後場に注目すべき3つのポイント~半導体株高に今後の銘柄選別窺えるか

市況
2019年10月18日 12時42分

18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反発、半導体株高に今後の銘柄選別窺えるか

・ドル・円は上げ渋り、ブレグジット期待は後退も

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はファナック<6954>

■日経平均は反発、半導体株高に今後の銘柄選別窺えるか

日経平均は反発。125.10円高の22576.96円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。

17日の米株式市場でNYダウは反発し、23ドル高となった。機械のハネウェル・インターナショナルや金融大手モルガン・スタンレーの決算が市場予想を上回った。英国の欧州連合(EU)離脱を巡り両者が合意したことも好感されたが、英議会で反発の声が相次ぎ、承認が得られるか不透明との見方から伸び悩んだ。本日の日経平均は米企業決算を受け、業績改善期待から76円高でスタート。朝方は22600円手前でもみ合う場面が続いたが、取引時間中に発表された中国の7-9月期国内総生産(GDP)が市場予想をやや下回る伸びとなり、中国政府による景気刺激策への思惑から22649.85円(197.99円高)まで急伸する場面があった。東証1部の値上がり銘柄は全体の6割ほど、対して値下がり銘柄は3割強となっている。

個別では、ファーストリテ<9983>、村田製<6981>、キーエンス<6861>などが堅調。SUMCO<3436>が4%超、SCREEN<7735>が8%近い上昇となるなど半導体関連株の一角が大きく買われた。半導体受託生産(ファウンドリー)の台湾積体電路製造(TSMC)の決算が市場予想を上回り、今期の設備投資額も大幅に上方修正し、関連銘柄に買いが波及したようだ。太陽誘電<6976>などの電子部品株やファナック<6954>などの設備投資関連株の一角でも上げが目立つ。また、リブセンス<6054>の成功報酬型賃貸情報サイト事業を買収すると発表したキャリアインデ<6538>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>、東エレク<8035>、ソニー<6758>などがさえない。資生堂<4911>は2%超の下落。また、RPA<6572>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、ガラス・土石製品、鉄鋼、繊維製品などが上昇率上位。反面、食料品、情報・通信業、ゴム製品などが下落率上位だった。

前日のNYダウは20ドルあまりの上昇にとどまったが、本日の日経平均は朝方から上げ幅を3ケタに広げ、比較的強い印象だった。中国GDPが発表された直後には急伸する場面があり、今週16日に付けた取引時間中の年初来高値を再び更新した。一昨日にも指摘したが、米中貿易協議での部分合意などを背景に市場が楽観ムードに傾いている。来週からの日本企業の決算発表を前に業績底入れ期待も広がり、株価は強含みとなるだろう。先行して発表されている海外企業の決算が刺激材料となるが、本日は台湾TSMCの決算を受けて特に半導体関連株の一角で上げが目立つ。

ただ、SUMCOやSCREENが大幅高となる一方、ここまで一本調子の上昇が続いていた東エレクが利益確定売りに押されるなど、関連銘柄が総じて買われているわけではない。海外企業の決算で実際の業界環境が見えてきており、ファウンドリー向けや高性能なロジック半導体向けが比較的好調だが、メモリ向けではなお先行き不透明感があるとの見方が多い。業績底入れ期待からここまで値上がりしてきた外需株でも、今後銘柄選別の動きが出てきそうだ。

■ドル・円は上げ渋り、ブレグジット期待は後退も

18日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。日本株高を背景に円売りが先行したが、ブレグジットへの期待感が弱まりつつある。

ドル・円は、日経平均株価の前日比100円を超える上昇が好感され、円売り先行で108円70銭まで値を上げる場面もあった。ただ、中国の国内総生産(GDP)の予想下振れを受け、円売りが抑制されドルは失速。

ランチタイムの日経平均先物は小幅高となり、日本株高の上げ幅縮小の見方が円売りを抑えている。目先のブレグジット修正案の英国議会採決を控え、否決への警戒感が広がり始めドルを押し下げる可能性があろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円55銭から108円70銭、ユーロ・円は120円76銭から120円99銭、ユーロ・ドルは1.1121ドルから1.1129ドルで推移した。

■後場のチェック銘柄

・アイスタディ<2345>、石井食品<2894>など、6銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はファナック<6954>

■経済指標・要人発言

【要人発言】

・ウィリアムズ米NY連銀総裁

「最近の利下げは貿易の不確実性や世界的な減速、低インフレへの適切な対応が目的」

「インフレ率は少しずつ上向いているが、上昇を示す明確な兆しはみられない」

「米国経済は極めて良好、政策は会合ごとに設定」

「短期資金の調節措置だけでは低水準の準備預金問題を解決できない」

【経済指標】

・日・9月全国消費者物価指数(生鮮品除く) :前年比+0.3%(予想:+0.3%、8月:+0.5%)

・中・9月鉱工業生産:前年比+5.8%(予想:+4.9%、8月:+4.4%)

・中・9月小売売上高:前年比+7.8%(予想:+7.8%、8月:+7.5%)

・中・7-9月期GDP:前年比+6.0%(予想:+6.1%、4-6月期:+6.2%)

<国内>

・15:35 雨宮日銀副総裁あいさつ(全国信組大会)

・月例経済報告日本政府観光局:9月訪日外客数

<海外>

・EU首脳会議(最終日)

・米国が対EU報復関税を発動

《HH》

提供:フィスコ

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