佐藤正和氏【7万円台再浮上か調整局面か、正念場の東京市場】(2) <相場観特集>
―AI関連相場の持続性と歴史的なドル高・円安の行方に注目―
6日の東京株式市場は半導体セクターなどに売りがかさみ、日経平均株価は下値を探る時間帯が長かった。前週末3日に一時1100円強下落した局面から切り返し、逆に1000円あまり上昇して引けるなど強さを発揮したが、週明けは波に乗れず、依然として不安定な地合いが続いている。ただ、バリュー株へのセクターローテーションの動きが観測され、日経平均は軟調でも値上がり銘柄数が値下がりを大きく上回るなど、決して弱い相場とはいえない。一方、外国為替市場ではドル高・円安が進んでおり、今後の動向に投資家の関心が集まっている。今回は、株式市場の見通しに関して雨宮総研の雨宮京子氏、為替市場の動向については外為オンラインの佐藤正和氏にそれぞれ見解を聞いた。
●「ドル高・円安基調続く、政府・日銀の介入注視の展開」
佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)
2日に発表された米6月雇用統計は、市場予想を下回り一時、ドル安・円高が進んだが、週明け6日には再び1ドル=162円台に乗せた。一時はドル安となったものの、6月雇用統計の内容は、それほどは悪くはなく、米国経済は堅調であり、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを注視する展開は今後も続くとみている。
足もとの原油価格は下落基調にあり、イラン情勢を背景に一時は「有事のドル買い」も叫ばれた。しかし、原油安に振れても依然としてドルは強い状況にある。やはり米景気の強さを背景にしたドルの優位性が背景にあるのだろう。FRBは秋頃を視野に年内に少なくとも1回、場合によっては2回の利上げに踏み切る可能性があると思う。
一方、日本では高市早苗政権が利上げに対して慎重な姿勢を示している。債券市場では金利が上昇しており、本来なら金利高は円高要因に働くはずだ。しかし、そうはなっておらず、足もとの金利上昇は、悪い金利高とみられている様子だ。日銀は10月に利上げに踏み切る可能性はあるが、その先を含めた利上げへの慎重姿勢が円売りを促していると思う。足もとで唯一の買い手としての役割を強めているのが政府・日銀であり、円買い介入がいつあるかを市場は注視している。為替介入は163~165円の水準で行われるのではないか。為替介入を見送るという選択肢はないと思う。
こうしたなか、今後夏場に向けた9月半ば頃までのドル円の想定レンジは158~164円前後を予想する。為替介入があった場合は一時的に、155円前後まで円高が進むことはあり得るだろう。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。
株探ニュース