今週の【早わかり株式市況】大幅続伸、金融不安後退と円安が追い風に

市況
2023年4月1日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続で上昇、2万8000円台回復

2.米SVBの引受先決定、過度な不安心理が後退

3.29日水曜が権利付き最終日、配当狙いの買い活発

4.翌日権利落ち日は日経平均下落も、実質プラス圏

5.週末金曜は再び上昇、米株高・円安が追い風に

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比656円(2.4%)高の2万8041円と、2週連続で上昇した。

今週は、週を通じて買い優勢の地合いだった。前週までの欧米市場を中心とした金融株安に歯止めがかかり、先行き不安が後退。東京市場もこの流れを引き継ぎ、権利取り狙いや配当再投資の買いも入るなか上げ足を強めた。

週明け27日(月)の東京株式市場は頑強な値動きをみせつつ、上値の重さも意識される展開だった。前週末の欧米株市場は、金融株安による投資家心理の悪化で欧州市場は軒並み軟調な地合いとなったが、その後の米国市場では朝安後にプラス圏に切り返した。これを受け東京市場もセンチメントが改善した。28日(火)も上値追い態勢を継続し、日経平均は前日に続き小幅に上昇。経営破綻した米シリコンバレーバンク(SVB)の引受先が決定し、過度な先行き不安の後退で前日の米国株市場が高く引けた流れを引き継いだ。29日(水)はリスク選好ムードが加速。日経平均は365円高と大幅高に買われた。朝方は小幅高でスタートしたが、この日が権利付き最終売買日とあって配当狙いの買いが活発化し、大引けまで一貫して上げ足を強める展開に。プライム市場の約95%の銘柄が上昇する全面高商状となった。30日(木)は一転、配当権利落ちの影響で下落した。日経平均は終始マイナス圏での値動きとなり、下値を試す場面もあった。ただ、配当再投資の買いが意識され終盤下げ渋り、結局100円安で着地。配当落ち分(257円程度)を考慮すると、実質プラス圏で引けた格好となった。31日(金)は再び上昇、日経平均は一気に2万8000円台を回復した。前日の米株高に加え、為替市場での円安が追い風に働いた。

■来週のポイント

来週は、米国の金融政策の見極めがポイントになりそうだ。米利上げと金融システム不安はリンクしており、懸念が後退したとはいえまだ金融不安の火種は残っているといえる。次回のFOMCに向けて市場にどのようなコンセンサスが形成されるのかに注目したい。

重要イベントとしては、国内では4月3日朝に発表される日銀短観、7日発表の2月景気動向指数、9日の植田和男氏の日銀新総裁就任が注目される。海外では、3日に発表される米国3月ISM製造業景況指数、5日に発表される米国3月のADP雇用統計とISM非製造業PMI、6日発表の中国3月財新サービス業PMI、7日に発表される米国3月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月27日~3月31日)

【↑】   3月27日(月)―― 3日ぶり反発、配当取り狙いの買いが優勢

日経平均 27476.87(  +91.62)  売買高9億6649万株 売買代金 2兆2884億円

【↑】   3月28日(火)―― 小幅続伸、欧米株高を受け銀行株中心に買い優勢

日経平均 27518.25(  +41.38)  売買高10億5418万株 売買代金 2兆3613億円

【↑】   3月29日(水)―― 3日続伸、配当権利取り狙いの買いが優勢

日経平均 27883.78( +365.53)  売買高13億6674万株 売買代金 3兆3011億円

【↓】   3月30日(木)―― 4日ぶり反落、欧米株高も配当落ちでマイナス圏

日経平均 27782.93( -100.85)  売買高12億7527万株 売買代金 2兆9680億円

【↑】   3月31日(金)―― 反発、米株高や円安を受け2万8000円台を回復

日経平均 28041.48( +258.55)  売買高14億2527万株 売買代金 3兆7422億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、31業種が上昇

(2)値上がり率トップとなったトヨタ <7203> など自動車を始め、HOYA <7741> など精密機器、ダイキン <6367> など機械といった輸出株が大幅高

(3)三井不 <8801> など不動産、NXHD <9147> など陸運、上組 <9364> など倉庫・運輸といった内需株も高い

(4)金融株も高い。三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券が堅調

(5)伊藤忠 <8001> など大手商社、住友電 <5802> など非鉄、INPEX <1605> など鉱業といった資源株も大きく買われた

(6)下落率トップの郵船 <9101> など海運は6%強のマイナスと唯一大幅安

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) 人工知能 ── チャットGPTに触発され世界マネーも動き出す

2(2) 半導体

3(3) チャットボット

4(6) 円高メリット ── 金融不安背景に紙パや石油株など見直し

5(24) 2023年のIPO

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.