今週の【早わかり株式市況】大幅続落、新型コロナの感染再拡大で世界景気減速を懸念

市況
2021年7月10日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続下落、下げ幅は週間で840円強と大きく膨らむ

2.週前半は米国株高の流れを引き継げず、薄商いのなか上値の重さ露呈

3.新型コロナ「デルタ株」の感染拡大を背景とした景気減速懸念を嫌気

4.ETF分配金捻出を目的とした売り圧力も意識され下げ足を助長する

5.週末は前日の欧米株安を受け一時700円安近い波乱も終盤下げ渋る

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比842円(2.93%)安の2万7940円となり、2週連続で下落した。

今週は米株高を追い風に東京市場も強含みの展開が期待されたところだが、実際は売り圧力の強い週となった。新型コロナウイルス「デルタ株」の感染拡大を背景とした世界景気の減速懸念に加え、国内ではETF分配金捻出に伴う売りニーズも強く意識され、週末は波乱含みの展開となった。

週明けの5日(月)は日経平均が反落。前週末にNYダウナスダック総合指数S&P500指数の主要株指数がいずれも最高値を更新したことでリスクオンの地合いも期待されたところだったが、新型コロナで感染力の強いデルタ株の広がりを警戒して売り優勢の展開となった。全般見送りムードが強く売買代金は今年最低に。6日(火)は自律反発狙いの押し目買いが入り日経平均は反発に転じたが上値も重く上げ幅は限定的だった。この日も売買代金は低調を極め、連日で今年最低となった。7日(水)は前日の欧米株市場が総じて軟調。世界景気回復シナリオに対する期待がやや剥落しており、日経平均も再び下値模索の動きに。ただ、引けにかけて下げ渋り日足陽線で引けた。しかし8日(木)は改めて売り直される展開に。新型コロナに対する懸念がくすぶるなか、ETFの分配金捻出のための売りが、この日と週末の2日間で約8000億円規模出るとの見方が買いを手控えさせた。そして週末9日(金)は朝方から波乱展開。前日のアジア株に続き欧米株が軒並み大幅に下げたことで、にわかに世界株安の様相を強めた。東京都に4度目の緊急事態宣言を発令する方針を決定したことも売り圧力を強めた。日経平均は前場に700円近い下げを演じたがその後は下げ渋り、後場は終盤急速に値を戻し、下げ幅は200円未満に収まった。

■来週のポイント

新型コロナの感染再拡大で世界景気の減速が懸念される中、国内でも引き続き感染力の強いデルタ株への警戒感が重しとなり、来週は下値を模索する展開から今週末に一時割り込んだ200日移動平均線を巡る攻防となりそうだ。

重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される5月機械受注統計や15日-16日に開催される日銀金融政策決定会合が注目される。海外では13日に発表される中国6月貿易収支と米国6月消費者物価指数や15日発表の中国4-6月期GDP、15日に行われるパウエルFRB議長の上院証言、16日発表の米国6月小売売上高に注視が必要だろう。

■日々の動き(7月5日~7月9日)

【↓】   7月 5日(月)―― 反落、薄商いのなかリスク回避の売りが優勢

日経平均 28598.19( -185.09)  売買高 7億7429万株 売買代金 1兆7144億円

【↑】   7月 6日(火)―― 反発、欧州株高受けリバウンド狙いの買い優勢

日経平均 28643.21(  +45.02)  売買高 7億9425万株 売買代金 1兆6909億円

【↓】   7月 7日(水)―― 反落、新型コロナ感染拡大やETFに絡む売りを警戒

日経平均 28366.95( -276.26)  売買高10億6653万株 売買代金 2兆2938億円

【↓】   7月 8日(木)―― 続落、新型コロナ感染拡大でリスクオフの売り継続

日経平均 28118.03( -248.92)  売買高11億4405万株 売買代金 2兆6089億円

【↓】   7月 9日(金)―― 3日続落、景気敏感株が売られ2万8000円割れ

日経平均 27940.42( -177.61)  売買高14億2564万株 売買代金 3兆3239億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、31業種が下落

(2)INPEX <1605> など鉱業が2週連続で値下がり率トップ

(3)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄、川崎汽 <9107> など海運といった景気敏感株が売られた

(4)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険といった金融株も大幅安

(5)ファストリ <9983> など小売り、ソフトバンクG <9984> など情報・通信といった内需株はさえない

(6)ホンダ <7267> など自動車、コマツ <6301> など機械、ソニーG <6758> など電機といった輸出株も低調

(7)JAL <9201> など空運、ヤマトHD <9064> など陸運は上昇

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) パワー半導体 ── 消費電力半減の切り札、急浮上する「GaNパワー半導体」関連株

2(2) 2021年のIPO ── 波乱相場のリベンジなるか、直近IPOと7月上場銘柄の投資妙味度

3(3) 半導体  

4(6) 脱炭素  ──── 超巨大マネーが世界を駆ける、覚醒する「脱炭素」怒涛の7銘柄

5(4) 半導体製造装置

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.