2017年【株式市況早わかり】記録ずくめの1年、バトンは2018年へ! <年末特別企画>

特集
2017年12月31日 9時30分

●2017年【市況動向】 ── 記録ずくめの1年

■今年の相場ポイント

1.日経平均は28年ぶり6年連続上昇、26年ぶり高値奪還

2.企業業績の好調が株高を演出

3.海外投資家の買いで上値追う

4.世界同時好況と世界同時株高が追い風

5.年前半はハイテク株、後半は内需株が買われた

今年は日経平均株価が昨年末比3650円(19.1%)高の2万2764円と28年ぶりに6年連続の上昇となり、実に26年ぶりの高値圏で着地した。1年間の流れを顧みると、年初から4月初めまで1万8600円-1万9600円のレンジ相場、5月から9月上旬まで1万9400円-2万0300円と2万円大台を挟んだレンジ相場を形成するなど上値の重い展開が続いた。しかしながら、国内企業の好業績に加え、米国をはじめとする世界同時好況と世界同時株高を追い風に、安倍首相による衆院・解散総選挙の表明を境に9月半ばから上値を追う展開となり、11月9日の取引時間中には一時2万3000円を突破した。海外投資家が9月第4週から7週連続で大規模に買い越したことも上昇を加速させた。この間、史上最長となる16連騰の記録も残している。その後は2万3000円の壁が意識され調整局面が続いたものの、11月25日には今年の年初来高値を付けて26年ぶりの高値圏で大納会を迎えた。

●2017年【セクター動向】 ── 33業種中、32業種が上昇

今年の相場をセクター動向から見ると、東証33業種中、値上がりは32業種にも上り、値下がりは“電気・ガス”の1業種にとどまった。

上昇率トップとなった“石油・石炭”は、原油高と業界再編による収益改善を好感する買いを集め、昨年2位からトップに躍り出た。2位の“空運業”は昨年の最下位からジャンプアップした。構成銘柄が少ないことも急浮上につながった格好だ。半導体製造装置が牽引した“電機機器”は昨年9位から4位にランクアップした。また、“非鉄金属”や“化学”、“パルプ・紙”といった景気敏感の素材業種が上位にランクインしたことが目立った。

一方、昨年上昇率トップだった“その他製造”は昨年に続き任天堂 <7974> が上昇を牽引したものの、6位に後退した。日本経済の屋台骨である自動車メーカーを中心に構成される“輸送用機器”は上昇に転じたものの、浮揚力が弱く昨年29位から28位へのランクアップにとどまった。

そのほかでは、“銀行業”や“保険業”など金融株は揃って24位以下と昨年に続き低位に沈んだままだが、年後半の上昇相場の起点となった9月8日からの上昇局面では“保険業”が20.9%高で4位、“銀行業”が19.3%高で7位にランクアップしている。米長期金利の上昇が続けば、来年はランクアップが期待できそうだ。

●2017年の業種別騰落率ランキング

※2017年12月29日終値の昨年12月30日終値に対する騰落率

東証1部33業種    値上がり: 32 業種  値下がり:  1 業種

東証1部:2051銘柄  値上がり:1718 銘柄  値下がり: 328 銘柄  変わらず他:  5 銘柄

東証33業種   騰落率(%)  【株価】上昇率/下落率 上位3銘柄

1. 石油・石炭(0259)  +52.15  コスモHD <5021> 、富士石油 <5017> 、ニチレキ <5011>

2. 空運業(0273)    +38.95  ANAHD <9202> 、JAL <9201>

3. 非鉄金属(0263)   +34.73  Sサイエンス <5721> 、三井金 <5706> 、東特線 <5807>

4. 電気機器(0266)   +34.63  ヤーマン <6630> 、双信電機 <6938> 、安川電 <6506>

5. 化学(0257)     +33.92  D・アクシス <4245> 、昭電工 <4004> 、テイカ <4027>

6. その他製品(0269)  +33.79  ニホンフラ <7820> 、SHOEI <7839> 、任天堂 <7974>

7. 機械(0265)     +32.23  ヤマシン―F <6240> 、石川製 <6208> 、パンチ <6165>

8. パルプ・紙(0256)  +31.54  王子HD <3861> 、ザ・パック <3950> 、トーモク <3946>

9. ガラス・土石(0261) +30.58  イソライト <5358> 、オハラ <5218> 、東海カ <5301>

10. 卸売業(0276)    +28.79  ペッパー <3053> 、ミタチ産業 <3321> 、ラクトJ <3139>

11. サービス業(0283)  +28.27  JBR <2453> 、ウィルG <6089> 、パソナG <2168>

12. 建設業(0253)    +27.90  PS三菱 <1871> 、インベスC <1435> 、第一カッタ <1716>

13. ゴム製品(0260)   +25.16  洋ゴム <5105> 、三星ベ <5192> 、藤ゴム <5121>

14. 金属製品(0264)   +22.36  RSテクノ <3445> 、モリテック <5986> 、アドバネクス <5998>

15. 精密機器(0268)   +20.87  ノーリツ鋼機 <7744> 、シード <7743> 、A&D <7745>

16. 鉱業(0252)     +20.36  住石HD <1514> 、日鉄鉱 <1515> 、三井松島 <1518>

17. 海運業(0272)    +18.42  飯野海 <9119> 、ユナイテド海 <9110> 、郵船 <9101>

18. 繊維製品(0255)   +18.36  ルックHD <8029> 、ゴルドウイン <8111> 、グンゼ <3002>

19. 小売業(0277)    +16.89  ジンズメイト <7448> 、DDHD <3073> 、愛眼 <9854>

20. 鉄鋼(0262)     +16.78  日金属 <5491> 、新日本電工 <5563> 、モリ工業 <5464>

21. 食料品(0254)    +16.50  北の達人 <2930> 、ヨシムラHD <2884> 、中部飼 <2053>

22. 倉庫・運輸(0274)  +14.84  川西倉 <9322> 、内外トランス <9384> 、日新 <9066>

23. 情報・通信業(0275) +14.47  シンクロ <3963> 、ソリトン <3040> 、KLab <3656>

24. 保険業(0280)    +11.62  ARM <8769> 、アニコムHD <8715> 、T&D <8795>

25. 水産・農林業(0251) +11.61  ホクリヨウ <1384> 、極洋 <1301> 、サカタタネ <1377>

26. 医薬品(0258)    +11.33  JCRファ <4552> 、栄研化 <4549> 、中外薬 <4519>

27. その他金融業(0281)  +9.90  イントラスト <7191> 、ポケットC <8519> 、イー・ギャラ <8771>

28. 輸送用機器(0267)   +8.66  ミクニ <7247> 、GMB <7214> 、芦森工 <3526>

29. 陸運業(0271)     +7.99  丸和運機関 <9090> 、サカイ引越 <9039> 、日石輸 <9074>

30. 銀行業(0278)     +7.37  東和銀 <8558> 、京都銀 <8369> 、千葉銀 <8331>

31. 証券・商品(0279)   +4.25  JAFCO <8595> 、SBI <8473> 、いちよし <8624>

32. 不動産業(0282)    +1.63  オープンH <3288> 、フージャース <3284> 、ハウスドゥ <3457>

33. 電気・ガス(0270)   -5.38  邦ガス <9533> 、北陸電 <9505> 、北海電 <9509>

※上記の『【株価】上昇率/下落率 上位3銘柄』は、業種別指数が前年比プラスの場合は株価上昇率の上位3銘柄、前年比マイナスの場合は株価下落率の上位3銘柄を記載。

★元日~3日に、2018年「新春特集」を一挙、“24本”配信します。ご期待ください。

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