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明日の株式相場に向けて=日経平均7万円射程、イラン和平実現で「AIバブル」膨張へ

市況
2026年6月15日 17時54分

15日の日経平均株価は3297円高と過去2番目の上げ幅となり史上最高値を更新、7万円の大台を射程に捉えた。トランプ米大統領がSNSを通じ米国とイランが戦闘終結協議で合意したと表明し、イラン側も合意が成立したと明らかにした。トランプ氏の「やるやる詐欺」に呆れ果てていた市場参加者も、今回ばかりは和平の実現性を意識せざるを得なかった。

上昇率は日経平均が4.99%で、東証株価指数(TOPIX)が3.03%だった。物色の蚊帳の外に置かれていたトヨタ自動車<7203>が一時5%を超す上昇。機関投資家によるファンド経由の資金流入があって大型株全般に強調展開となり、原油価格の下落による資材コスト減の期待から建設株が大きく買われた。それでも目を引いたのが AI 半導体関連株の頑強ぶりだった。売買代金トップのキオクシアホールディングス<285A>は9万円台に突入。上昇率は12%近くとなったほか、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の村田製作所<6981>がストップ高に買われるなどと気を吐いた。

ハイパースケーラーによるデータセンター投資の加速を背景に、半導体メモリー価格が上昇し、キオクシアの業績拡大期待を膨らませている。日経平均の予想EPS(1株利益)をキオクシアが大きく押し上げる一方で、日経平均の加重平均ベースのPER(株価収益率)は17倍台と、直近のピークである20倍を下回っている。足もとのEPSにPER20倍をかけ合わせれば、日経平均は7万4000円近辺への上昇が許容されることになる。

AI・半導体関連株を牽引役とした全体相場の上昇について、「AIバブル」と表現する投資家は多い。米国がイランを攻撃する前の水準と比較し、日経平均は1万円上昇したが、キオクシアは7万円高となった。AIの普及は株式市場において類似した投資行動を誘発し、物色の偏重を促すと指摘されている。ホルムズ海峡の開放で世界的なインフレ懸念が収束に向かい、金利が低下した際には、高PER株の上値抑制要因が払われる形となる。AI・半導体株主導で買われ日経平均のPERが20倍を上回って水準を切り上げていく可能性も否定できない。15日の日経平均オプションをみると、7月限のコール(買う権利)は権利行使価格7万5000円や8万円などの建玉が増加しプレミアムが大幅に上昇。株価指数の更なる上昇を見越した投資行動が表れている。

目先の最大のイベントとして、米連邦公開市場委員会(FOMC)が16~17日の日程で開かれる。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ新議長が金融政策の方向性をどう示すのか、不確実性が非常に高い。ウォーシュ議長が持論としてきたバランスシート縮小について記者会見で踏み込んだ発言があれば、QT(量的引き締め)の連想をもたらし、米金利が上昇するリスクがある。半面、議長はかねてからAIがインフレ抑制要因となるとの見解も示している。いずれにせよ金利の反応を読むのは難しい。

FOMCとともに19日に予定通り和平合意の署名が行われるかどうか、注視せざるを得ない局面ではある。ただし米国のインフレ懸念とFRBの利上げ観測が後退すれば、いわゆる「AIバブル」は一段と成長しかねない。AI相場から取り残される恐怖は市場参加者の心理に深く根ざしており、「中銀ウィークとはいえ様子見を決め込むのは危険」(中堅証券ストラテジスト)との声もある。強調展開となった際には素直に流れに追従する姿勢が求められることになるだろう。

15日は村田製や太陽誘電<6976>とともに電子デバイス向けセラミックスを手掛けるニッカトー<5367>などMLCC関連株への物色人気が再燃した。MLCC向けチタン酸バリウムの戸田工業<4100>は需給調整が一服。酸化チタン大手でコンデンサー向け導電性高分子薬剤の需要の追い風が吹くテイカ<4027>は25日移動平均線近辺で下げ渋った。半導体製造装置や半導体工場に使われるBA管(精密細管)が好調な丸一鋼管<5463>も反騰機運を高めているとあって、いずれもマークをしておきたい。

あすのスケジュールでは、国内では日銀金融政策の結果が発表される。内田真一副総裁が、植田和男総裁の代理で記者会見に応じる。日銀は長期国債買い入れの減額計画について中間評価も公表する予定。また、タクシー配車アプリのGO<581A>が東証グロース市場に新規上場する。海外では中国の5月鉱工業生産や小売売上高などが公表されるほか、オーストラリア中銀が政策金利を発表する。ドイツの6月ZEW景況感指数や、米国の5月住宅着工件数の公表も控えている。(長田善行)

出所:MINKABU PRESS

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