鈴木英之氏【日経平均7万円目前、米イラン合意で一段高あるか】 <相場観特集>
―戦闘終結合意で原油価格に下落期待、リスクオンムード強まる―
15日の日経平均株価は前週末12日に比べ3297円高と急伸。一時、6万9682円まで上昇し、7万円が目前に迫った。日本時間15日早朝にトランプ米大統領がイランと戦闘終結で合意したとSNSで発表。これを受け、原油価格が下落し市場にはリスクオンムードが強まった。TOPIXも最高値を更新した。AI・半導体関連人気に沸くなか、果たして日経平均株価は7万円台を突破し、一段の上値追いに拍車がかかるのか。SBI証券の鈴木英之投資情報部長に聞いた。
●「上値追い見込めるが上昇ピッチ速い、AI・半導体関連と銀行株が柱」
鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)
米国とイランが戦闘終結で合意するなか、日経平均株価は6万9000円台まで上昇した。米国とイランの戦闘が終結すれば、原油価格の下落も期待でき、相場にはプラス要因に働くだろう。ただ、足もとの相場の上昇ピッチはさすがに速いと思う。
先週末時点での、日経平均株価の構成銘柄の予想1株当たり利益(EPS)は3730円程度であり、これを20倍前後まで買えば7万4000円台となる。日経平均株価7万円台は割高とは言えないが、足もとの上昇速度の速さから、目先ボラタイル(変動的)な値動きとなる場面は考えられる。こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株価のレンジは6万5000~7万5000円前後と予想する。ただ、1ヵ月後の時点では7万1000円程度で落ち着いているとも思える。
今週は日米の金融政策決定会合が予定されている。日銀は0.25%の追加利上げが見込まれているが、中立金利をどの程度の水準とみているかが注目されそうだ。米国の金融政策は据え置き見通しだが、年内1回程度の利上げ観測が浮上している。新たにウォーシュ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任し、原油安も期待されるなかFRBの姿勢をハト派に寄せることができるかどうかが注視される。
物色の柱は、引き続きキオクシアホールディングス <285A> [東証P]などAI・半導体関連株やメガバンクなど銀行株だろう。 AI・ 半導体関連株は選別色が強くなることも予想される。今月下旬にかけ配当再投資の動きも期待できるだけに、高配当株などのバリュー株が見直される可能性もある。リスク要因は、米国とイランの合意が守られないことやAI関連企業の収益性に懐疑的な見方が出ることなどだろう。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。
株探ニュース