明日の株式相場戦略=EV、5G、半導体関連で強い株につく

市況
2019年10月17日 17時53分

きょう(17日)の日経平均株価は5日ぶりに反落となったが、下げ幅はわずかに21円。2万2000円台を脅かすようなムードはない。TOPIXは若干下落率が大きくなっているが、それでも7ポイント余りの下げにとどまった。売買代金は2兆円を割り込み、東証1部で1400を超える銘柄が下落したことを考慮すれば買い手控えムードの強さが窺い知れるが、それでも下値抵抗力を発揮したのは、三空踏み上げ相場の余熱というべきか。

10月下旬になると、米国の後を追う形で国内でも企業の決算発表が本格化してくる。基本は決算発表に直接絡む銘柄についてはホールドしないというのがセオリー。発表を受けて株価が上に振れるか下に振れるかは、運否天賦に委ねられるとはいえ一種のノイズであり、それに振り回されるのはあまり賢明とは言えない。開示された数字はもとより、その前段階での市場コンセンサスと当該銘柄の株価位置が重要な要素を占める。好決算で株価急落という憂き目を見ることも少なくない。

また、主力株全般への投資は全体指数の上値が今後は重くなると考えるのであれば見送るところ。ここ最近は東京エレクトロン<8035>などの半導体関連株に続いて村田製作所<6981>をはじめとする電子部品株が強い動きをみせているが、やや斜に構えていた方が良い場面といえる。電気自動車(EV)5G 、半導体周辺銘柄などは引き続き物色テーマとして魅力があるが、投資対象は吟味して臨みたい。

個別では、EVや5G基地局向けで新たな需要創出が見込まれるパワー半導体に関連する銘柄として液体研磨材を手掛けるMipox<5381>が強い動きで注目したい。前週10日に上ヒゲで398円の高値をつけ年初来高値401円にあと一歩と迫ったが、いったん踵(きびす)を返す形で調整を入れた。しかし、おそらくここは通過点に過ぎず、早晩400円台での活躍へ歩を進める可能性がある。

また、NEC系半導体商社の佐鳥電機<7420>も底値圏から立ち上がってきた。19年5月期の営業65%増益に続き、20年5月期も90%増益を見込む。第1四半期が大幅減益だったことで計画未達もありそうだが、株価的には下方修正リスクを織り込んだ後の出直り局面にみえる。予想配当利回りが4.5%と非常に高いにも関わらず、PBRは0.5倍未満。1株純資産は1800円台であり、あまりにも安値圏に放置されている印象が強い。

スマートフォン向けモジュールや抵抗器を手掛ける北陸電気工業<6989>も半導体周辺株としてマークしておきたい。世界初の微小電気機械素子(MEMS)の量産に成功するなどその技術力は高く評価される。今後、次世代通信規格5Gの国内整備が加速することが見込まれるが、5G対応の次世代技術などを調査する事業開発戦略部を新設するなど積極姿勢をみせている。

このほか、敢えて逆張り対象として、ロゼッタ<6182>はどうか。15日取引終了後に発表した19年3~8月期業績はトップラインが前年同期比50%増収で営業利益は3.7倍化した。ところが、株価はこれを評価するどころか真逆に動き、16日にストップ安に売り込まれた。「第2四半期の利益が伸び悩んだことを嫌気した」という解釈はあったが、それにしても合理性を欠いた下げで、市場では「(この日に合わせた)貸株調達による外資経由の売り仕掛けが炸裂した」(国内証券ストラテジスト)という声もある。つまり、決算数字は関係なく、あくまで決算発表というイベントに合わせた仕掛けで、積み上がった信用の投げを誘発し下値で買い戻すという手法。仮にこの推測が該当する部分があれば、株価の戻りに乗るという戦略も選択肢として有力となる。

日程面では、あすは取引開始前に9月の消費者物価指数(CPI)が発表される。また、内閣府から10月の月例報告も開示。IPOも予定され、ワシントンホテル<4691>が東証2部・名証2部に上場、浜木綿<7682>がジャスダック・名証2部に上場する。海外では、7~9月の中国GDP、9月の中国工業生産・中国小売売上高・中国固定資産投資、9月の米景気先行指標総合指数などが発表される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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