【杉村富生の短期相場観測】 ─ 希望の令和の幕開け! 日経平均株価は3万円を狙う! <GW特集>

市況
2019年5月4日 8時00分

「希望の令和の幕開け! 日経平均株価は3万円を狙う!」

●投資家にとっては厳しい平成(30年)だったが…

激動の平成が終わり、希望の令和の幕開けである。平成は「失われた25年」と重なる。1989年11月のベルリンの壁崩壊→東西冷戦構造の終焉、そして政府はバブル潰しに走る。BIS規制は明らかに、日本をターゲットにしたものだ。土地基本法は「土地高は悪」と断じ、日銀(三重野総裁)は1990年初めの地価、株価暴落が始まっているのに、1年7カ月にわたって金融引き締めを強行した。もっと穏やかな政策がとれなかったものか。

政治は迷走した。衆参ねじれ現象に加え、2012年12月まで小泉政権時代、安倍政権の誕生を除いて「首相の任期は1年」という異常な状況が続いた。これではパラダイム・ショックと称する戦後の枠組みの変化に対応できるはずがない。さらに、技術革新(イノベーション)の波に乗り遅れた。もちろん、金融界、産業界ともに、不良資産(バブルの後遺症)の処理に追われ、「生き延びるのがやっと」だったのは確かだが…。

平成が戦争のない平和の時代という事実は認める。これには感謝の言葉しかない。しかし、投資家にとっては厳しい30年ではなかったか、と思う。ちなみに、昭和の最後(1989年1月6日)の 日経平均株価は3万0209円だった。平成の最後(2019年4月26日)は2万2258円である。7951円の値下がりだ。26.3%の下落率となる。なお、平成の最後の日経平均株価の1株利益は1762円(PERは12.63倍)だ。これを NY市場並みのPER16.9倍に評価すると、2万9778円の上値のメドを算出できる。

●10連休明けに注目したい5銘柄!

令和ではとりあえず、「3万円奪回」(昭和の最後、およびNY市場並みのPER水準)が目標となろう。これはけっして、無理な“注文”ではない。企業の稼ぐ力は一段と強固になっている(1996年の上場企業の最終純益は5兆円だったが、現在は45兆円を超える)し、待望のベンチャー・ダイナミズム、イノベーションの潮流が起こりつつある。

今後、第4次産業革命(キーワードはCAMBRIC※編集部注)、Society5.0(社会改革)をベースに、ユニコーン企業(時価総額10億ドル超)、デカコーン企業(同100億ドル超)が登場するだろう。

リスクマネーを呼び込むのが主眼の東証改革も始まった。令和の株式市場は変わる。この局面では目先の動きに一喜一憂する必要はない。なにしろ、先は長い。もちろん、筆者は株価低迷の平成にあって、資産を10倍、20倍にした人(投資家)をたくさん知っている。独自の投資哲学、銘柄発掘術(ノウハウ)を持っている人だ。彼らは徹底して銘柄を絞り込み、安いところを買って、高いところを売る(長期・逆張り)、高いところを買って、より高いところを売る(短期・順張り)を心がけている。

このほか、投資戦術としては優良株の長期投資もある。さて、10連休明けに狙う銘柄は? 増収増益基調のセントラル警備保障 <9740> 、1部指定替えを目指しているファイバーゲート <9450> [東証M]、ユニークなビジネスモデルを評価できるライトアップ <6580> [東証M]、8000人のデバッガーをホワイトハッカーに育成中のデジタルハーツホールディングス <3676>5G関連のsantec <6777> [JQ]などに妙味があろう。

2019年5月3日 記

(編集部注CANBRIC=キャンブリック、「C」クラウドコンピューティング、「A」AI(人工知能)、「M」モビリティ、「B」ビッグデータ、「R」ロボティクス、「I」IoT、「C」サイバーセキュリティの総称)

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