為替週間見通し:ドルは底堅い展開か、日米協調介入による急落の反動でドルに買戻し
■介入警戒と雇用統計ショックで乱高下-155円割れ目前から158円台乗せ後に急反落
今週(8月3日-7日)はドル・円が方向感の乏しい荒い値動きとなった。週初3日は、片山財務相の「米国と連携した円安対応方針を発表する」との報道で介入警戒が再燃し、実需・投機双方の円買いが加速、ドル円は一時155円21銭まで下落した(4月末の介入時安値は155円03銭)。その後は急落の反動もあって下げ渋り、156円台後半へ切り返す動きとなった。週半ばにかけては原油高や米長期金利の高止まりを支えにじり高となり、7日には158円39銭まで戻す場面もみられた。しかし、同日発表の米7月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想(+8.0万人)に反して減少するなど労働市場の急速な悪化が示されたことから、行き過ぎた米利上げ観測が急速に後退。長期金利の低下とともにドル売りが加速し、NY連銀のインフレ期待率の低下も重なって、ドル円は156円68銭まで急反落した。介入警戒と金利差縮小観測が交錯し、値幅の大きい一週間となった。
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は158円39銭から156円68銭まで下落し、157円78銭で引けた。
■ドルは底堅い展開か、日米協調介入による急落の反動でドルに買戻し
ドル・円は底堅い展開か。7月末からの日米協調介入により急落した反動から、ドルは買戻しが入りやすい。ただ、追加的な介入への警戒感で、戻りのペースは緩慢になりそうだ。7月末に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合のタイミングで、ドル・円は急落。8月に入っても大きく下げ、円買い主導により4営業日で164円近くから155円前半まで下値を切り下げた。日米両政府はその後、7月末に円買いの為替介入を実施したと正式に発表した。政府が介入について具体的に言及するのは異例だが、両国が過度な円安を阻止するスタンスを強調した。ただ、ドルは急落の反動により買戻しが入りやすく、158円台に回復している。一方、米国とイランの和平に向けた協議の進展が期待され、原油相場の値下がりによりドルは売られやすい。半面、トランプ米大統領の不確実な政治姿勢への懸念は根強く、「有事の買い」がドルを支えそうだ。また、引き続き米国のインフレが注視される。12日発表予定の米7月消費者物価指数(CPI)は伸び率がやや低下の見通し。ただ、直近のコアPCE価格指数も鈍化のペースは鈍く、インフレ高止まりが意識されれば米金利の低下は抑制され、ドルは売りづらい。
【米・7月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の米7月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%(6月+3.5%)、コア指数は同+2.5%(同+2.6%)と伸びがやや鈍化の見通し。想定通りならドル買いを弱める材料に。
【米・7月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米7月小売売上高は前月比+0.3%と、前回+0.2%からやや改善の見通し。9月以降の引き締め的な金融政策に思惑が広がればドル買いに振れやすい。
予想レンジ:155円00銭-160円00銭
○上値・下値ポイント一覧
上値ポイント:161,50円、170.0円、177.8円、191.6円、209.1円
下値ポイント:158.5円、158.0円、152.0円、145.0円、127.2円
【ドル買い要因】
・FRB高官の利上げ発言で追加利上げ観測が残存
・原油高による米インフレ再燃警戒
・日米金利差を背景としたドル買い
【ドル売り要因】
・日米協調介入継続への警戒
・日銀の早期追加利上げ観測
・米雇用減速懸念によるドル売り
《FA》
株探ニュース