今週の【早わかり株式市況】反発、中東リスクの波乱始動も警戒後退で切り返す

市況
2020年1月11日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は大発会波乱のスタートも週間ではプラス、中東リスク背景に右往左往

2.米国とイランの対立激化を背景に一時はリスクオフ一色、先物主導の荒い相場に

3.米軍駐留のイラク基地ミサイル攻撃の報道を受け地合い悪に拍車がかかる場面も

4.トランプ米大統領が演説で軍事的報復を示唆せず、リスクオフ相場の巻き戻しへ

5.週末は買い優勢の地合い継続、米株主要指数の最高値更新を受け市場心理が改善

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比193円(0.82%)高の2万3850円と上昇した。中東の地政学リスクで年初から波乱の展開となったものの、結局プラスで着地した。

今週は週初が2020年の大発会となったが、スタートから波乱含みの展開。米国とイランの軍事衝突の可能性を意識して、全体相場はリスクオフ一色に傾く場面もあったが、その後は地政学リスクに対する警戒感が後退し切り返しに転じた。週を通じて先物に振り回される地合いとなった。

大発会となった6日(月)は日経平均が急落。米国とイランの対立激化による中東リスクが前面に押し出される形でリスク回避の売りに晒され、先物主導で一時500円を超える下げに見舞われた。為替市場で急速に円高が進んだことも嫌気され、大引けはやや下げ渋ったものの450円あまりの下落で新年相場は波乱の幕開けとなった。しかし7日(火)は前日の米国株が朝安後プラス圏に切り返したことで、過度な不安心理が後退。前日とは真逆の展開で先物主導の戻り足となった。8日(水)は再び売り優勢となり、強気と弱気の狭間を日替わりで往来するような不安定な地合いが続いた。この日は朝方取引開始直前に米軍が駐留するイラク基地に対しイランが攻撃を仕掛けたと伝わり、急速に円高に振れる為替相場を横目に幅広い銘柄に売りがかさんだ。日経平均は7日に370円高に切り返したが、この日は370円安と、荒い値動きのなかで2日間の上げ幅と下げ幅が合致するという珍しい現象をみせた。流れに明らかな変化が出たのは9日(木)で、8日に行われたトランプ米大統領の演説が軍事的な報復を示唆しない内容だったことから、先物を絡めた買い戻しが加速、リスクオフ相場の巻き戻し局面に移行した。日経平均は535円高と急反発、昨年大納会の終値をここで初めて上回った。そして10日(金)は前日の米株市場でNYダウをはじめ主要株指数が揃って最高値を更新したことを受け、一段の上値を指向。3連休前の週末ということで上値の重さも意識されたが、日経平均は結局2万3800円台で着地した。

■来週のポイント

今週後半に中東リスクが鎮静化した流れを引き継ぎ、来週は落ち着いた強含みな展開になりそうだ。

重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される11月機械受注統計が注目される。海外では14日発表の中国12月貿易収支や16日発表の米国12月小売売上高のほか、17日に発表される中国の10-12月期GDPと12月鉱工業生産に注視が必要だろう。なお、15日には米中貿易協議における「第1段階」合意の署名式が予定されている。

■日々の動き(1月6日~1月10日)

【↓】   1月 6日(月)―― 大幅続落、中東の地政学リスクを嫌気し売り優勢

日経平均 23204.86( -451.76)  売買高12億1971万株 売買代金 2兆2246億円

【↑】   1月 7日(火)―― 急反発、米株高や円安でリスクオンの買い優勢

日経平均 23575.72( +370.86)  売買高11億5795万株 売買代金 2兆1251億円

【↓】   1月 8日(水)―― 大幅反落、中東の地政学リスクで一時600円超安

日経平均 23204.76( -370.96)  売買高14億5311万株 売買代金 2兆5644億円

【↑】   1月 9日(木)―― 急反発、中東リスクへの懸念後退で全面高

日経平均 23739.87( +535.11)  売買高11億4656万株 売買代金 2兆1476億円

【↑】   1月10日(金)―― 続伸、米株高を背景にリスク選好の買い継続

日経平均 23850.57( +110.70)  売買高10億9160万株 売買代金 2兆1678億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、 18業種が上昇

(2)SBI <8473> など証券・商品が業種別上昇率トップ

(3)輸出株はソニー <6758> など電機、オリンパス <7733> など精密機器株が買われたものの

トヨタ <7203> など自動車はさえない

(4)リクルート <6098> などサービス、SBG <9984> など情報・通信といった内需株は総じて堅調

(5)第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行株は軟調

(6)東電HD <9501> など電力・ガスは売られた

(7)郵船 <9101> など海運や住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株の一角は安い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 5G ──── 変身株の宝庫“5G”が創り出す次なる世界 

2(24) 防衛 ─── イラン情勢緊迫で物色機運高まる 

3(6) 人工知能

4(2) 半導体

5(56) MaaS ─── モビリティー最前線を走る銘柄を追え 

※カッコは前々週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.