利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 38社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。東証1部銘柄を対象とする前回までのリストに続き、今回は時価総額50億円以上の東証2部と新興市場(マザーズ、ジャスダック)銘柄を対象に、21年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している38社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったITbookホールディングス <1447> [東証M]の21年1-3月期(第4四半期)業績は、経常利益が8億円と過去最高だった前年同期を2.8倍も上回って着地。コンサルティング事業で企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するレガシー分析サービスの受注が増加したほか、経費削減を進めたことも利益拡大につながった。
4位にリスト入りしたHPCシステムズ <6597> [東証M]の1-3月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。科学技術計算に対応した高性能コンピュータを提供するHPC事業で大学など公的研究機関の大口案件を複数獲得したことに加え、WEBを活用した効率的な営業活動で経費が減少したことも大幅増益に貢献した。
6位のテクノホライゾン <6629> [JQ]は政府主導のGIGAスクール構想やテレワークの拡大を追い風に、電子黒板や書画カメラの販売好調が継続し、1-3月期(第4四半期)の経常利益は2四半期連続の過去最高益を達成した。併せて発表した22年3月期業績見通しは、経常利益29億円(前期比14.5%増)と3期連続で最高益を更新する見通しを示している。
選出リストには、HPCシステムズやテクノホライゾンをはじめ、好調な業績が評価され株価が新高値を更新した銘柄が目立つ。8位のアライドアーキテクツ <6081> [東証M]はマーケティングDX需要の拡大を追い風に、ソリューション事業で既存顧客によるファン育成とSNS活用を掛け合わせた案件が増加したほか、大型キャンペーンに伴う広告出稿の一時的要因も加わり、1-3月期(第1四半期)は17四半期ぶりに最高益を達成した。
続く9位に入ったBuySell Technologies <7685> の1-3月期(第1四半期)は、緊急事態宣言の影響で出張訪問数は減少したものの、訪問あたり買取量の増加や個人向け直接販売比率の向上、徹底したコスト削減などで採算が大きく改善した。また、オークションを展開するタイムレスの連結化による業績上積みも収益を押し上げた。
10位のリビング保証 <7320> [東証M]は主力とする住宅設備保証サービスの契約件数が順調に伸びたことに加え、BPO事業で利益率の高い大口スポット案件を受注し、1-3月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。業績好調に伴い、21年6月期通期の経常利益予想を大幅上方修正している。
11位のケアネット <2150> [東証M]は新型コロナウイルス感染拡大の長期化で製薬企業におけるMR(医薬情報担当者)の医療機関への訪問自粛が続くなか、医療情報サイト「ケアネット」を通じた医薬営業支援サービスの受注が大幅に増加し、1-3月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比4.6倍の8.6億円に膨らんだ。
15位にリストアップされたのは、温度センサー部品のサーミスタで世界トップシェアを誇る芝浦電子 <6957> [JQ]。1-3月期(第4四半期)はサーミスタ素子の需要が回復したほか、車載用や家電用センサーが伸びた。また、製造効率化や固定費の削減も進み、2四半期連続の最高益更新を遂げた。22年3月期は経常利益40.5億円(前期比28.1%増)と2期連続の最高益を見込む。
36位に入ったプリント基板大手メイコー <6787> [JQ]の1-3月期(第4四半期)は、スマートフォン向け基板が5G需要の立ち上がりを背景に大幅に増加したうえ、自動車生産の回復を受けて車載用も好調だった。22年3月期の経常利益は3期ぶり最高益を計画するほか、18日から東証1部へ市場変更することも決定し、株価は約2年8ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
このほか、19位の中央自動車工業 <8117> [東証2]、21位のヒガシトゥエンティワン <9029> [東証2]、23位のニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]の株価も力強い利益成長を背景に、上場来高値更新を果たしている。
●“青天井”シリーズ ─────
も併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<1447> ITbook 177 800 289 90.8 374 196 65.1
<7826> フルヤ金属 175 4271 1555 74.6 8000 4583 10.3
<4764> NexusB 166 1500 563 738 3000 358 3.7
<6597> HPCシス 148 496 200 33.3 620 465 41.1
<6580> ライトアップ 93.0 357 185 23.3 735 596 31.7
<6629> Tホライゾン 90.4 1603 842 14.5 2900 2533 10.8
<3970> イノベーショ 74.8 215 123 9.2 570 522 25.8
<6081> アライドアキ 74.4 279 160 63.9 500 305 46.6
<7685> バイセル 57.5 630 400 68.3 1552 922 62.0
<7320> リビング保証 51.4 215 142 129 650 284 33.3
<2150> ケアネット 49.6 860 575 47.5 2222 1506 65.3
<7705> ジーエル 36.4 1324 971 7.0 4190 3915 10.7
<5955> ヤマシナ 35.9 231 170 2.6 560 546 28.4
<4595> ミズホメディ 34.4 880 655 155 3092 1211 10.2
<6957> 芝浦電子 33.9 1339 1000 28.1 4050 3162 15.3
<9857> 英和 33.0 975 733 0.5 1800 1791 6.5
<3496> アズーム 29.9 152 117 102 450 223 53.9
<2498> オリコンHD 28.2 2612 2037 4.8 2660 2538 9.0
<8117> 中央自 26.0 2089 1658 11.6 6700 6004 13.5
<3904> カヤック 21.9 412 338 28.4 950 740 21.9
<9029> ヒガシ21 18.2 462 391 1.0 1300 1287 11.8
<4999> セメダイン 17.4 661 563 16.6 1770 1518 9.1
<3891> 高度紙 16.1 894 770 7.3 3000 2796 18.7
<4389> プロパテDB 14.6 165 144 2.7 533 519 29.1
<3671> ソフトMAX 11.9 300 268 4.5 510 488 22.8
<2981> ランディクス 11.3 266 239 8.4 1050 969 8.4
<4970> 東洋合成 10.8 896 809 14.0 3400 2982 42.8
<4327> 日本SHL 10.4 868 786 0.1 1393 1392 17.6
<7809> 寿屋 10.3 386 350 34.9 850 630 10.7
<7634> 星医療 9.7 464 423 2.6 1500 1462 11.0
<9639> 三協フロンテ 8.9 2331 2140 7.0 8500 7946 7.9
<3020> アプライド 8.7 761 700 0.1 2400 2397 5.1
<4391> ロジザード 8.6 88 81 29.3 322 249 28.9
<4476> AIクロス 8.4 90 83 20.5 229 190 23.9
<9698> クレオ 7.2 506 472 6.7 1275 1195 13.3
<6787> メイコー 4.4 3810 3651 1.0 8700 8610 11.6
<6562> ジーニー 3.5 147 142 54.2 720 467 46.5
<7036> EMネットJ 3.3 124 120 21.0 404 334 20.5
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース