対支援を自動化することで、応対品質向上と運用負荷の軽減を図るとしており要注目だ。

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