省力化・EVで実績、海外筋が高評価の「機械・設備投資」関連株をマーク <株探トップ特集>

特集
2023年6月13日 19時30分

―円安基調も追い風、好業績で割安感強い世界高シェア企業に一段高の余地―

13日の日経平均株価は前日比584円高の3万3018円と大幅に3日続伸。1990年7月以来、33年ぶりに3万3000円台に上昇した。東京株式市場の強力な上値追い基調が続いているが、牽引役を果たしているのは海外投資家だ。その海外筋が積極的な買いを入れているとみられるセクターに、省力化や電気自動車(EV)向けなどで日本企業が世界的な高シェアを誇る機械・設備投資関連株がある。外国人買いの流れに乗る 機械株には一段の再評価余地が膨らんでいる。

●「機械」セクターは年初から3割高と好調

上昇基調の続く東京市場だが、相場を押し上げているのはアドバンテスト <6857> [東証P]などの半導体関連株だけではない。世界市場で高い存在感を持つ機械・設備投資関連株の存在も見逃せない。東証33業種別の「機械」セクターは年初から32%上昇と日経平均株価の26%高を大きく上回っている。日経平均株価への寄与度の高い機械株の上昇は、東京市場の株高に大きく寄与していると言える。

足もとで上場来高値圏にある機械・設備投資関連株には、FA関連のSMC <6273> [東証P]やキーエンス <6861> [東証P]、空調大手のダイキン工業 <6367> [東証P]などの銘柄がある。世界的な高シェアを誇る銘柄に海外投資家を中心に買いが入っている様子だ。

例えば、安川電機 <6506> [東証P]も上場来高値圏に買い上げられている1社だ。同社の24年2月期はEVやリチウムイオン電池関連をはじめ製造業での自動化・省力化に向けた 設備投資が継続する見込みで、連結営業利益は前期比2.5%増の700億円と最高益が予想されている。

●省力化やEV向けの需要強く中長期的成長が続く

市場には、海外需要に加え内需の回復に期待する見方も出ている。8日に発表された1~3月期国内総生産(GDP)は前期比年率2.7%増と速報値から上方修正された。これは設備投資の増加が寄与したためだ。内需の設備投資などが盛り上がれば機械株全般の見直しにつながるとみられる。

ただ、現状は依然として外需依存の側面は強い。また、その世界景気の見通しも年後半以降の減速を警戒する見方は少なくない。中国向け需要も期待されたほどの強さはみられておらず、足もとの日本の工作機械受注高も前年比で減少傾向にある。

もっとも、省力化需要やEV向けといった成長分野への設備投資需要は強いほか、「世界景気は年後半から減速しても来年後半に向けては回復に転じる」(アナリスト)との観測もあり、長期的な見方からの再評価機運が強い。また、足もとの為替の円安も機械株にとっては追い風に働く。更に、トヨタ自動車 <7203> [東証P]が2027年にも「全固体電池」を搭載したEVを投入する、と報道されたことでEV向けに強い機械株は見直される可能性がある。銘柄による明暗は分かれそうだが、株高基調が続くなか高い実力を持つ機械株には再評価余地が膨らみそうだ。以下では、海外投資家の買いで上昇が見込める機械・設備投資関連の6銘柄を取り上げた。

●SMC、竹内製作所、アマダ、ジェイテクトなど注目

SMC <6273> [東証P]~FA空圧制御機器で世界トップ。自動化に加え、EV・半導体の設備投資拡大が収益に寄与。総還元性向も50%と積極的。今期業績は減益予想も市場では25年3月期には急回復予想も出ている。

竹内製作所 <6432> [東証P]~小型建設機械で高実績。品質や性能の高さから「建機のベンツ」と呼ばれる。社会インフラ工事の需要が好調で受注残は高水準。24年2月期も最高益基調が続く。

アマダ <6113> [東証P]~金属加工機械大手。5月に発表された新中期経営計画では、連結配当性向50%に加え、自己株式取得枠400億~600億円を想定。24年3月期の業績は最高益基調。配当利回りは3.6%前後。

日本精工 <6471> [東証P]~ベアリング最大手。24年3月期の連結営業利益は前期比26.0%増の415億円と市場予想を上回る増益見通しを公表。発行済み株式数の4.8%相当の自社株買いの実施も好感。株価は連結PBR0.7倍、配当利回り3.4%前後で見直し余地。

オークマ <6103> [東証P]~工作機械大手。半導体やEV向けなどにハイエンドな工作機械の需要が拡大。24年3月期の連結営業利益は前期比2.8%増の255億円の見通しだが、270億円前後へ増額修正観測の期待も出ている。

ジェイテクト <6473> [東証P]~ベアリング大手。トヨタ系で高耐熱リチウムイオンキャパシタなどを手掛けているほか、EVの電動駆動システムに搭載されるベアリングなどを開発。24年3月期は自動車の挽回生産で業績拡大期待も膨らむ。

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