前場に注目すべき3つのポイント~米中合意至らずも交渉決裂の事態は回避

市況
2019年5月13日 8時34分

13日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:米中合意至らずも交渉決裂の事態は回避

■前場の注目材料:NTT、今期営業減益見通し、コンセンサス下回るも想定内か

■ファナック、“ナノ”新工場、光学金型向け機械、2.5倍、年60台

■米中合意至らずも交渉決裂の事態は回避

13日の日本株市場は、先週の下落に対する自律反発が意識されそうだ。10日の米国市場ではNYダウが114ドル高となった。トランプ政権が対中関税の引き上げを発動したほか、世界の金融市場が注目していた閣僚級通商協議では合意に至らなかったが、今後も協議が続くとの見方から買い戻す流れとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比180円高の21490円。円相場は1ドル109円70銭台で推移している。

トランプ米大統領は、話し合いは今後も続くとツイッターに投稿するなど、合意には至らなかったが、交渉決裂の事態も回避された格好であろう。次回協議の予定は今のところないというが、先週の大幅な下げに対する自律反発は意識されやすいところである。今後は協議継続の姿勢の動きがみられてくることで、次第に落ち着きをみせてくることが期待される。

また、今週半ばで決算発表が一巡する。先週末がピークとなり、コンセンサスを下回る決算が目立っているが、相当織り込まれているとも考えられる。決算反応で底堅さがみられてくるようだと、仕切り直しのムードにもなりやすい。とはいえ、基本的には引き続き米中貿易摩擦の行方を睨みながらの不安定な相場展開が続くことになりそうであり、決算を受けた積極的な見直しの流れは期待しづらいところではある。

なお、日経平均は先週までの調整で75日線のほか、一目均衡表の雲上限レベルまで下げてきている。テクニカル的にはいったんは支持線として意識されやすい水準までの調整をみせていることから、押し目拾いの動きも出やすいところではある。しかし、調整トレンドが継続している状況には変わらないため、一目均衡表の雲下限レベルまでの調整も警戒しておく必要はあるだろう。

インデックス買いから買い先行が意識されるが、その後は次第にこう着感が強まり、その後は決算や自社株買い等の個別材料を手掛かりとした物色に向かいやすい。その他、今週の決算ではメガバンクなど銀行の決算のほか、そーせい等バイオ株の決算が予定されている。外部環境を警戒した短期的な値幅取り狙いの売買としては、バイオ株に資金が向かいやすいと考えられる。

■NTT、今期営業減益見通し、コンセンサス下回るも想定内か

NTT<9432>の2020年3月期計画は、売上高が前期比0.4%減の11兆8300億円、営業利益が同8.5%減の1兆5500億円を見込んでいる。コンセンサス(1兆6280億円程度)を下回るが、競争激化の中で想定内といったところであろう。

■前場の注目材料

・NYダウは上昇(25942.37、+114.01)

・ナスダック総合指数は上昇(7916.94、+6.35)

・シカゴ日経225先物は上昇(21490、大阪比+180)

・1ドル109円80-90銭

・SOX指数は上昇(1478.87、+2.07)

・VIX指数は低下(16.04、-3.06)

・米長期金利は低下

・米中貿易摩擦沈静化への期待

・日銀のETF購入

・追加金融緩和への期待

・消費増税の延期観測

・ファナック<6954>“ナノ”新工場、光学金型向け機械、2.5倍、年60台

・NTT<9432>スマートエネで新会社、AIなど活用、事業基盤強化

・三井E&S<7003>火力発電土木から撤退、再生計画

・日立<6501>成長投資に2.5兆円、新中計、IoT基盤へ重点配分

・竜巻、AIで進路予測 気象庁・JR東<9020>、開発乗り出す

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・特になし

<海外>

・特になし

《SF》

提供:フィスコ

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