「3度の退場」でも億り人、「AIあえてスルー」でリベンジの技
すご腕投資家さんに聞く 『銘柄選び』の技
AI相場で勝つ人
ブレまくるさんの場合-第1回
イラスト:福島由恵兼業投資家。不動産売買の営業マンとして働く傍ら、現物株で1億3000万円を運用する。投資を始めたのは学生時代の2008年。無謀な取引を重ね、3度の「退場」を経験したが、その教訓を生かして2023年に現在の手法を確立。以降、成績が安定するようになる。趣味のカメラや車、フィギュアを思う存分楽しむため、資産10億円を目標に投資を続けている。「株探-個人投資家大調査-2026」の回答者で、投資スタイルは「グロース重視」、日本株投資の腕前は「初級者」となる。
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| この記事を読んで分かること |
| 1. 小型グロースで資産3倍を果たした投資家の勝負銘柄 |
| 2. 勝負銘柄を見極める3つの基準 |
| 3. 保有継続を決め込んでいるアシロの目標株価 |
足元の株式市場はAI関連銘柄が調整局面にあるものの、相場を牽引する主役の座を降りるまでに至っていない。
ここ数年、AI関連に熱視線が注がれてきた中で、それらのキラキラ銘柄に目もくれずに資産を増やしているのが、今回紹介する「ブレまくる」さん(ハンドルネーム、以下ブレさん)だ。
狙うは、時価総額が約100億円以下の小型グロース株への集中投資だ。現在の手法を取り始めたのは、AIブームに火がついた2023年。それ以降、累計元本の4000万円は1億3000万円へと3.3倍に拡大。同期間の日経平均株価およびTOPIX(東証株価指数)の2倍超に負けない水準となっている。
億り人昇格に貢献したのが、3度の「退場」経験だ。無謀な取引を重ねた結果、学生時代に親からの仕送りを全額溶かしたり、社会人になった後も複数の友人から計1000万円を借りる事態に陥ったりした。
I相場に乗らないのも、その教訓を生かしているためだ。ブレさんの成功の軌跡を2回に分けて紹介する。初回は、現在の中核となる投資スタイルについて見ていく。
勝負銘柄は、アシロ<7378>、JRC<6224>、GENOVA<9341>
ブレさんは、現物株1億3000万円に加え、信用取引で5000万円を運用し、合計運用額は1億8000万円になる。この7割を占めるのが、
法律相談サイトのアシロ<7378>
屋外用ベルトコンベヤーを手掛けるJRC<6224>
医療情報サービスのGENOVA<9341>
――の3銘柄だ。合計の時価評価額は1億2500万円となり、その3000万円弱が含み益だ(下の表)。
3社の時価総額は、いずれも足元では100億円超だ。取得時の時価総額はアシロが55億円、他の2社が100億円台と高くない水準だった。
こうした小粒な銘柄を原則として年単位で保有し、資産をじっくりと膨らましていく。
■3銘柄の保有状況
| 銘柄名<コード> | 取得開始 | 保有株数 | 時価評価額 | 含み損益 | 時価総額 | |
| 取得時 | 足元 | |||||
| アシロ<7378> | 2024年01月 | 4万8300株 | 7200万円 | 3400万円 | 55億円 | 111億円 |
| JRC<6224> | 2024年11月 | 2万2000株 | 2450万円 | ▲84万円 | 117億円 | 146億円 |
| GENOVA<9341> | 2025年05月 | 4万5000株 | 2880万円 | ▲522万円 | 130億円 | 114億円 |
注:時価総額の出所はQUICK
アシロの運用額の半分は含み益、今後も拡大に期待
上の表で一目瞭然のように、億り人昇格に最も貢献しているのが、2024年1月から保有しているアシロ<7378>だ。足元の時価評価額は7200万円で、含み益は3400万円になる。
一部利益確定売りをした際の売却益1000万円を合わせると、同社株だけで4400万円の利益を上げている。ブレさんは、「アシロは今からでも4倍の上昇余地がある」と見立て、保有を続ける方針だ。
それは、なぜなのか。そして、3度転んでもリベンジできたポイントとは。
■アシロの週足チャート(2021年7月~)

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同