今週の【早わかり株式市況】5週ぶりに反発、連休中波乱なく買い戻し急
■今週の相場ポイント
1.日経平均は5週ぶりに上昇、大型連休明けで2営業日ながら上値指向に
2.GW中の欧米株は高安まちまちの展開だが波乱はなく、買い安心感浮上
3.連休明け初日の6日(木)は先物売りヘッジの解消で500円超の急伸
4.週末7日は欧米株高受け続伸も上値重く、上げ幅は20円強にとどまる
5.米雇用統計発表前で緊急事態宣言延長なども警戒され買い手控え要因に
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比545円(1.89%)高の2万9357円と、5週ぶりに上昇した。
今週はゴールデンウイークの5連休でわずか2営業日にとどまったが、連休明け初日に全体相場はリスクオンに傾き、日経平均が急伸した。4月相場は軟調な地合いが続いていたが、名実ともに5月相場入りとなった6日は満を持して投資資金が勢いよく流入した。
5連休明けとなった6日(木)は景気敏感セクターを中心に買われ日経平均は500円を超える上昇をみせた。連休期間中の海外株の動向は波乱なく通過したほか、景気回復期待を背景に5日の米国株市場でNYダウが最高値を更新したことが市場心理を強気に傾けた。連休前に機関投資家が日経平均先物にヘッジ目的で売りポジションを高めていたため、その解消(買い戻し)が全体指数の上げ足を助長する格好に。ただ、米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合指数が4日続落と下落基調を強めていたこともあり、半導体関連などハイテク株の一角は上値の重い展開で日経平均の上げ幅ほどは強い地合いではなかった。値上がり銘柄数も東証1部全体の74%にとどまった。7日(金)は前日の欧米株市場が総じて高く、米国株市場ではNYダウが連日の最高値更新、ナスダック総合指数も5日ぶりに反発に転じたことで買い安心感が広がった。ただ、前日に急伸していたこともあり日経平均の上げ幅は20円強とわずかだった。もっとも、値上がり銘柄数は全体の74%で前日とほぼ同じだった。新型コロナウイルス感染拡大を背景に緊急事態宣言の延長及び対象地域の拡大が正式決定される見込みとなったことは、買い手控え要因となった。また、4月の米雇用統計発表を見極めたいとの思惑も見送りムードにつながった。
■来週のポイント
ピークを迎える決算発表を見極めたいと様子見姿勢となる中、緊急事態宣言の地域拡大・延長が重荷となり、来週は上値の重い展開が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では12日発表の3月景気動向指数や13日朝に発表される3月国際収支が注目される。14日にはオプションSQを迎える。海外では11日に発表される中国4月の消費者物価指数と生産者物価指数や12日発表の米国4月消費者物価指数、14日に発表される米国4月の小売売上高と鉱工業生産に注視が必要だろう。
■日々の動き(5月6日~5月7日)
【↑】 5月 6日(木)―― 大幅反発、景気敏感株を中心にリスク選好の買い優勢
日経平均 29331.37( +518.74) 売買高15億2611万株 売買代金 3兆3807億円
【↑】 5月 7日(金)―― 小幅続伸、朝安も景気敏感株の一角が堅調
日経平均 29357.82( +26.45) 売買高11億7404万株 売買代金 2兆5446億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、31業種が上昇
(2)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、郵船 <9101> など海運、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が値上がり率上位を独占
(3)原油高でINPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油株が大幅続伸
(4)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、オリックス <8591> などその他金融など金融株も高い
(5)JT <2914> など食品、三井不 <8801> など不動産、鹿島 <1812> など建設といった内需株は総じて堅調
(6)輸出株はトヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、HOYA <7741> など精密機器は上昇も
ソニーG <6758> など電気機器は軟調
(7)任天堂 <7974> の下げが響き、その他製品が値下がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(11) デジタルトランスフォーメーション ─ <GW特集>主力3テーマの必勝妙味株を狙え!(1)
2(3) 半導体製造装置 ── <GW特集>主力3テーマの必勝妙味株を狙え!(3)
3(2) 半導体
4(1) パワー半導体
5(13) 脱炭素 ────── <GW特集>主力3テーマの必勝妙味株を狙え!(2)
※カッコは前週の順位
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