今週の【早わかり株式市況】1年ぶり高値を奪還、海外勢の買い戻しや見直し買い続く

市況

2019年10月26日 6時40分

■今週の相場ポイント

１．日経平均は3週連続で上昇、企業業績の底入れ期待でリスクオンに傾く

２．前週の大幅上昇の反動も予想されたが、売り方の買い戻しで浮揚力働く

３．米株高や為替の円安などを背景に海外ヘッジファンドの先物買いが継続

４．騰落レシオなど指標面から過熱感も意識され、強弱感が対立する場面も

５．週末は終盤に買い優勢へと傾き5日連続で新高値、約1年ぶりの水準に

■週間　市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比307円(1.37％)高の2万2799円と3週連続で上昇した。

今週は3月決算企業の上期決算発表本格化を前にして目先買いポジションを軽くする動き(利益確定売り)が想定されたが、実際、ポジションをたたんだのは売り方のほうで、日経平均には空売り筋の手仕舞い買い戻しに伴う上昇圧力が働いた。海外投資家が前週に現物・先物合算で1兆1422億円と巨額に買い越しており、今週も買い越しが続いているとみられ、海外投資家が相場を牽引している。

21日(月)は日経平均が56円高と連日の年初来高値更新となった。前週の大幅上昇の反動もあり上値の重さが意識されたものの、企業業績に対する底入れ期待が優勢となり、空売りの買い戻しを誘発。この流れは祝日を挟んだ23日(水)も継続。上げ幅こそ76円高にとどまったものの、ミニ踏み上げ相場の様相を呈してきた。そして24日(木)は更に上げ足を強めることになる。前日の米株高や円安を背景にリスクを取る動きが強まり、海外ヘッジファンドによる日経平均先物の買い戻しが加速、裁定買いを通じて全体を押し上げる格好となった。日経平均は125円高と上げ幅も拡大傾向をみせた。もっとも、短期的な過熱感は拭えず、東証1部の騰落レシオは120％を超える状態が続いており、25日(金)は週末ということもあって、朝方は売り買いが交錯する状況に。その後も前日終値近辺で方向感の定まらない動きをみせていたが、後場終盤になって買いの勢いが強まり、日経平均は49円高で着地。米株市場を引き継いで半導体関連株の強さなどが目立った。これで5日連続の年初来高値更新。昨年10月17日以来、約1年ぶりの高値水準で今週の取引を終えている。

■来週のポイント

来週は相場上昇を牽引する海外投資家の買いが続くようなら、日経平均は2万3000円を目指す展開が期待される。

重要イベントとしては、国内では30日－31日に開催される日銀金融政策決定会合や31日発表の9月鉱工業生産のほか、本格化する19年9月中間期の決算発表が注目される。海外では29日－30日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や30日発表の米国7-9月期GDP、31日発表の中国10月製造業PMI、11月1日に発表される米国10月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き（10月21日～10月25日）

【↑】　　10月21日(月)―― 続伸、買い戻し主導で連日の年初来高値

日経平均 22548.90(　 +56.22)　　売買高 8億9168万株　売買代金 1兆5304億円

【↑】　　10月23日(水)―― 3日続伸、後場後半買い優勢で年初来高値更新

日経平均 22625.38(　 +76.48)　　売買高11億8961万株　売買代金 2兆1526億円

【↑】　　10月24日(木)―― 4日続伸、リスクオン継続で新値街道を走る

日経平均 22750.60(　+125.22)　　売買高11億9521万株　売買代金 1兆9309億円

【↑】　　10月25日(金)―― 5日続伸、半導体関連中心にリスク選好で高値圏を走る

日経平均 22799.81(　 +49.21)　　売買高11億0085万株　売買代金 2兆0733億円

■セクター・トレンド

(１)全33業種中、29業種が上昇

(２)住友電 <5802> など非鉄、コマツ <6301> など機械、郵船 <9101> など海運といった景気敏感株が買い継続