急騰株ハンティング、4大攻略地帯「特選10銘柄」 <株探トップ特集>
―今が旬! 強力4テーマに秘められた“怒涛の株価上昇シナリオ”―
全体相場は6月に入ってから急速に切り返しに転じてきたが、日経平均2万3000円ライン超えはそう簡単ではないようだ。この心理的なフシ目突破となれば投資家のセンチメントも大いに盛り上がるが、目先は売り買いが交錯し、主力株の戻り本番にはもうしばらく瀬踏みを必要とする可能性を示唆している。ただし今の流れは強気優勢であり、2万3000円乗せは時間の問題、そして単なる通過点に過ぎないだろう。
テクニカル指標からは日経平均よりもジャスダック(スタンダード・グロース)指数、マザーズ指数などの相対的な出遅れが見て取れる。これはリターンリバーサルの原理で、今後物色資金のシフトを誘発する背景となる。また、来週は国内では数少ない「ユニコーン」であるメルカリ <4385> [東証M]が鳴り物入りでマザーズに上場するが、脚光を浴びる同銘柄がセカンダリーで回転を利かせることができれば、新興市場活性化の起爆剤となる公算もある。いずれにしても足もとは個人投資家好みの中小型株に風が吹いている。
●物色人気の鍵は背景に有力なテーマがあるか否か
中小型材料株物色における人気のポイントは継続性だ。その背景に有力なテーマが横たわっている場合は、複数の銘柄に投資マネーが波状的に押し寄せ、水かさが増すようにまとめて水準が切り上がる。野中の一本杉のごとく単発的に上昇を続ける昔の仕手株のような銘柄は今の時代はなかなか出現しにくく、仮に現れたとしても、投資家サイドがそれをピンポイントで捉えるのは困難を伴う作業だ。
それよりも毛利元就の“三本の矢”ではないが、人気に火が付いた局面で、同じテーマに乗る複数の銘柄が存在するのが、材料株物色における理想的パターンといえる。テーマ買いの流れが形成されることで、自然とシンボルストック的な銘柄に対するマーケットのコンセンサスが醸成され、そうした銘柄が物色の中軸となって、さらに太い流れを形成していく。上値有望な銘柄を探すにあたっては、まずは有望テーマありきなのだ。
今回は株式市場で銘柄物色の強力な足場となり得る注目4テーマを掲げ、それに見合う急騰候補を合計10銘柄選出した。
<攻略地帯1‐AI関連ではこの4銘柄が要注目>
今の株式市場において有力なテーマはいくつかあるが、代表的なものとして、まず人工知能(AI)関連は外せない。新聞を手に取れば、今や見出しにAIの文字が躍らない日はない。国内にとどまらず、世界企業がこぞってAIを活用して経営の合理化を図り、かつ新たなサービスに乗り出す構えをみせている。自動運転やフィンテック 、バイオなどあらゆる先端分野でAIは存在感を浮き彫りにし、同時に、 スマートフォンや家電などを介して我々の日常生活にも浸透している。
【システムズD】
システムズ・デザイン <3766> [JQ]はシステムインテグレーションとデータ入力などを手掛ける。AIを利用したコールセンター業務サービスに引き合い旺盛。AI分野に積極的に踏み込むソフトバンクグループ <9984> と販売パートナー契約を締結し、AI活用の知識検索サービス「Kleio(クレイオ)ナレッジリサーチ」の提供も開始している。これはAIを用いて企業が保有する文書データの集積と検索を実現し、知的情報の活用による組織力の向上を支援するもので、今後の需要の広がりが期待される。19年3月期営業利益は前期比47%増益を見込む。急騰力も抜群だ。<急騰性=5 中期的上値余地=3>
【システナ】
システナ <2317> は携帯端末や車載向けシステム開発を展開するが、働き方改革を背景とした企業のシステム投資需要が収益を押し上げている。業績は15年3月期以降、売上高、営業利益とも大幅な伸びを続けている点はポイントで、19年3月期も16%営業増益と2ケタ成長を見込む。AIを活用した自動応答システム、ChatBot「CoCobox」サービスを3月からスタートさせるなど、AI関連事業に積極的な布石を打っている。5月末の株主を対象に1株を4株にする株式分割を実施したが、分割後1200円台でのもみ合いは青空圏再突入に向けての踊り場といってよさそうだ。<急騰性=3 中期的上値余地=4>
