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国内株式市場見通し:非AI銘柄への資金シフト期待に加え、AI銘柄には短期資金のリバウンド狙いも

市況
2026年11月7日 14時34分

■米中間選挙の結果受けて、AI関連株中心に大幅下落

今週の日経平均は先週末比5855.34円安(-9.3%)の57434.77円で取引を終了した。週初から売りが先行、インテルの決算などを嫌気した先週末の米国半導体株安や、決算が市場予想を下回ったキオクシアホールディングス<285A>の株価下落などが売り材料視される形となった。米中間選挙を控える中で様子見ムードも強まった。

3日の米中間選挙を受けた祝日明けの東京市場は、人工知能(AI)・半導体関連株を中心に売りが先行、一時は60000円の大台に急接近する展開となった。野党・民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還する見込みとなったことで、AI開発規制の強化などが意識される形に。なお、同日はトランプ米大統領が選挙結果を「受け入れる」、「民主党と協力するつもりだ」などと発言し、政策不透明感が和らぐとの期待から、急速に下げ渋る動きとなった。

ただ、週後半にかけても、AI・半導体需要の減速懸念は収まらず、関連株の下落基調が継続する状況となった。5日にはディフェンシブ株など非AI銘柄への資金シフトが指数下落の一定の歯止めになったが、週末6日には全面安となり下げ幅を拡大させた。5月20日以来の60000円割れとなり、一時下げ幅は4300円超にまで広がった。終値でも史上3番目の下げ幅を記録した。5日の米国市場で半導体株指数(SOX指数)が12%安、構成銘柄が全面安となり、20年3月以来の下落率を記録したことで、リスク回避の動きが一段と強まったもよう。

■民主党の躍進受けた関連銘柄物色などに注目

今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比237.33ドル安の51285.73ドル、ナスダックは同264.43ポイント高の24579.43で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比840円高の58250円。雇用統計の上振れを受けて長期金利が上昇し、株式市場の重しとなった。一方、前日に急落したAI・半導体関連株にはリバウンド狙いの押し目買いが優勢となり、ハイテク主体のナスダックは上昇している。

米中間選挙での民主党の躍進は相当程度織り込まれていたとみられるが、同時に行われた州知事選でも民主党が大勝。とりわけ、テキサス州における知事選で民主党のジーナ・イノホサが勝利したことで、AIデータセンター規制強化への懸念が一段と強まることとなった。テキサス州はデータセンター建設計画が集中している地域であるが、イノホサ氏は選挙戦でデータセンターの新規開発停止を公約に掲げていた人物。短期的に、AI関連株には突っ込み警戒感も意識される状況であるが、データセンター建設に新知事とどのような折り合いをつけていくのか、今後の波乱の芽は残る形であろう。ちなみに、足下の株価下落に伴い、アンソロピックの新規株式公開(IPO)に備えた換金売りの動きは進んだものと捉えられる。なお、アンソロピックのIPO延期などは短期的な株価へのリスク要因となろう。

一方、民主党の上・下院奪取に伴って米長期金利は低下しつつある。トランプ米大統領が再度イラン攻撃に踏み切るリスクは捨てきれないが、中東情勢の悪化がなければ、インフレ懸念は大きく後退することになる。非AI銘柄への資金シフトが強まる余地は大きく、米国株のこうした流れは東京市場にも波及しよう。また、民主党の躍進に伴う関連銘柄の物色意欲なども活発化していく可能性がある。金利低下メリットのある不動産株や、代替エネルギー関連、EV関連なども注目される。また、関税強化への懸念が後退することで、自動車株などにも買い安心感が強まりそうだ。なお、翌週は急落したAI関連株のリバウンド狙いなど、AI関連株にも短期資金の関心は高まる見込み。

■国内では引き続き7-9月期の決算発表が集中

国内では来週末にかけて、主力銘柄の7-9月期決算発表が続く。9日にはオリックス<8591>、三菱地所<8802>、商船三井<9104>、JX金属<5016>、10日にはソフトバンクグループ<9984>、ホンダ<7267>、フジクラ<5803>、住友金属鉱山<5713>、11日はリクルートホールディングス<6098>、ENEOSホールディングス<5020>、レゾナック・ホールディングス<4004>、13日にはSMC<6273>、メガバンク各社などが予定されている。資金シフトが強まるとの期待もある非AI銘柄には好決算がストレートに反応する可能性があるほか、株価が調整したAI関連銘柄は、これまでのように出尽くし感が強まりやすい状況からは脱却することが想定される。海外企業の決算では、12日に予定されているアプライド・マテリアルズが最注目となろう。

経済指標では、10日発表予定の米消費者物価指数(CPI)が注目される。長期金利がピークアウトする中、CPIの下振れは12月の利上げ見送りの可能性を高めさせることにつながる。雇用統計を受けて12月利上げの織り込みが進んでいるため、一段のダウンサイドにはつながりにくいイベントと考えられる。

■米国のインフレ指標などに関心

来週、国内では、9日に9月景気動向指数、10日に9月家計調査、9月経常収支、10月景気ウォッチャー調査、10月29-30日開催分の日銀金融政策決定会合における主な意見、11日に10月マネーストック、10月工作機械受注、12日に10月国内企業物価指数、10月都心オフィス空室率が発表される。

海外では、9日に中・10月生産者物価指数・消費者物価指数、10日に中・10月貿易収支、米・10月消費者物価指数、12日に米・10月中古住宅販売件数、10月財政収支、新規失業保険申請件数、13日に欧・9月ユーロ圏貿易収支、米・10月生産者物価指数などが発表される。

《FA》

提供:フィスコ

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