「半導体」関連に強弱感対立、貿易摩擦の影響懸念も米国は底入れの兆し<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「半導体」が13位にランキングされている。
株式市場では半導体関連セクターへの強弱感が対立している。メモリーをはじめ足もとの半導体需要は旺盛で、関連企業の好調な収益にも色濃く反映されているが、下期以降の見通しについては慎重な見解が優勢となっており、これが株価面で冴えを欠く背景となっている。
米国株市場では、トランプ米大統領の保護主義色を前面に押し出した通商政策とそれに付随した貿易摩擦問題が、半導体関連銘柄の株価に陰を落としている。トランプ大統領は中間選挙を前に支持獲得の狙いがあるとはいえ、中国に対し全輸入品に制裁関税をかけることも辞さずの構えをみせており、これが中国から部材を輸入する大手半導体企業を中心にマイナス材料として働いている。インテルや、アプライドマテリアルズなどの下げがきついが、これは米国企業に限ったことではなく、韓国SKハイニックスをはじめ、香港、台湾などの半導体大手の株価も同様に調整を余儀なくされている銘柄が目立つ。
ただし、半導体関連の軟調相場には、その背景に大規模な売り仕掛け(空売り筋)も存在している。直近米国では、証券会社のポジティブなリポートを契機にアドバンスト・マイクロ・デバイスやクアルコムなどの株価が上昇に転じ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も前日は4営業日ぶりに反発に転じた。半導体の受注見通しについて一時的な停滞はあっても、中長期的にはデータセンターの増設や自動運転分野など成長市場が控えていることで、半導体需要の拡大傾向は続くとの見方も根強い。こうした事情を背景に、関連銘柄については、空売りによる潜在的な買い戻し圧力も念頭に置いておく必要がある。
東京市場では半導体製造装置のトップメーカー東京エレクトロン<8035>が前日まで4営業日続落で、特に前週末7日には個別に悪材料が出たわけではないにも関わらず1000円を超える下げ幅をみせた。また、シリコンウエハー首位の信越化学工業<4063>は前日まで実に9営業日続落となり、この間に時価総額を1割減らした。このほか、製造装置ではSCREENホールディングス<7735>やアドバンテスト<6857>、半導体材料ではSUMCO<3436>などが大きく水準を切り下げている。しかし、きょうはいずれも値ごろ感からの押し目買いや、空売りで利幅を狙った向きのショートカバーが入り、軒並みリバウンドに動いている。
“トランプ通商政策”がもたらす政治リスクはあっても、構造的な需要拡大トレンドに変化がないという見方が再び強まれば、世界的な半導体関連株への見直し機運台頭にもつながる可能性がある。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)
最終更新日:2018年09月11日 12時56分