今週の【早わかり株式市況】3週続落・一時5ヵ月ぶり安値、インフレ警戒で日米ともに波乱の展開

市況
2022年1月22日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週連続で下落、ハイボラティリティで週央には一時900円超安

2.インフレ進行を背景としたFRBによる金融引き締め強化を警戒し波乱含みに

3.取引時間中も米長期金利の動向や米株価指数先物の動きに翻弄され思惑が錯綜

4.週後半はいったん自律反発も上値は重く、週末に再び売り物に押される流れに

5.来週開催されるFOMCの結果を見極めたいとの思惑も買い手控え要因となる

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比602円(2.14%)安の2万7522円と3週連続で下落。3週間の下げ幅は1269円となった。

今週は米国のインフレ進行を背景に、FRB(米連邦公開市場委員会)による金融引き締め姿勢が一段と強まることへの警戒感が強くなり、日米ともに株価は波乱含みの展開となった。特に東京市場のボラティリティは高く、週央に大幅安となり、週末も朝方から大きく下値を探る展開で一時2万7100円台と昨年8月以来の水準に切り下げる場面があった。

17日(月)は買い優勢の展開となり日経平均は前週から数えて3営業日ぶりに反発。今月6日に840円あまりの急落をみせてから日経平均の下落基調が目立っており、目先値ごろ感からの買いを呼び込んだ。18日(火)は不安定な値動きに終始。朝方は買い優勢だったが、米長期金利の動向や米株価指数先物の動き、更に日銀の金融政策決定会合の結果などを受けて値動きが荒くなり、日経平均は結局安く引けた。そして19日(水)は大波乱展開に。前日の欧州株市場が軒並み安となったほか、米国株市場でもハイテク株中心に幅広く売り込まれる展開で、リスクオフの流れが波及し売り一色の地合いに。日経平均は先物主導で一時900円を超える下げとなり、大引けはやや下げ渋ったものの790円安と急落した。全体の97%の銘柄が下落するという全面安商状だった。20日(木)は前日の反動もあって買い戻しが優勢に。中国人民銀行が実質政策金利の利下げを発表するといったん下げ幅を広げる場面があったが、その後切り返し、後場に上げ足を強めた。もっとも上昇幅は前日の下げの半分にも届かず、上値は重かったともいえる。そして週末21日(金)は、再び日経平均が下値を探る展開。米国株の変調ぶりが目立っており、来週25日-26日の日程で行われるFOMCの結果を見極めたいとの思惑も買いを手控えさせた。一時600円を超える下げで2万7100円台まで突っ込んだが、後場は下げ渋った。

■来週のポイント

来週は週前半に開催されるFOMCの結果待ちで買い控えから下値を探る展開が続きそうだ。結果次第では相場は大きく振れる可能性がある。

重要イベントとしては、国内では25日から4-12月期の決算発表が本格化する。海外では25日-26日に開催されるFOMCが最大のイベントだ。そのほか、26日発表の米国12月新築住宅販売件数や27日発表の米国10-12月期GDP、28日に発表される米国12月の個人所得と個人消費支出にも注視が必要だろう。

■日々の動き(1月17日~1月21日)

【↑】   1月17日(月)―― 3日ぶり反発、ハイテク株中心に見直し買いが流入

日経平均 28333.52( +209.24)  売買高 9億9587万株 売買代金 2兆3178億円

【↓】   1月18日(火)―― 反落、米長期金利動向にらみマイナス圏に沈む

日経平均 28257.25(  -76.27)  売買高12億2657万株 売買代金 2兆8125億円

【↓】   1月19日(水)―― 急落、米長期金利の上昇を警戒し全面安商状

日経平均 27467.23( -790.02)  売買高15億1374万株 売買代金 3兆5277億円

【↑】   1月20日(木)―― 3日ぶりに反発、主力株を中心に買い戻しが優勢

日経平均 27772.93( +305.70)  売買高12億8247万株 売買代金 3兆1657億円

【↓】   1月21日(金)―― 反落、米株安を警戒も売り一巡後は下げ渋る

日経平均 27522.26( -250.67)  売買高12億3500万株 売買代金 2兆9873億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、25業種が下落

(2)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼が大きく売られた

(3)ソニーG <6758> など電機、トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械といった輸出株は大幅安

(4)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、日本取引所 <8697> などその他金融といった金融株も安い

(5)INPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油といった原油関連はさえない

(6)東武 <9001> など陸運、三井不 <8801> など不動産といった内需株の一角は高い

(7)JAL <9201> など空運が値上がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) メタバース ── 産業用メタバースで脚光、「デジタルツイン」関連株が飛躍ステージへ

2(2) 電気自動車(EV)

3(3) 半導体 ──── バリュー株シフトの逆風も一頭地を抜く成長力に注目

4(4) 半導体製造装置

5(5) 2021年のIPO

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.