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SFP Research Memo(3):積極的な店舗数の拡大とともに高い成長性と収益性を実現

特集
2022年11月2日 15時03分

■決算動向

1. 過去の業績推移

コロナ禍前(2020年2月期まで)の業績を振り返ると、店舗数の拡大がSFPホールディングス<3198>の成長をけん引してきた。特に、独自の収益モデルによる「磯丸水産」の出店が本格化した2010年9月期以降、業績の伸びが加速し、経常利益率も売上高の拡大に伴って大きく改善した。2013年9月期の経常利益率が目標とする8%を超えると、2015年9月期には11.7%にまで上昇し、その後も高い水準を維持してきた。一方、2018年2月期から2019年2月期にかけて業績の伸びが緩やかとなったのは、環境変化への対応や今後の持続的な成長を見据え、新規出店を戦略的に抑えたうえで、その分の投資余力や経営資源を既存店の強化や新業態の開発などに振り向けてきたことが理由である。2020年2月期は独自の「アライアンス構想」を開始したことにより店舗数及び業績は拡大したが、2021年2月期以降は、コロナ禍の継続により売上高は大きく後退するとともに、不採算店舗の退店を実施した。

財務面では、2014年12月の東証2部への新規上場に伴う公募増資(約127億円)により、2015年9月期末の自己資本比率は76.8%に上昇し、その後もおよそ70%を超える水準で推移してきた。2021年2月期はコロナ禍の影響により当期純損失を計上したことと、運転資金の借入(約90億円)を実施したことで自己資本比率が一時的に低下したものの、2022年2月期末は77.3%とコロナ禍前の水準に戻っている。業界内でもトップクラスの財務基盤の強さは、今後の新規出店の再開に向けて大きなアドバンテージと捉えられる。

2. 2023年2月期上期の業績

2023年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比204.5%増の10,129百万円、営業損失が948百万円(前年同期は5,109百万円の損失)、経常利益が同9.8%増の1,236百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同10.2%減の801百万円と、コロナ禍からの一定の回復により大幅な増収を実現するとともに、助成金の活用等により経常黒字(増益)を確保することができた。

売上高は、コロナ禍の拡大(第6波、第7波)の影響を受けたものの、総じて回復基調は続いており、緊急事態宣言の発出などにより大きく落ち込んだ前年同期から大幅な増収を実現した。既存店売上高(上期平均)もコロナ禍前の61.2%(前年同期は同18.4%)にまで回復してきた。特に、第6波が収まった2022年4月に全店営業を再開すると、5月~6月はコロナ禍前の70%を超える水準で推移し、単月で営業黒字へ転換することができた。7月に入ってからは第7波の拡大により回復ペースが一旦足踏みするも、回復基調そのものに変化はなく、足元では再び70%水準に戻ってきたようだ。

出退店については、新規出店の再開に向けて準備を進めているが、上期の時点では、新規1店舗(FC)を出店した一方、4店舗を退店し、2022年8月末の店舗数は212店舗(FC15店舗を含む)となった。

損益面でも、コロナ禍第7波の影響は想定外であったものの、増収による収益の押し上げや収益体質の強化により営業損益の大幅な改善を図ることができた。特に、物価上昇等に伴う厳しい収益環境の下でも、これまでのコスト削減の取り組み(詳細は後述)が奏功し、原価率は安定推移している。また、コロナ禍に伴う雇用調整助成金(営業外収入)等を通じて経常損益段階では黒字化(増益)を確保した。

財政状態については、現金及び預金の増加等により、総資産は前期末比8.7%増の17,498百万円となった。一方、自己資本も内部留保の積み増しにより、同4.5%増の13,003百万円に増加し、自己資本比率は74.3%(前期末は77.3%)と高水準を維持した。

主な業態別の業績は以下のとおりである。

(1) 鳥良事業

売上高は前年同期比276.2%増の1,880百万円となった。退店3店舗及び業態転換による1店舗減により、2022年8月末の店舗数は39店舗(前期末比4店舗減)となった。

(2) 磯丸事業

売上高は前年同期比291.4%増の6,162百万円となった。初めてとなるフードコート※向けに「磯丸水産食堂」を1店舗(FC)出店したことにより、2022年8月末の店舗数は117店舗(FC14店舗を含む)となった。

※グループ会社であるクリエイト・レストランツ(CR社)へのFC展開により、CIAL横浜「ハマチカ」へ出店。CR社のフードコートにおけるオペレーションノウハウと「磯丸水産」ブランドの掛け合わせによる相乗効果を狙う。

(3) その他

売上高は前年同期比103.4%増の1,372百万円となった。1店舗退店した一方、注力する「ネオ大衆酒場」2店舗(浜焼きドラゴン、鳥平ちゃん)を業態転換により出店したことから、2022年8月末の店舗数は24店舗(増減なし)となった。そのうち、「ネオ大衆酒場」は10店舗(前期末比2店舗増)に増えてきた。

(4) フードアライアンスメンバー(連結子会社)

売上高は前年同期比23.6%増の712百万円となった。(株)ジョースマイル(熊本)及び(株)クルークダイニング(長野)ともに店舗数に増減はなく、2022年8月末の店舗数はジョースマイルが13店舗、クルークダイニングが19店舗(FC1店舗を含む)となっている。

3. 2023年2月期上期の総括

以上から、2023年2月期上期を総括すると、コロナ禍第7波の拡大が回復ペースに水を差したとは言え、その影響を除くと、ほぼ想定どおりに回復基調をたどり、営業損益の大幅な改善を図ったところは、アフターコロナに向けて同社業態の優位性が失われていないことを実証するものとして評価したい。特に、1) 2022年6月の既存店売上高がコロナ禍前の73.3%まで回復したこと、2) 2022年5月~6月の既存店売上高がコロナ禍前の70%を超え、単月で営業黒字を達成できたことは、今後の既存店売上高の回復や営業損益の黒字化への道筋を描くうえでも重要な判断材料として捉えることができる。また、活動面でも、後述するように、地方都市への新規出店への取り組みや注力する「ネオ大衆業態」への業態転換などで、着実な実績を上げることができた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《NS》

提供:フィスコ

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