【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─東京市場は水準訂正へ!ここで狙うは"10万円で買える"株
「東京市場は水準訂正へ!ここで狙うは“10万円で買える”株」
●米CPI減速が株価を押し上げる
私が前回指摘したことを覚えておられるだろうか。例年この時期になると「夏枯れ相場」になるが、今年はそれはないのではないか。
その理由だが東京市場には、次の3つの強力な株価支援材料があるのだ。
(1)日銀が大規模金融緩和の継続を公約している。
(2)日本のインフレ率は2%台に乗ったばかりで、欧米などの8~9%台とは比較にならないほど低い。
(3)23年3月期第1四半期(4-6月)決算は好調な企業が多い。
これらを挙げた。市場も私のこんな指摘に反応したわけではないだろうが、週末はなんと日経平均株価は727円高と急反発。正直、上がり過ぎではないかと思うほどの急騰となった。
これはもちろん、10日に発表された米国の7月消費者物価指数(CPI)の上昇率が、市場の期待通りに低下していたからだ。総合指数は6月が前年同月比9.1%の上昇だったが、今回は8.5%。コア指数は前回5.9%、今回は変わらずだった。
7月の米雇用統計で非農業雇用者数が52.8万人増となったため、市場は「これでは利上げが加速する」と警戒を強めていただけに、CPIの減速はまさに天の恵み。今後も株価の押し上げ要因となってくれそうだ。
●全般底上げに伴い、「1000円以下の銘柄」は急減へ
それによって、東京市場にどんな現象が生じるか? 市場全体が上昇する、いわゆる水準訂正の展開になる。結果、1000円以下の銘柄が急減していくと見てよい。それは最低投資金額10万円で投資できる銘柄が少なくなっていくことでもある。
もちろん、全てがなくなることはないが、上昇力のある銘柄は次々と1000円を超えていくのだから、10万円の資金で投資したいという場合は、いますぐとは言わないものの、秋高になる前に投資しておく――これがお勧めだ。
そこで、今回の注目銘柄は「10万円で買える銘柄=1000円以下の銘柄」になる。具体的には、まずは 電線大手フジクラ <5803> [東証P]だ。いわゆる電線御三家の一角として知られるが、市場人気は意外なほど低い。市場を刺激するような材料がないからだろうが、同社については業績が順調に推移している点に着目だ。自動車向けハーネス需要が落ち込んでいたが、今後、自動車各社は生産を増やすと見てよく、株価も期待が持てる。
女性向けフィットネスクラブ運営で知られるカーブスホールディングス <7085> [東証P]も浮上を開始しており、ここからが本番と見てよい。
日立キャピタルと経営統合して、リース業界首位級となっている三菱HCキャピタル <8593> [東証P]も、グループ内の合併を推進するなど、経営力の強化を続けており、株価も期待が持てる。
そして、これまでしばしば取り上げてきたレオパレス21 <8848> [東証P]も忘れてはなるまい。ただ、この銘柄は株価が上昇している時に投資すると間もなく下げてしまう傾向がある。投資家の信頼感がまだ完全には戻っていないためだろう。そのため、株価が下げて動きが止まっている時に投資しておきたい。
工業用ネジ大手の日東精工 <5957> [東証P]も、製品が地味なためか市場での人気は低いが、あらためて書くまでもなくネジは高精密製品。当面、需要が落ちることは考えられず、株価は緩やかな続伸が見込める。
最後に、株価がギリギリ1000円内(12日終値は990円)となっているバンドー <5195> [東証P]を。自動車用Vベルトで知られる企業で、国内はもちろんタイでの展開に力を入れていているが、市場の評価はまだ低く、今後見直し買いを期待できる。
2022年8月12日 記
株探ニュース