高成長持続の19年3月期【連続増収増益】リスト〔第2弾〕37社選出 ＜成長株特集＞

株探では3月期決算企業の決算発表が出そろってから、これまで19年3月期に最高益を見込む企業にスポットライトを当てて＜成長株特集＞を配信してきました。今回は最高益リストからは外れたものの、19年3月期に連続で増収増益の見通しを示している高成長銘柄をリストアップしてみた(6月13日現在)。

本特集では、時価総額800億円以上の銘柄を対象とした「高成長持続の19年3月期【連続増収増益】リスト〔第1弾〕」に続き、時価総額200億円以上800億円未満の企業(最高益銘柄を除く)を対象に、19年3月期に連続で増収増益を見込み、かつ今期経常利益が10％以上増加する計画を立てている37社を選び出し、経常増益率が大きい順に並べた。

増益率トップとなったＦＲＯＮＴＥＯ <2158> [東証Ｍ]は国際訴訟などに必要な電子データの証拠保全と調査・分析を行うeディスカバリ(電子証拠開示)支援を手掛けるリーガルテック事業を主力とする。また、人工知能エンジン「KIBIT」を活用した業務支援サービスに注力しており、株探の人気テーマランキングで常に上位に入る人工知能(AI)関連の筆頭格として注目を集める存在だ。業績面も好調で19年3月期の経常利益は前期比16倍の6億円に急拡大を見込む。金融機関向けを中心に「KIBIT」を活用した業務支援案件の増加が続き、AIソリューション事業が黒字転換するほか、前期に実施した営業体制の整備や米子会社の構造改革効果でリーガルテック事業の収益も伸びる。株価は好決算とAI関連のテーマ性を背景に上昇トレンドをキープしている。

2位の乾汽船 <9308> は海運市況の回復を追い風に外航海運事業の業績が急改善し、19年3月期経常利益は前期比2.5倍の18.9億円に膨らむ。また、倉庫の立ち退き移転に伴う補償金などを計上することで、最終利益は29.1億円に拡大する見通しである。業績拡大を踏まえ、今期の年間配当は前期比22円増の46円に大幅増額する方針だ。配当利回りは4.13％(15日現在)と東証1部高利回りランキングでトップ10に入るなど指標面での投資魅力も高い。

4位は直動案内機器とニードル軸受けを主力とする日本トムソン <6480> 。19年3月期は半導体製造装置関連や工作機械を中心とする旺盛な設備投資需要が継続するうえ、原価低減効果も加わり、2期連続の2ケタ増収増益を計画する。また、6位に入ったステンレス大手の日本冶金工業 <5480> は自動車関連や公共工事向けのステンレス需要が増加するほか、前期に発生した熱延工場火災事故の影響がなくなり、今期経常利益は68億円と倍増する見通しだ。主原料のニッケルなどの価格上昇は続くものの、値上げで吸収し採算を確保する。

続く7位のスクロール <8005> は生活協同組合会員向けに衣料品や雑貨のカタログ通販を手掛けるほか、化粧品などのインターネット販売や通販事業者向けのソリューション事業も展開している。前期はカタログ掲載商品数とページ数の見直しや配布の効率化が奏功し、通販事業の収益力が大きく改善した。19年3月期はM&A効果などで2ケタ増収を見込むうえ、販売促進投資やコスト管理を徹底し、経常利益は前期比71.5％増の25億円に拡大を目指す。2000年3月期に記録した最高益26.6億円を射程圏内に捉えており、19年ぶりの最高益“大復活”にも期待がかかる。

選出リストでは、自動車電装化の進展や省力化需要の高まりを追い風に業績を伸ばす電気機器とその周辺企業の健闘が目立つ。10位の日本ケミコン <6997> は主力のアルミ電解コンデンサーの好調継続で、19年3月期経常利益は前期比58.5％増の70億円を見込む。12位のメイコー <6787> [ＪＱ]は車載用プリント配線板に加え、AIやIoT関連基板の受注が増加する見通しだ。同じくプリント配線板を主力とする21位のキョウデン <6881> [東証２]は19年3月期に6期連続の増収増益を計画する。株価は約12年ぶりの高値圏を快走する展開が続くが、指標面では予想PER11.1倍と割安感があり、一段の上昇が期待できそうだ。また、15位の有沢製作所 <5208> は主力のプリント配線板用材料の販売が絶好調である。

