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明日の株式相場に向けて=「韓国AIメガ投資」で燃え上がる半導体株

市況
2026年6月30日 17時30分

きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比594円高の7万0062円と続伸。ひとことで言えば非常に難しい地合いである。きょうは四半期末の機関投資家によるリバランス売り圧力が相応に強いという見方が示されてはいたが、それでも朝方は前日の米ハイテク株高を背景に先物への買いが先行し、日経平均はロケットスタートでその懸念を払拭したようなオープニングであった。実際、寄り付きで7万円台に乗せると、その後は瞬く間に水準を切り上げ、取引開始後わずか17分で上げ幅を1100円あまりに広げた。ところが、そこからが例によってジェットコースター相場の本領発揮である。思わず目を見張る失速ぶりで、今度はあっという間にマイナス圏に沈んだ。

これがグローバル規模で5兆円レベルとも言われるGPIFのリバランスに伴う売り需要が反映されたものなのかどうか。それは置くとしても、とにかく荒い値動きである。きょうも先行き右往左往の末、あまり芳しくない引け味になるのではないかというムードが漂った。外国為替市場ではドル高・円安が加速し、午前中に歴史的攻防ラインの1ドル=161円96銭を躊躇なく突破し162円台に突入、1986年以来40年ぶりの円安水準となったが、これに対する反応は極めて淡泊であった。今の株式市場にとってイラン情勢も為替動向も目に入っていない。「AIバブルか否か」の二択で思惑をぶつけているのみである。

そうしたなか、後場に入ると再び上昇気流が発生し、何事もなかったかのように日経平均は上値を慕う展開に。先物主導でリスクオンが加速し、マイナス圏から仕切り直して再び1000円を超える上昇をみせた。後場終盤になるとロングの手仕舞いが出てくるのがお決まりのコースで、大引けは上げ幅を縮小して着地するというパターンとなった。日経平均594円高はまずまずのパフォーマンスだが、何のことはない前引け時点の上げ幅を下回っている。この一連の値動きは、生半可に参戦しても翻弄されるがままという状況を物語る。AIアルゴリズムのトレンドフォローのスイッチが入れば、それはそれで方向感が定まるため対処の仕方もあるが、ここ数日に見られる大蛇がのたうつような相場では、傍観しているのが最も期待値の高い作戦と言われても否定はできない。

AI・半導体関連に焦り気味に利食い急ぎの動きが出てきたところで、目ざとくショートポジションを組んでも裏目を引くケースが多い。以前よりも買い方の腰が引けているが、売り方も容易に仕掛けると踏まされる恐怖が拭えない。何かイベント(カタリスト)があればポジションを組むという「攻撃的な待ちスタンス」が求められる場面だ。そうしたなか、きょうは韓国KOSPIが朝安後に切り返し、これに日経平均が追随する格好となった。前日に、韓国政府が「大韓民国大飛躍3大メガプロジェクト」と銘打ったAI・半導体分野への巨額投資を発表した。政府主導の産業戦略だが、サムスン電子とSKハイニックス<SKHY>を両輪に据えた国家プロジェクトの色が濃い。その規模感は日本も見習ってほしいところではあるが、総額で1100兆ウォン、日本円に換算しておよそ115兆円。このうち、サムスンとSKハイニックスは国内に4つの半導体工場を計800兆ウォン(約83兆円)で建設するという。

これは、東京市場にとっても半導体セクターにおける強力なカタリストとなり得る。日本は半導体製造装置と半導体材料に関しては世界的にトップサプライヤーの集団である。つまり今回の韓国のビッグプロジェクトは、半導体という「AI関連のツルハシ」を作るための道具や素材で商機をつかむ絶好のチャンスと捉えることができる。きょうは東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、KOKUSAI ELECTRIC<6525>といった銘柄が軒並み上昇したが、これは前日の米国株市場でも同様の潮流が発生しており、アプライド・マテリアルズ<AMAT>やラム・リサーチ<LRCX>が大幅高に買われている。

半導体製造装置関連では上記以外で同プロジェクトと関係性の強い銘柄として、モールディング装置最大手のTOWA<6315>や超純水装置専業のキープレーヤーとして名を馳せる野村マイクロ・サイエンス<6254>などに上値期待が大きい。また、半導体材料関連では、先端半導体に不可欠な高純度化学薬品の多品種少量生産で不動のグローバルニッチトップであるトリケミカル研究所<4369>を併せてマークしたい。

あすのスケジュールでは、6月の日銀全国企業短期経済観測(日銀短観)が朝方取引開始前に開示される。後場取引時間中に6月の消費動向調査、6月の新車販売台数(自販連)、6月の軽自動車販売台数(全軽自協)などが公表されるほか、取引終了後の夕刻には日証協会見が予定される。海外では6月のレーティングドッグ中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、6月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値、6月のADP全米雇用リポート、6月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、5月の米建設支出などが注目される。また、ウォーシュFRB議長がECB主催のディスカッションに参加し、発言機会があるため、その内容にマーケットの関心が向かいそうだ。なお、あすは香港市場が休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

株探ニュース

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