来週の株式相場に向けて=国内決算ピークへ、キオクシアと「フィジカルAI」に関心
8日の日経平均株価は前日比120円安の6万2713円と反落した。ソフトバンクグループ<9984>が下落し1銘柄で日経平均を230円あまり押し下げたことが響いた。ただ、前日に3320円高と過去最大の上げ幅を記録しており、大幅な反動安もあり得るなか、下げは小幅だった。売買代金は10兆9630億円台と連日の大商いとなっている。
後場に決算発表を行ったトヨタ自動車<7203>の27年3月期営業利益は前期比2割減益が示され、同社株は下落したが、全体相場への影響は限られた。「TOPIXはなお2月末高値を抜けていない。トヨタ下落の影響が限定的だったことは足もとの相場を象徴している」(アナリスト)という。
言うまでもなく、 AI・半導体関連への一極集中相場がどこまで続くかが最大の焦点だ。牽引役となっている米国市場の状況をみるとテック株中心の展開は当分続くことも予想される。大手証券では26年12月期のNYダウ構成銘柄のEPSは前期比9%増に対し、ナスダック総合指数のEPSは33%増を予想している。27年12月期はNYダウが13%増に対し、ナスダック指数は22%増を見込む。テック企業の大幅増益基調は続くと予想されており、これが足もとのNYダウとナスダック指数のパフォーマンスの差につながっている様子だ。同様の流れが、ハイテク株の比率が高い日経平均株価の最高値更新の背景にはあるだろう。
来週は国内企業の決算発表がピークを迎える。12日の古河電気工業<5801>、13日のソフトバンクG、15日のキオクシアホールディングス<285A>など注目企業の決算は目白押しだ。とりわけ連日の大商いに沸くキオクシアへの関心は高い。同社の業績予想は四半期ごとで、今回は4~6月期の見通しが示されそうだが、市場では27年3月期通期ベースではEPSは4000円前後(26年3月期予想900円前後)に達するとの見方もある。キオクシアの決算に対する評価は、相場を大きく左右しそうだ。
また、市場では「フィジカルAI」に対する期待が高まっておりファナック<6954>やキーエンス<6861>が上場来高値を更新し、安川電機<6506>などが値を上げている。相場の牽引役としてフィジカルAI関連が大きく育つかが注目される。更に、来週は14~15日にトランプ米大統領が訪中し、米中首脳会談が開催される。同会談をにらみながらイラン情勢がどう展開するかは注視される。
上記以外のイベントでは、 海外では11日に米4月中古住宅販売件数、12日に米4月消費者物価指数(CPI)、13日に米4月生産者物価指数(PPI)、14日に米4月小売売上高、15日に米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米4月鉱工業生産が発表される。同日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が任期満了となる。決算発表では13日にシスコ・システムズ<CSCO>、14日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>が予定されている。
国内では、12日に4月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が発表される。13日に4月景気ウォッチャー調査、14日に4月マネーストック、30年債入札が実施される。11日にイビデン<4062>、JX金属<5016>、住友金属鉱山<5713>、12日に清水建設<1803>、パナソニック ホールディングス<6752>、13日に日本製鉄<5401>、三井不動産<8801>、14日に大成建設<1801>、フジクラ<5803>、SMC<6273>、15日にリクルートホールディングス<6098>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、第一ライフグループ<8750>などが決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは6万1200~6万3500円前後。(岡里英幸)