このほか、ユニデンホールディングス <6815> 、サンデンホールディングス <6444> 、岡本工作機械製作所 <6125> [東証２]、伯東 <7433> 、今仙電機製作所 <7266> などは予想PER10倍前後と割安感が強く、上値余地が大きい銘柄として注目したい。

　　　　┌ 経常利益 ┐　　 ┌ 売上高 ┐　　増収増益　予想

コード 銘柄名　　　　増益率 19年3月期　増収率 19年3月期　連続期数　 PER

<2158> フロンテオ　　　1522　　　 600　　11.9　　 13800　　　　2　　156

<9308> 乾汽船　　　　　 150　　　1890　　 7.4　　 22106　　　　2　　9.5

<6820> アイコム　　　　 142　　　2120　　14.7　　 28540　　　　2　 24.6

<6480> トムソン　　　　 125　　　5400　　10.5　　 61000　　　　2　 17.4

<6815> ユニデンＨＤ　　 104　　　4010　 　100　　 30330　　　　3　　7.6

<5480> 冶金工　　　　　 101　　　6800　　19.2　　142000　　　　2　　9.5

<8005> スクロール　　　71.5　　　2500　　12.5　　 70000　　　　2　 12.2

<8163> ＳＲＳＨＤ　　　68.9　　　1000　　 4.2　　 46000　　　　3　　169

<6444> サンデンＨＤ　　58.7　　　7000　　 2.6　　295000　　　　2　 10.7

<6997> 日ケミコン　　　58.5　　　7000　　 5.0　　140000　　　　2　 12.6

<9980> マルコ　　　　　55.6　　　1200　　29.4　　 19300　　　　2　 37.8

<6787> メイコー　　　　41.8　　　6800　　 8.7　　118000　　　　3　 10.7

<1518> 三井松島　　　　38.1　　　2900　　10.1　　 73000　　　　2　 12.3

<6125> 岡本工　　　　　37.7　　　2350　　11.0　　 32000　　　　2　 10.3

<5208> 有沢製　　　　　34.8　　　5450　　16.6　　 47700　　　　2　 12.2

<6409> キトー　　　　　34.5　　　5100　　 5.1　　 58000　　　　2　 14.1

<7721> 東京計器　　　　29.1　　　1950　　 9.1　　 47800　　　　2　 14.8

<7231> トピー　　　　　25.7　　 10100　　22.8　　283000　　　　2　 11.1

<7433> 伯東　　　　　　25.7　　　4700　　 7.6　　148000　　　　2　 10.5

<6947> 図研　　　　　　23.0　　　2600　　 8.1　　 25500　　　　3　 23.7

<6881> キョウデン　　　22.7　　　3900　　 0.2　　 56700　　　　6　 11.1

<6800> ヨコオ　　　　　20.2　　　3500　　 5.0　　 54500　　　　3　 17.6

<2780> コメ兵　　　　　18.0　　　1900　　 9.9　　 50000　　　　2　 18.5

<3891> 高度紙　　　　　16.0　　　1810　　 0.4　　 17200　　　　3　 23.0

<2151> タケエイ　　　　15.6　　　2650　　 7.8　　 33500　　　　2　 18.9

<5288> アジアパイル　　15.1　　　3450　　 5.1　　 82000　　　　3　 11.4

<3315> 日本コークス　　14.7　　　3700　　12.6　　124000　　　　2　 20.5

<7266> 今仙電機　　　　14.7　　　3900　　 0.6　　118000　　　　2　　9.7

<7952> 河合楽　　　　　14.1　　　3500　　 2.4　　 72500　　　　2　 22.4

<4331> Ｔ＆Ｇニーズ　　12.5　　　2800　　 2.2　　 66000　　　　3　 20.5

<7949> 小松ウオール　　12.1　　　2650　　 7.8　　 34200　　　　2　 11.0

<1952> 新日空調　　　　12.0　　　5200　　 2.9　　115000　　　　4　 11.3

<6073> アサンテ　　　　11.6　　　2405　　 4.2　　 14581　　　　2　 16.8

<8160> 木曽路　　　　　10.6　　　2520　　 2.4　　 45500　　　　4　 51.6

<2359> コア　　　　　　10.4　　　1500　　 6.7　　 22000　　　　4　 19.6

<4298> プロト　　　　　10.4　　　4125　　 0.4　　 62370　　　　2　 11.2

<5384> フジミインコ　　10.0　　　5200　　 2.0　　 36500　　　　3　 16.7

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前期と比べた増加率、単位は％。

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