【ODK】
ODKソリューションズ <3839> [JQ]は入試関連など教育ビジネス分野に強みを持つシステム開発・運営会社で、大学入試や証券取引関連のビジネスプラットフォームを提供する。また、東大発ベンチャーなどと共同でAI開発にも重点を置いており、米ソフトウエア開発会社のZendesk社と提携して、ODKが持つAI技術とZendeskが提供するソフトウエアを連携したサービスも展開。AIを活用したコンタクトセンター向けソリューションやHRテック(テクノロジーの活用によって人事領域の業務改善を行う)関連サービスなどに期待がかかる。<急騰性=4 中期的上値余地=4>
【ネオス】
ネオス <3627> は携帯電話向けを主力としていたアプリ開発支援事業が、メディアやヘルスケア、金融向けに伸びており19年2月期以降業績は回復トレンドに入る。AIボットなど新たなIoTデバイスの提供にも取り組み、ビジネスチャットでは独自開発したAIボット技術との融合でチャットボットソリューションの事業化に着手している。5月にマネーフォワード <3994> [東証M]との業務提携で値を飛ばした後、調整を入れたが、ここジリ高歩調。株価は26週移動平均線を上回り中期的にも上昇トレンド入りを示唆している。<急騰性=4 中期的上値余地=3>
<攻略地帯2‐ブロックCはこの2銘柄に上値期待>
AIと同時進行的に今後普及に弾みがつきそうな技術分野が ブロックチェーンだ。取引記録を複数のコンピューターのネットワーク上で管理する技術で「分散型台帳」とも訳され、ビットコインなど仮想通貨に光を当てた最大の立役者である。ブロックチェーン技術を駆使することでスムーズなキャッシュレス決済が可能となり、それに伴い利用者の裾野が広がり、キャッシュレス化時代も促進させる。また、ブロックチェーンは仮想通貨だけではなく医療分野や電力取引、流通、不動産など、他のさまざまな分野での応用も模索されている。
【モバイルファクトリー】
モバイルファクトリー <3912> はスマートフォン向けソーシャルゲームを手掛け、特に位置情報連動型ゲームで優位性を持つ。今年度からブロックチェーン事業への参入を表明しており、がぜん市場の注目度が高まっている。 ブロックチェーン技術を取り入れたゲームを開発するほか、モバイル対応の独自仮想通貨も発行する。株価は5月以降に上げ足に弾みがついており、目先上昇一服も早晩新値街道への復帰からさらに上を目指しそうだ。<急騰性=3 中期的上値余地=4>
【アイティフォー】
アイティフォー <4743> は独立系システム開発会社で金融機関向けなどを中心にネットワークの構築や債権管理システムなどに強みを持っている。ブロッククチェーン推進協会やフィンテック協会への参加に伴い、同分野における技術検証や業務取り入れに積極的に取り組む。業績面では、時流を捉えてRPA関連が好調で収益に貢献、19年3月期は売上高130億円(前期比10%増)、営業利益20億円(同30%増)と大幅な伸びを見込む。また、21年3月期に売上高140億円、営業利益23億円を目指す中期計画を発表している。1300円台のもみ合いを抜け新値圏を走る展開が有力視される。<急騰性=5 中期的上値余地=3>
<攻略地帯3‐ サイバーセキュリティーで飛翔する2銘柄>
AI・IoT時代の到来はサイバー犯罪を活発化させるという面では、経済にとっても諸刃の剣となる部分がある。そこで、サイバー攻撃から身を守る手段としてセキュリティーの充実が必須の課題となる。海外からの政府機関へのサイバー攻撃が深刻視されるなど、既に国際レベルで取り組むべきテーマであり、安倍政権でも産官学連携強化を主眼とする次期サイバーセキュリティー戦略を7月にも閣議決定する方向だ。サイバー犯罪の被害金額は世界ベースで2021年に6兆ドル規模に達するという恐るべき試算もあり、それらに対抗する サイバーセキュリティー分野に展開する企業群は、言うに及ばず高い成長性を宿していることになる。
【アクモス】
