ログイン
2019年9月11日 10時30分
特集

日本初の遺伝子治療薬は世界に羽ばたくのか、アンジェス山田社長に聞く

株探プレミアム・リポート

真弓重孝 = みんかぶ編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などをへて、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

日本初の遺伝子治療薬は世界にいつ羽ばたくのか。バイオ創薬企業のアンジェス <4563> が開発した日本初の遺伝子治療薬「コラテジェン」が9月に薬価収載され、販売を開始した(販売元は田辺三菱製薬 <4508> )。

創業から20年をかけて悲願の発売に至ったものの、足元のアンジェス株は冴えない。8月末に直前高値の965円から560円に半値近くに下落し、その後もみ合いながら、株価が乱高下する状況に。8月末に明かされた同薬の薬価が約60万円と、投資家の期待に届かなかったことが要因と見られている。

株価には落胆の声が色濃く反映されている中で、エース経済研究所の池野智彦シニアアナリストは「コラテジェンはそもそも国内販売だけでアンジェスの業績を黒字転換する力はないことは想定されていたこと。むしろ国内販売の開始で、米国での治験開始、そして製造承認の獲得に一歩近づいた点では、前向きに捉えられる」という。

日本初の遺伝子治療薬は国内から米国、そして世界各国へと広がりをみせるのか。アンジェスの山田英社長に聞いた。

■アンジェスが開発した日本初の遺伝子治療薬「コラテジェン」

コラテジェン

――足の血管が詰まり重症な症状を持つ患者に投与する「コラテジェン」が9月4日から販売(薬価収載)されました。開発途上では2008年3月に一度、承認申請しましたが10年9月に取り下げ後、再チャレンジしての販売。これまでを振り返ると、感慨もひとしおというところでしょうか

山田英社長(以下:山田): もちろんうれしいのですが、今回の承認は仮承認(条件付き早期承認制度による承認)の段階です。これからさらにデータを積み上げて、本承認を取得する努力をしていかなくてはなりません。

山田英社長

――仮承認後の投与と、治験段階での投与とで、何か違いはあるのでしょうか。

山田 特段の違いはありません。

60万円の薬価、ピーク時売上高12億円、投与患者数992人の想定

――今年8月28日の中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で了承された保険償還価格は、「60万360円」(4mg1.6mL 1瓶あたり)となりました。想定より低く抑えられたという評価が多いようですが。

山田 その点について我々から申し上げられるのは、今回の価格は当局と合意したものであり、我々は決まった条件で粛々とやるべきことをやる、ということに尽きます。

薬価に関して付け加えるとすれば、今回の承認では1人の患者さんに投与するのは通常2回、場合によっては3回まで認められていることです。つまりは患者さん1人に対して薬価の2倍ないしは3倍の販売額になることです。

■中医協総会で示されたコラテジェンの保険償還価格の資料

タイトル

――今年5月14日に販売開始の延期をアナウンスされました。これは当初、決まっていた薬価の見直し交渉をするためだと解説する向きもありますが。

山田 そうした見方が医療関係者や市場関係者の間にあるようですが、我々からコメントすべきことは特にありません。

――ピーク時の患者数が992人というのも、従前の想定よりかなり少なくなったという印象があります。中医協の資料では、使用目的として、「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」とあります。つまり、当初の想定より投与する患者が絞られたことがその要因でしょうか。

山田 繰り返しですが、これも当局と合意した数字ですので、我々はそれに則って、進めていくことにつきます。適用する症状については、我々は当初、HGF遺伝子治療薬(コラテジェン)の投与で、「潰瘍」の改善と「疼痛」の改善という2つで承認を目指しました。

質問にありますように今回の承認では「潰瘍」の改善のみとなりました。我々は引き続き疼痛の改善での承認を目指して、開発を進めていきます。仮にそれが実現すれば、今回決まったのは異なる条件や予測が加わることもあり得えます。

――対象となる国内患者は年間に5000~1万5000人はいるのでいかという見方もありましたが。

山田 これについても、我々から申し上げられることは特にありません。

■アンジェスの日足チャート

アンジェスの日足チャート

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 米国の治験開始は

<    >

こちらはプレミアム会員専用記事です
この先をご覧になるには株探プレミアムへのお申し込みが必要です。
※プレミアム会員の方はログインしてください

関連記事・情報

  1. 「運営会社が破産、『かぼちゃの馬車』の投資家たちは今」 <株探プレミアム.. (09/05)
  2. 「【四季報】からの「お宝株」探しはどこに注目?」 <株探プレミアム・リポ.. (06/17)
  3. 「大化け株を【四季報】で探す5ブロック活用術」 <株探プレミアム・リポート> (06/18)
  4. 「10倍株の利益をガッチリ取るための心構えと、取引テク」 <株探プレミアム.. (06/21)
  5. 株探プレミアム・リポート <全シリーズ一覧>
  6. すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 とりでみなみさんの場合<第1回> (08/30)
  7. すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 <全シリーズ一覧>
  8. かつて注目の「ROE8%超え」を、投資戦略に活用する (09/11)
  9. 景気後退の懸念局面で、あえて“禁断”の設備投資銘柄に注目 (08/28)
  10. 大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 <全シリーズ一覧>

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    金融地殻変動で大相場突入!システム投資関連「超買い場の5銘柄」 <株探トップ特集> 特集
  2. 2
    【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 日経平均9連騰、米中の対立緩和が市場好転を呼ぶ! 市況
  3. 3
    【杉村富生の短期相場観測】 ─ 9月13日、18日が相場の転換日になる? 市況
  4. 4
    10万円以下で買える、3期連続増益&低PER「お宝候補」23社 【2部・新興】編 <割安株特集> 特集
  5. 5
    【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (9月13日現在) 特集
人気ニュースベスト30を見る
ゲストさん プレミアム会員登録
ログイン PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘することを目的としておりません。
投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、 China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.