アクモス <6888> [JQ]はITソリューション事業を主力のビジネス領域としており、そのなか特に情報セキュリティー分野に専門特化する方針を会社側は示している。サイバー攻撃に対する防御はハードではなく人にあるという見方が強いなか、同社では企業・組織における標的型攻撃メール対策の一環として、訓練を実施するためのソリューションを提供している。このほか、「超高速秘密分散ソリューション」やファイアーウォール構築など情報漏洩やハッカーなどの対応でも実力を発揮しており、時流に乗る国策関連銘柄として今後、株価の居どころを大きく変えてくる公算が大きい。<急騰性=3 中期的上値余地=4>
【フォーカス】
フォーカスシステムズ <4662> は独立系のシステム開発会社で、「社会保険システム」「航空管制システム」「貿易流通システム」「医療事務システム」など公共システム分野で高実績。また、独自の暗号システムでセキュリティー分野に強みを持つ点を評価。官公庁向けでは サイバーセキュリティー関連の大型受注を確保しており、今後もこの実績が生かされる可能性が高い。また直近、5月28日にはVR・AI・ブロックチェーン技術で新たな活用分野を創ることを目的にJPPVR(東京都中央区)と共同出資会社「VRaiB(ブレイブ)」を設立している。動き出せば足は軽く、800円台は押し目買いで面白い。<急騰性=4 中期的上値余地=3>
<攻略地帯4‐IoT支える プリント基板はこの2銘柄>
AI、ブロックチェーン、サイバーセキュリティーはいずれも株式市場では切り離すことのできない重要テーマだが、もうひとつハード面から成長分野として挙げられるのがIoT基盤を支えるデバイスだ。IoT社会ではセンサー関連が爆発的需要を享受するとの見方があるが、それだけではない。単純すぎて見落とされがちだが、IoTデバイス需要が増勢を強めるなか、その前段階で需要が強く喚起されるのは、さらにその底辺を支えるプリント基板にほかならない。今後IoT機器が日常に溢れるなか、縁の下を支える プリント基板の市場規模も膨れ上がっていくことになる。
【キョウデン】
キョウデン <6881> [東証2]は プリント基板で高い実績を持つが、とりわけ電子機器の受託製造をワンストップで対応できるのが強みだ。また、世界中のどのエリアにもプリント基板の供給が可能というグローバル体制を確立していることも評価できる。車載や産業機器向けで旺盛な需要を確保して収益に反映させており、スマートフォン需要は足もと減速が指摘されるものの、ビッグデータ普及加速を背景としたデータセンター増設需要が強力な追い風となっている。株価は直近、5月21日の585円を上抜き約12年ぶりの高値圏に突入、ここから上げ足に弾みがつく可能性も意識される。<急騰性=3 中期的上値余地=4>
【京写】
京写 <6837> [JQ]はプリント配線基板メーカーのなかでも、片面板の生産量では世界トップの実力を持っており、自動車向けで高シェアを有する。自動車業界はIoT時代の到来と歩調を合わせるようにコネクテッドカーの開発競争が先鋭化している。また、電気自動車(EV)が世界的に普及局面を迎えるなか、自動車は今後一段とエレクトロニクスの塊と化していく。つれて同社の収益機会も大きく膨らむことが予想される。原料の銅価格上昇が懸念要因だったが、旺盛な需要を背景に価格転嫁が進んでおり、19年3月期は営業利益段階で前期比3割増益見込みにある。急騰習性に魅力があるほか、年間8円配当継続、PER14倍に割高感はない。<急騰性=4 中期的上値余地=3>
◇急騰株ハンティング4大攻略地帯「特選10銘柄」◇
銘柄 <コード> 急騰性 中期的上値余地
システナ <2317> ☆☆☆ ◆◆◆◆
ネオス <3627> ☆☆☆☆ ◆◆◆
システムズD <3766> ☆☆☆☆☆ ◆◆◆
ODK <3839> ☆☆☆☆ ◆◆◆◆
モバファク <3912> ☆☆☆ ◆◆◆◆
フォーカス <4662> ☆☆☆☆ ◆◆◆
アイティフォー <4743> ☆☆☆☆☆ ◆◆◆
京写 <6837> ☆☆☆☆ ◆◆◆
キョウデン <6881> ☆☆☆ ◆◆◆◆
アクモス <6888> ☆☆☆ ◆◆◆◆
※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい。
株探ニュース